encounter<加藤>
名前設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
“昨日はごめん、少し話がしたいんだけど時間とれないかな?”
当たり障りのない文章に頭を悩ませやっとの思いで送ったメッセージ
既読はすぐにつく
数分後に“変な事言ってごめんね!忘れていいから!”
“水曜日、来るの待ってる”とだけ返せば既読スルー
今週末は会えないから水曜日になんとかしなければ、いや最悪大学で話すか…?などと考えていると一日が終わっていた。
月曜になっても来ない返信にこれは終わったと学食で項垂れていると頭を叩かれる
「朝から暗い顔してる」
『菜緒…』
「としさんと話した?」
『終わった…』
「なんか、珍しいな」
人が落ち込んでいるのに隣で楽しそうに笑ってる菜緒に悪態をつく。
「そんななまえ見たことなかったから」
『いちにんしょうだって落ち込むことありますけど』
「いや、そうじゃなくて、人に振り回されてるっていうか」
『今までも菜緒に振り回されてたけど』
「でもそんな顔したの見たことないよ」
「昨日の、なまえのこと先に好きになったのは菜緒やって、本当だから」
いつになく真剣なトーンで言われたから言葉を返せずにいるとまたいつもの調子で「今は親友としてしか見てへんけどな」と笑った。
「あれ、くみさんちゃう?」
と遠くにいた久美さんにおーいと声をかけ手を振るとこちらに、向かってくる
「あ、ここにいたー」
「なんかありました?」
「なまえちゃんに頼みたいことがあって」
『いちにんしょうに?』
「そういえばとしさんいないんですね」
確かに学内ではほぼ一緒にいるのに見かけない。
今いても互いに気まずいだけだから良かったのかもしれないけど。
「そのとしちゃんのことなんだけど」
『え…』
「風邪引いたらしくて、昨日から連絡つかないんだよね…」
「それは心配やんなぁ?なまえ」
『それでなんでいちにんしょうに?』
「え、としちゃんとなまえちゃん仲良いよね?家行ったことあるし」
『まあ…でも…』
「私次の講義あるからさ、様子見てきてくれない?」
「なまえもう帰るだけやしええんちゃう?」
『ま、待ってよ、終わってからくみさんがいけばいいんじゃ…』
「としちゃんに何があるか分からないじゃん!今頃心寂しく苦しんでるかもしれないし」
「ソウダソウダ」
『菜緒、面白がってるだろ』
「ソンナコトナイヨ」
「やば、移動しなきゃ、そういう事だからよろしくね、なまえちゃん」とこちらの話を聞くこともせず押し通される。
『菜緒、ついてき…』
「あ、菜緒用事思い出した〜じゃ!」
と親友にも裏切られる。
風邪か…辛いよな一人暮らしだもんな、行くしかないか…
大学を出ていちにんしょうが働いてるコンビニで飲み物やらゼリー、温めるだけのおかゆなど風邪に良さそうなものをカゴに入れていく。
冷えピタとかもあった方がいいかな…
色々買い足して史帆の家に向かう。
いくら風邪とはいえ、頼まれたからといって迷惑じゃないだろうか…
不安が煽りつつも玄関前に着いてしまう。
迷っていても仕方ない、と腹を括りチャイムを押す。