encounter<加藤>
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世間が冬服に衣替えが終わった頃、史帆はなまえの家に泊まることが多くなっていた。
夜は寒く外に出たくないからだ。
いちにんしょう自身も寒い中送っていくのは少し億劫だったし2人の時間も作れるしで一石二鳥だった。
「なまえさ、クリスマスってバイトだよね…?」
『去年も一昨年もバイトだったな〜、今年はイヴか当日どっちか休みとれないかな〜』
「え、いいの」
『いちにんしょうも史帆とクリスマスしたいし』
「嬉しい…!!ケーキはしし作る!!なまえはチキン担当ね!!」
『市販でもいい?』
「いい!」
目をキラキラさせて飾り付けや料理は他に何がいるか、シャンパン飲みたいね、なんて話してるといちにんしょうの携帯が着信音を鳴らす。
『…ちょっとごめん』
「ん?うん、大丈夫だよ」
立ち上がり一旦部屋から出て通話ボタンを押して『もしもし』と言えば苦手な声がいちにんしょうの耳に届く。
「あ、なまえちゃん?久しぶり〜!」
『あぁ、うん、なに?』
「なんか冷たい〜、用がなきゃ電話しちゃいけないの?」
『うん、だから、なに?麻衣さん』
「麻衣さんなんて距離感じるんだけど!昔みたいに麻衣お姉ちゃんって呼んで!」
『…はぁ……切るね』
「あぁ〜!うそうそ!なまえちゃん再来週末帰ってこない?」
『…は?』
「私も丁度帰るから一緒にどうかな〜って」
『お母さんに何か言われたの?』
「ん〜、とりあえず考えといてよ!ね!また連絡する!」
『あ、ちょっと麻衣さん!?』
ツーツーと切られた電話を見ながら面倒な事になってきたとため息をついて部屋に戻ろうとする。
振り返ると史帆が心配そうにドアから顔を覗かせていた。
『ぅわ、びっくりした、どうした?』
「…大丈夫?」
『ぇ、ああ、大丈夫、従姉妹から電話だから』
「暗い顔してたから」
『そう?まあ、実家に帰ってこいって、面倒くさいな〜って』
「帰るの?」
『…どうしようかな』
正直帰りたくはない、でもこのまましといてもよくないのは分かっている、下を向いて暫く沈黙が続く。
「…廊下寒いでしょ、早くこっち来て、一緒にいて」
『ありがとう』
史帆の優しい言葉にいつも助けられたから、ここで逃げちゃダメだと翌日コンビニの店長に休み申請をした。もちろん、クリスマスも。
史帆にはLINEで再来週末3日間実家に帰ると伝えれば会えないの寂しいねとクマが泣いてるスタンプが送られてきた。
毎日電話するよ、と返せば当たり前!と即レス。
どうせ明日も会うし毎週泊まりに来てるのにどうしてか、たかだか3日間会えないだけで寂しく感じるのか。
それだけ愛おしいということなんだろうけど。
LINEをしていた次の日、水曜日のバイトが終わって帰宅すると史帆が晩御飯を作ってくれていた。
「温め直すからお風呂入ってきていいよ」と言われシャワーを浴び上がれば出来たてのご飯、最高だ。
『あ、そういえば!クリスマス休みとれた』
「ほんと!?ぇー、嬉しい…楽しみすぎる…!」
『その代わり24日はちょっと遅くなるけどね』
「…体大丈夫?疲れない?」
『毎年働いてたんだから今年くらい恋人と聖なる夜ってのも良くない?』
「ふふ、そうだね、24日ここで待っててもいい?」
『いいけど、2時とかになるから先に寝てていいからね?』
「うん、なまえが帰ってきたら1番に会いたいからここで待ってる」
いつもと同じふにゃっとした笑顔が可愛くて頭に触れて頬を撫でるとそのまま食べ終わった食器も片付ける間もなくそのまま押し倒して愛を確かめあった。
次の日乾いてしまった食器は責任をもって片付け、彼女の目が覚めるのをベッド脇で待つ。
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