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41.I love you deeply, and with all my heart

2025/11/07 17:21
【お題】ダンデ×ソニア




41.I love you deeply, and with all my heart あなたを心の底から愛しています



 結婚しよう、そうしよう。
 日取りはいつだ、それでいい。
 お互いの家族に挨拶だ、当然問題なんてない。
 結婚後はここに住もう、申し分のない豪華な住まい。
 ふたりの仕事は調整しよう、いつだって相談、スムーズに解決。
 そんなこんなで、結婚式まであと一日。
 あら、どうしましょ。
 大変なことを、忘れていました。

「……」
 ソニアは、目の前でリザードンの爪の手入れをしながら、膝に憩うワンパチの涎でデニムを濡らす婚約者の傍ににじり寄った。
「ん、どうしたソニア」
 爪の手入れが苦手なリザードンは、不機嫌そうにそっぽを向いている。ダンデは慣れた手つきで丁寧に硬い爪を整えて、ふっと短く息を吐いた。
 こちらを見もしない男に、ソニアは意を決して手を伸ばす。
「うおっ」
 ぐき、とちょっぴり不穏な音を立てて、ダンデの首がこちらを向く。彼の両ほほを挟んだソニアの白い手は、強い力でそれを固定した。
 真っすぐに対峙したダンデとソニアの顔は、焦点が合わないほど近い。ダンデは無理な体勢に肩の筋を引きつらせながらも、真剣なエメラルドの瞳から目をそらせずにいた。
「ダンデくん」
「は、い」
 思わずの敬語。ダンデの返答に、ソニアは一度だけぐっと力をこめて瞳をつぶり、そして信じられないほどキラキラと輝く笑顔を浮かべた。
「ダンデくんを、こころの底から、愛してる」
「は……」
「誰よりも、きみが一番、一番好き」
 きっぱりと断言した後、ソニアは悪戯っぽくくちびるを寄せた。ぷちゅ、と、六歳のころのキスを思わせるリップ音を立てた後、ダンデの顔を離して立ち上がる。
「よし」
「ソ、ソニア?」
 一人すっきりしたような婚約者を見上げて、ダンデは無理な体勢のまま赤い顔をしている。ソニアはけろりとした顔で、ちいさく頷いた。
「うん、考えてみたらさ、ここまでとんとん拍子で進めちゃって、わたし、ちゃんと自分からダンデくんに告白してなかったなって。なんとなく、きちんと証明したものがないのが気持ち悪いっていうか……このまま研究を進めると、どっかで破綻するかもって不安があるっていうか」
「研究」
「そういうことあるのよ。曖昧な根拠をもとに進めるものって、うまくいかないこと多いの」
「……」
 あくまでもクールに言う根っからの理系女子に、ダンデはただひたすら、ワンパチの涎で濡れていくデニムの冷たさを感じていた。
 ――このお礼は、明日の夜。
 静かに決意するダンデの本気を、ソニアが身をもって知るまで、あと一日。



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