encounter<加藤>
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『美彩さん!』
「…!なまえ…!?」
『はぁ、よかった、まだいた…』
「なん、なんで!彼女は!?」
『その彼女にちゃんと話してきてって言われて…』
「…なまえは今幸せ?」
『ぇ、幸せ…です』
「そっか、そうだよね、あんな可愛い彼女いるんだもんね」
『史帆が彼女じゃなくても、彼女に恋を出来たことをいちにんしょうは幸せに感じたと思う…』
『…美彩さん聞いて』
いちにんしょうは美彩さんの目をしっかり見てあの時と今の気持ちを口にする。
子供過ぎた独占力、支えるだけの包容力のなさ。
あの頃は今よりもずっと未熟で当たり前に美彩さんに振り向いてもらえるわけなんてなかった。
でも、誰よりも大好きだったと、今はそれ以上に大切な人が出来たと、不器用ながらに言葉にする。
「…ありがとう、なまえのそういう所好きだったよ」
『あの時その言葉聞きたかったな…』
「最後にお願いしてもいい?」
『いちにんしょうに出来ることなら』
「なまえにしか出来ないことよ」
流れるように美彩さんはいちにんしょうの首に腕をまわし顔を近づける。
逃げようにもがっちりホールドされた首は拒否できない。
『ちょ、それは出来ないですって…!!』
「思い出だと思って、ね?」
『いやいや、無理無理彼女に殺される』
「彼女がいいって言ったらしていいの?」
『しないですよ!離してください!!』
「10秒数えるうちに終わるから」
目を閉じて近づく美彩さんの顔にどうすることも出来ないいちにんしょうは顔を背けるのに精一杯だ。
ダメだ…と諦めかけるとフッと首の腕は解かれ同時に引っ張られて誰かの腕の中で支えられている。
『わ、え、史帆…!?』
「流石にそれは見過ごせないからっ…!!」
「ふふ、あはは」
『ちょっと、え、待ってたんじゃないの?!』
「…やっぱり心配だったから、見に来たら誰かさんがキスされそうになってた」
『違う、拒否したから!美彩さん笑ってないで説明してよ!原因あなたですよ!』
「っはは!ちょっとからかっただけよ、だってさぁ」
お腹を抱えて大笑いする美彩さんは涙目になった目尻を押さえて「あんな可愛い顔でこっち見てるんだもん」とまた笑い出す。
『気付いててやったんですか!?』
「ごめんごめん、でも今日2人に会えてよかった」
「…どういう意味ですか」
「なまえに可愛い彼女がいて、幸せそうで、きっとみさには出来なかったから」
『美彩さん…』
「お互いに大切にし合ってるのを見てみさの入る隙間なんてないってはっきり分かったし」
「だから、ありがとう」と今までに見たことないくらいいい笑顔でいちにんしょう達にお礼を言って背中を向けた。
『…美彩さんにも、今までにないくらい大切な人きっとできるから!いちにんしょうが保証する!美彩さん美人だし!』
「なまえ…」
『だから、今度はちゃんと友達として、3人でご飯行きましょうね!』
美彩さんは片手をひらひらを振るだけで後ろを振り向くことはなかった。
安心感からかいちにんしょうのお腹がぐぅとなく。
『…おなかすいたわ、ご飯いこ』
「うん…!!」
手を繋いでお店が並ぶ方に2人で歩いていく。
『史帆、ありがとうね』
「なにが?」
『背中押してくれて、あのまま別れてたら後悔してたと思うから』
「ししは何もしてないし、こちらこそありがとうだから」
『?』
「ちゃんと好きって言ってくれたの嬉しかった」
『好きだから、そりゃ言うよ、あ、ここランチまだやってる!どう?』
「いいね!はいろはいろ〜」
ぎりぎりランチがやってるパスタ屋さんに入ってかなり遅めなお昼を済ませる。
この時期になるともう外はうっすら暗くなりはじめる。
ご飯を食べてゆっくりとしながら史帆を見る。
「?どうしたの…?」
『…いや、やっぱり今日も可愛いなぁって思って』
「急に…やめてよ、恥ずかしい…!」
『この後どうする?』
「んー、なまえの家帰りたい…」
『え、買い物は』
「それはまた今度でもいいかな、DVDとか借りてお家でくっついて観たい」
『、いちにんしょうもそうしたい』
店を出てレンタルショップに行ってお互いに好きな作品を1本ずつ選んで借りる。
いちにんしょうの家に着いてからはハグをしたり軽くキスをしたり、映画が始まってもそれが終わることはなく殆ど観ずにじゃれあう。
映画が終わる頃、あんなに寝たはずなのに気付けば2人は寄り添って瞳を閉じていた。