challenge
23.I'm lovin'you. It's true 愛している、本当に
2025/10/20 20:00【お題】ダンデ×ソニア
気心の知れた者同士、羽目を外した飲み会というのは大変に盛り上がる。
場所は完全に安全な馴染みのパブ、料理は美味いし酒は上等。ティーンのころから知っているメンバーは、酸いも甘いも嚙み分けた戦友で、現在の仕事仲間でもある。少しばかり大掛かりなプロジェクトを共にこなし、互いに信頼できる仕事ぶりで無事に完遂、その高揚感と開放感で、今日の盛り上がりは指折りのものだった。
「はいじゃあ、チキチキ愛してるよゲーム~!」
珍しく陽キャのノリ全開で場を取り持つキバナは、撃沈しているヤローを揺り起こしながら、ちびちびとグラスを干していたネズ、酒と肴をバランスよく嗜んでいたダンデ、きゃらきゃらと楽し気なソニア、珍しくほろ酔いでご機嫌なルリナを順繰り見やった。
「愛してるよげ~む~?」
「なによそれ」
「このメンツでやって楽しいか?」
ソニア、ルリナ、ネズの言葉に、キバナが八重歯を覗かせてニッと笑った。
「ゲームといえば、勝敗だろ~。勝敗といえば、バトルだぜ!」
「バトル?」
エールを口にしていたダンデが、反射のように目を上げる。彼の傍らで、ソニアがけたたましく笑った。
「出ぇた~~~~、バトルバカ! ねぇキバナさん、この無敵の元チャンピオンを、ぎゃふんと言わせるゲームがいいな~」
「任せなねーちゃん! このゲームのルールは単純。相手に『愛してる』つって、照れたり笑ったやつの負け」
「このメンツでやって楽しいか?」
再びネズがぼやくが、聞き入れる者はいなかった。酒に呑まれたテンションで、ソニアがハイっと手を上げる。
「やるやる! よっしゃ来い、ダンデくん!」
「ん?」
いまいち流れが分かっていないダンデの顔をぐきっと無理やり自分に向けて、ソニアは至近距離でぱちくりとする金の瞳を睨んで言った。
「愛してるぜ、ダンデ!」
「……オレも愛してるぜ、ソニア」
ごく当たり前に返す。ダンデのしれっとした物言いに、ソニアは悔し気に眦を上げた。
「わたしの方が愛してるっての!」
「愛してるぜソニア」
淡々と返しながら、ダンデの瞳は真摯だった。
「いや、わたしのが……」
「愛してる」
「……えと」
「ソニア、愛してるぜ」
「……ギブっっ!」
酒のせいではなく真っ赤になったソニアが、悔し気に叫ぶ。ゲラゲラと笑うギャラリーの中で、ダンデだけが真剣に小首を傾げていた。
「だから……このメンツでやって楽しいか、っての」
静かなネズのボヤキだけが、盛り上がったテーブルに流れて消えた。
