challenge
16.love for love's sake 恋愛至上主義
2025/10/13 14:19【お題】ダンデ×ソニア
「んぐぅ……」
ダンデがリビングに戻った時、ソファで雑誌を読んでいたソニアが唸り声を漏らした。それはごくちいさいもので、恐らく無意識のうちに漏れた独り言なのだろう。
そっと彼女の背後に近づく。盗み見というほど意識的ではなかったが、彼女の見ている記事の見出しがあまりにも意外だったので、つい声を上げてしまった。
「恋愛レベル診断?」
「ぬわっ」
間抜けな声を上げて、ソニアがびくっと振り返る。休日の彼女は、いつもより化粧が控えめで、幼い。見慣れた幼馴染の顔つきで、ダンデのTシャツを好んで着ているラフな姿は非常に眼福だった。
襟ぐりのおおきなシャツを着たソニアは、雑誌を覗き込むダンデの視線からそれを隠そうと身をよじり、無駄な抵抗だと悟ってため息をつく。
「……見られたかぁ」
「見られちゃまずいのか?」
「いや、そんなことないけども」
もごもごと口ごもる彼女の傍らに腰を下ろして、ダンデはひょいと雑誌を手に取る。それはよくある女性向けのファッション誌のコラムで、何問かのフローチャート別診断が記載されていた。
「単なるお遊びなんだけどね~」
「ふうん。で、ソニアの結果は?」
「……これです」
しぶしぶ指さした先には、【恋愛レベル20%! 我が道を行く!】と書かれてあって、ダンデは思わず笑ってしまった。
「あっ、笑うなよぉ~」
「すまん。でも、これがどうかしたのか?」
ソニアの様子に、忸怩たる思いを汲んでそう問うと、ソニアは両足をたたんであごを乗せ、ちいさく拗ねるように囁いた。
「だって……わかってたけどさぁ。わたし、コイビトとして可愛げないよなぁ」
「ん?」
「我が道を行く、って、つまり恋愛してても自分勝手ってことじゃん」
申し訳なさそうに言うソニアに、ダンデはフローチャートに目をやった。
「そうか? 例えばこれ、『恋人との時間よりも、自分の時間を優先しちゃう?』は、ポケモン研究のことだろ?」
「う、ん……」
「それは結局、オレの役にも立つ。オレのための時間だな」
「う……ん?」
「『恋人と一緒でも、別のことを考える時がある』も、同じだろ。夢中になれることがあって、それは結局オレのためにもなることで、ソニアの中にはいつでもオレがいる」
「だ、ダンデくん」
真っ赤になったソニアに、ダンデはにっこりと朗らかに笑った。
「オレを相手に限定すれば、ソニアは恋愛至上主義だぜ」
そんな無茶苦茶なことを言う恋人の胸に、ソニアは完全に白旗を上げて飛び込んだ。
