encounter<加藤>
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毎週水曜22時45分過ぎ
定時まで15分、彼女はくる───
─────────
8時半起床顔を洗い歯を磨き軽く寝癖を整えて学校に向かう。
必修科目が一限目にある木曜日が憂鬱なのは今に始まったことではない。
睡眠時間を考慮して選んだ激安ボロアパート。
大学までの徒歩10分はいちにんしょうにとっては有難かった。
講義が始まるギリギリに教室に入り見覚えのある背中に声を掛け隣に座る
「おはようなまえ、安定のギリギリやんな、木曜日って感じするわ」
ニヤつきながら軽口を叩く小坂菜緒、大学に入って気付いたら隣にいた
お互い人見知りで、出会いとかきっかけとか覚えてなくて、ただ口にはしないけど大親友って言葉ピッタリとハマる、不思議な女の子だ
そんな彼女を横目に意味深なニヤつきに嫌な顔をすればさらに嬉しそうに口角を上げる
「その顔、昨日も来たん?」
『…なんでそんな嬉しそうなんだよ、、来たけど』
「そりゃ、恋するなまえが面白…じゃない、可愛いからやん」
『今完全に面白いって言ったよな??てか別に好きとかじゃないから』
そう、好きじゃない、そういうのとは別なのだ───
─────22時48分
コンビニ特有の来店音が流れ自動ドアに目を向ける
綺麗に染まった明るい髪色に軽くウェーブがかかった長い髪
綺麗に上がっているまつ毛に一切崩れていないメイクに思わず見とれてしまう
ヨーグルトとおにぎりを持ってレジに来る彼女のコンビニ滞在時間約5分
毎週水曜日22時半からいちにんしょうの退勤時間の間に必ずくる常連さん
気付けば目の保養で来週もその次も週に一回の楽しみにしていたいちにんしょうがいた───
それをつい酔った勢いで菜緒に話してしまったばっかりに毎週のように進展はないのかと弄られるのだ。
「そや、なまえ今日の夜空いてるやんな?」
『バイトはないけど…パス、今月厳しいから』
「菜緒の誘い断るとかそんなん有り得ないから、もうなまえも連れていくって言ってしまったし」
『始めから拒否権ないじゃん』
「コンビニ美女に負けんくらいの子揃えたからたまにはええやん、19時にいつもの所だから」
無理矢理埋められた予定にうんざりしつつも大学最後の夏となれば青春のひとつやふたつ経験するのも悪くないかもしれない
そう思いつつ机に顔を伏せ残り約70分間の授業がいちにんしょうにとっての貴重な睡眠時間となる。
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