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SCANDAL-EXTRA① Chapter1その後

2025/12/27 16:04
【お題】ダンデ×ソニア



 プツン、と強制的に通話が終了された。
 その瞬間、スマホロトムを掴んでいたダンデの手に、ミシミシと凶暴な力が伝わってしまい、ロトムの哀れな声が上がる。
『ロト~~~~~っ』
「っすまん、ロトム!」
 はっとして手を離すと、ロトムは急いでダンデから距離を取った。恨みがましい視線を向けられ、ダンデはしおれたように肩を落とす。
「悪かった……」
『ロト……』
 あまりのダンデの消沈ぶりに、状況をつぶさに見ていたロトムは、それ以上彼を責められなかった。仕方なさげにふよんと飛んで、自ら充電器へと刺さっていく。ダンデはそれを目で追ってから、改めてため息をついた。
 久しぶりのソニアとの通話は、最悪の物別れで終わった。感情のまま言葉を選択してしまい、彼女の逆鱗に触れてしまった。
 ソニアとホップの距離の近さなど、いまに始まった話ではない。彼らはダンデがいなくなった故郷で、長い間親密なきょうだいのように交流していた。ダンデにとって、幼い弟を慈しんでくれたソニアにも、大切な幼馴染をサポートしてくれた弟にも、感謝こそすれ文句などない。
 けれど、ここ最近露骨な活動を見せている、ネット上の悪意ある第三者などが、その関係を面白おかしく騒ぎ立てたらと思うと、つい言葉がきつくなった。
 幼馴染の関係を一歩前に進めたいと、虎視眈々と狙う男心の焦りが出た、ともいえる。
「……肝心なことを言う前に、文句ばっかり並べるなんてな……」
 あまりの不甲斐なさに、再びため息が出た。
 ソニアへの想いを自覚して、早十数年。人が聞いたら呆れかえるほどの時間をかけて、のっぴきならないところまで思いつめた感情を、そろそろ形にしようかと、どう伝えたらいいのだろうと、幸せな憂悶に浸っていたここ数か月を思い出し、ダンデは気合を入れるように両の頬を叩いた。
「……よしっ」
 バトル直前の高揚感のような、沸き立つ思いに背筋が伸びる。
 ソニアに警戒心が薄いのならば、こちらが行く手を均せばいい。彼女と弟の微笑ましい交流を阻害する、すべてのものに鉄槌を。
 時間をかけて慎重に進めていた対策を、いまこそ形にする時だ。多少性急になるが、一刻も早く反撃の狼煙を上げて、こちらの本気を知らしめる。
 そしてその上で、ソニアに気持ちを打ち明けよう。
 大きな諍いが、むしろ退路を断ったいいきっかけになったと、ダンデは猛然と動き出す。
 明確な目標を定めた伝説のチャンピオンを止められる者など、この世に存在しないのだから。



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