encounter<加藤>
名前設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
着信音が響く中眠い目を擦りながら電話に出る
「おはようなまえ今何時か分かってるん?」
一瞬で菜緒の声だと分かり、冷や汗が止まらない
携帯を耳から外し時計を確認
19時40分
『ごめ、寝てて!』
「んな事わかってんねん、はよ来てや待ってるから」
電話が切れて急いで行かなければと立ち上がるがよくよく考えれば40分も遅刻してさらにいちにんしょうを待つ理由って何…?
ただ、この状況でこれ以上菜緒を敵に回してはいけないという事だ。
──────
走って5分の居酒屋のドアを息を整えながら開ける
「あぁ~!!やっと来た~!!」
「おっそいわ、罰としてここなまえ持ちな」
『遅れてごめんだけど今月厳しいって言ったじゃん…てか人少なくない?』
「誰かさんが寝てる間に皆カラオケ行ってしまいました」
『で、菜緒と…えっと?』
菜緒の横に知らない女の子がいて、軽く会釈すると
「あ、初めましてですよね、大学ではよく見かけるんですけど…」
彼女は佐々木久美と言った、今回の飲み会の発案者で菜緒と同じコマを取っていたらしい。
『初めまして、みょうじなまえです、すみません寝坊しちゃって…』
菜緒の向かいの席に座ろうとすると見知らぬ鞄が手に当たる。
『もしかしてもう一人いる…?』
「あ、史帆おかえり~」
『しほ…?』
知らない名前に振り向けばいちにんしょうがよく知る人が手を振っていた
「こちら、加藤史帆さん、くみさんの友達?親友?なんやって。めっちゃ美人よな」
「えへへそんな事ないですよ~」
「菜緒ちゃんが変な奴がいる~って言うから是非会いたいって待ってたんですよ~」
「みょうじさん?ですよね、初めまして加藤史帆です…」
お酒のせいか顔が少し赤い彼女は紛れもなく毎週水曜日のコンビニ美女で、思わず言葉が詰まる
「なんなんなまえ、美人過ぎて声の出し方忘れてしまったん?」
『いや、ちがくて…その…』
チラリと横に座った加藤さんを見れば照れくさそうに下を向いてしまった
さっき、初めましてって言われたよな?
もしかしていちにんしょうに気付いてないのか…?
「ま、とりあえず飲み直そうやなまえビールでええよな?」
『あぁ、うんありがとう』
それから4人で飲みながら大学の授業の話やら他愛のない話をしているとあっという間に時間は過ぎていて気付けば終電間近になっていた。
「やっば、菜緒終電もうすぐやんダッシュせなあかんやん」
「もうそんな時間?!私も急がなきゃ…菜緒ちゃん同じ方向だったよね一緒に走ろ!」
「せやんな、史帆ちゃんは?終電大丈夫?」
「私、ここから近いんで徒歩で大丈夫です」
「じゃあなまえに送ってもらうとええよ、夜中に可愛い子1人は危ないし」
『は?!ちょっ、待って!』
テーブルにお金を置いて「あとは頼んだ!」と言わんばかりに走り去って行った。
加藤さんも大分酔いが回ってるのか顔が赤く少しへにゃへにゃしている、流石に一人で帰す訳にはいかないよな…と席を立ち会計を済ませ店を出る。
「今日はありがとうございました、みょうじさんとお話できて良かったです、ではまた」
いちにんしょうに背中を見せ歩き出した彼女を追いかけ隣を歩くと少し驚いた表情でこちらを見る
『送ります、嫌でなければ』
「へへ、ありがとうございます」
照れくさそうに笑う彼女の顔は耳まで赤くなっていてそれがお酒のせいかなのかいちにんしょうにはまだ判断が出来なかった。