-小坂と宮田の場合-
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あの日、お酒の勢いもあったんだと思う。
いや、お酒だけではない、きっと愛萌に転がされたんだと今になってはわかる、そしてそれが心地いいとも思っている。
────
2人でなまえの家を出たあと終電までは少し時間があってゆっくりを駅に向かうことにした。
『宮田さん…は、なまえの事好きになったり、とかなかったん?』
「ぇ〜、ふふ、なぁにその質問」
『ずっと一緒にいたならそんなんもあるんかなって…』
「今日って小坂さんのお家泊めてくれるんですか?」
『え、いや、なんで質問に質問で返すん』
「小坂さんはなまえのこと好きだったんですね」
『な、はあ?なんでそうなるん』
「うふふ、図星だ」
質問には答えてもらえず言い当てられてなんだが癪に障った。
「あれ、怒っちゃいました?」なんて人の顔を覗き込んでくる。
やられっぱなしは嫌だと思い手を伸ばして抱きしめる。
今までハグなんて沢山してきたわけだけど、好きな人を抱きしめるのは初めてだった。
「ぅわ、小坂さん…?」
『……今好きなんは宮田さんやけど…』
「うん…」
『…うんって、なまえの事まだ好きなら全然待つし、ちゃうな、なおの方が幸せにしたる自信あるっていうか…その』
「なにそれ」
『ぇ…』
濁すってことはなまえの事好きやったとか、ちゃうんかな。
「私、なまえの事好きじゃないですよ」
『じゃあなんで濁したん』
「こさ、…なおの反応が可愛かったから」
『…からかってるやん』
「それになまえヘタレだし、私はなおみたいにこういう愛情表現してくれる人が好きかな」
『…そう』
抱きしめていたのが恥ずかしくなって距離を取ろうとすればさせまいと腕を回してくる。
「ね、名前呼んでもう一回して」
『何を』
「告白」
『いやや』
「え〜、ちゃんと答えるからあ」
『…はぁ……愛萌、好きや』
耳元で囁けば途端に赤くなっていく顔。
なるほど、こういうのに弱いのか。
『耳、弱いんやね』
「そんなことない!」
『いやいや、真っ赤やし、返事くれるんちゃうの?』
「なおのお家着いたら答えてあげるっ」
『そんなん、答えもう見えてるやん』
まなもが片手をひらひらをこちらに向けるから手にとり隣を歩く。
家に着く頃酔いは少し覚めてるかもしれない、でも、この熱は今夜これから上がるんだと思う。