encounter<加藤>
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あの日の夜、史帆が眠りにつくまでそばにいて、静かに家に帰った。
朝にどうして勝手に帰ったのかと怒りの連絡がきていて機嫌を取るのにかなり苦労した。
「初めまして愛萌です、なまえとは中学からの知り合いで~、何でも知る仲です」
「はじめまして、小坂です、にしてもなまえにこんな可愛い知り合いがいるとは」
「そんなことないですよ~」と語尾にハートが付きそうな甘い声で謙遜する愛萌に対してご機嫌ななめのいちにんしょうの隣に座っている史帆。
「えっと、そちらはなまえの彼女…でいいんだよね?」
『あぁ、うん、あの、加藤さんです』
「スゴイ美人、なまえには勿体ない!」
「本当、菜緒もそう思うわ」
『ちょっと、君たち失礼過ぎるんだが…』
「あの、なんでもってなまえの何を知ってるんですか?」
「ん~、当時の好きな子から付き合った人、経験人数まで、彼女さんが気になってること、なぁんでも知ってる」
『愛萌さん、ちょっと、変なこと言わないで』
愛萌が煽るたびにテーブル下で繋がれている史帆の手に力が加わる。
「なまえの昔話めっちゃ聞きたい!」
『菜緒…!まじで…!!』
「何から話そうか、あ、二つ先輩の美彩さんとのやつとか?」
『愛萌、それはダメだって…!!』
「それ、ししも聞きたい」
「なまえ、お酒買ってきて」
『は?!いやいや、このタイミングで行くわけ』
「ししもいつもののみたい」
「なまえのおごり?嬉しい~私、ほろよいがいいな」
3対1になったら勝てるわけもない。
史帆の手は気付けば離れていて手を振っている。
『愛萌、変なこと話すなよ!!』と言い残して渋々コンビニに向かう。
————
前日にこの間のお礼がしたいと史帆の家でご飯をごちそうになった。
『もう体調は大丈夫なの?』
「うん、としちゃん最強だからすっかり元気になった!」
『あんまり無理しないほうがいいよ一応病み上がりだしさ』
「なまえの看病のおかげだよ」
『大したことしてないよ』
「ねえ」と距離を詰めて手を握られる。
「ししのこと好きって言ったの本当?」
『本当』
「しし凄い重いかもよ?すぐ嫉妬しちゃうかもだし、今も不安で仕方ない」
『不安になることないよ、いちにんしょうはずっと史帆しか見えてない』
「なまえの彼女って言っていいんだよね…?」
『そう、だね…なんか、恥ずかしいな』
「わがまま言ってもいい…?」
『うん』
「キスしたい…」と上目遣いされて断る理由なんて見つかるはずがない。
『それはわがままにはいらないよ』とそっと顔を寄せて触れる。
幸せすぎる時間もあっという間に過ぎ「またね」と玄関で見送られる。
『うん、また連絡する』
「明日って用事あるんだっけ」
『中学の時の友達と会う約束してて、菜緒もいるけど』
「こさかなも…?」
『写真見せたら会いたいって言うから』
「ししも、行きたいって言ったら迷惑?」
『え、いや、』
だめだとは言わせない圧を感じる。
いいよ以外の返事は受け付けないのだろうと直感でわかったいちにんしょうは頷くしかなかった。
—————
コンビニでみんなの好きそうなお酒を買って急いで家に戻る。
頼むから、変なこと話していませんようにと部屋に入ると顔を赤くして少し不機嫌な史帆とにやついている菜緒と愛萌。
「あ、おかえり~」
「早かったなぁ、乾杯して話の続きしようや」
『とりあえず、何の話したか聞かせてもらおうか愛萌さん』
どうやら話が落ち着くわけもなくお酒を入れていちにんしょうの昔話第二回戦に入るようだった。