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【その後の王子様】《ダンデ×ソニア@Pokemon Shield》
2026/04/18 17:14【お題】ダンデ×ソニア
*【▼Pokémon Sword and Shield▼】の薔薇はまだ枯れないをご一読いただけますと幸いです。
「きみを愛してる、ソニア。オレの恋人になってほしい」
「はい。わたしも愛してるよ、ダンデくん。ずっと……ずーっと昔から」
真っ赤に上気したソニアが、ぽろりとひと粒涙をこぼしながらも、こころから幸せそうにほほ笑んだ。
跪いた体勢でそれを見上げたダンデの心臓が、まるで万力の力で締め付けられたように高鳴る。衝動に追い立てられるように、薔薇を持つソニアの手を、おおきな手のひらでくるみこんだ。
ダンデの手のぬくもりに、ソニアがハッとしたように睫毛を上げた。彼女を見上げる彼の黄金の瞳が、キラキラと電飾を弾いて輝いている。吸い込まれそうなその熱に、ソニアの鼓動も忙しなく逸った。
「……ソニア」
そっと名を呼ばれて、ソニアが恥じらうように眉を寄せる。跪くダンデは、まるで彼女の意思を問うようにゆっくりと、その腕を上げて白桃のほほに手のひらを添わせた。
仰向くダンデの乞う視線に、ソニアは恐る恐る眼差しを合わせ、それから薔薇のつぼみのようにつややかなくちびるをそっと震わせる。彼の無言の要請は、まるで魔法のように彼女を蕩けさせて、ゆっくりとその細い顔容がダンデのそれに近づいてきた。
瞬きもできずに、ダンデの黄金に絡めとられたソニアは、吐息が触れるほど近づいた時、ゆっくりと長い睫毛を閉じた。そのまま、仰のいたダンデがねだるように首を伸ばし、彼女のほほを覆う手のひらを、その細い首筋から耳、後頭部へと滑らせて力をこめる。
傾いたソニアのやわらかいくちびるが、そっとダンデのそれに触れるか、という瞬間。
コンコンコンッ
鋭いノックの音が響き、ソニアは思わず「ぴゃっ」と声を上げて飛び上がった。ダンデの手のひらにさらりと流れた黄昏の髪が勢いよく振り返ると、戸口に立っていたのは親友の麗しい姿と、野次馬ふたり。
「おふたりさん、こんなところでオイタはだめよ」
呆れたように笑って、ルリナが言う。ソニアは真っ赤になったまま棒のように突っ立ち、彼女の傍らで跪くダンデが、ぶしつけな訪問者に眉を上げた。
「……間が悪いな」
「そっくりそのまま返すわよ。まさかと思ったけど、こんな誰に見られるかわからないところで盛り上がるなんて、ちょっと危機意識が足りなさすぎない? その辺、どういう教育しているわけ」
じろりとルリナに睨まれたキバナとネズは、にやにやと笑いながら肩を竦めた。
「いやぁ、うちのポンコツバトルバカがすいませんねぇ。情操教育が、プライマリースクールで止まってんだわ」
「いままでさんざん『待て』を食らってたケモノだと思って、大目に見てやってくださいよ」
そのからかう言葉に、ソニアはいまだに口をパクパクさせて動揺に喘いでいたが、颯爽と立ち上がったダンデは、彼女の肩をひょいと抱き寄せて屈託なく笑った。
「いや、仮に見られても問題ないぜ。このまま会場に戻って、名実ともにパートナーになったって宣言するつもりだったからな」
「は!?」
ダンデのあっけらかんとした言葉に、ソニアが慌てて振り仰ぐ。上等な燕尾服を隙なく着こなす、堂々とした男ぶりのバトルタワーオーナーは、どこまでも王者然とほほ笑んだ。
「大体の関係者はそろってるし、マスコミも申し分ない。後日席を設ける手間が省けるだろう?」
「せっ、席?」
「婚約発表の」
「婚約!?」
「おーい。話ぜんっぜん噛みあってねぇぞぉ」
オウム返しで叫ぶソニアの混乱をよそに、キバナがのんびりと突っ込む。それに、ダンデはニカッと太陽のように笑った。
「作戦だぜ!」
「それ、堂々と言っていいやつ?」
ブハッとキバナが噴き出す傍らで、ネズが呆れたふうに眉を上げる。
「ようやくリベンジできて浮かれてますね。あんまり突っ走ると、せっかく手に入れたポケモンが逃げちまいますよ」
その諫言に、ダンデはふと眉を寄せて、傍らのソニアを見下ろす。ソニアは真っ赤になったまま泣きそうな顔でダンデを見上げた。
「だ、ダンデくん……」
「ソニア、オレと婚約してくれるだろう? ゆくゆくは結婚するだろう? 善は急げって思うだろう?」
「ダンデくん!」
盛大に悲鳴を上げたソニアの、ダンデに拘束されていない方の腕をがっしと掴んだルリナが、ぜったいれいどの視線でダンデを睨んだ。
「ちょっとダンデ。情緒がないにもほどがあるわよ! こんなやっつけ仕事みたいなプロポーズ、わたしは認めませんからね」
「やっつけ仕事ってわけじゃないぜ。ここ一番って勝機を逃す手はないって話だ」
「あのね、これはバトルの話じゃないの。あんたには、女心ってもんがわからないわけ? ちょっとソニア、いつまで放心してるのよ、このままじゃガッツリ流されるわよ! 将来、子供や孫にプロポーズの話をせがまれた時、こんななし崩しの情けないエピソードを語るつもり?」
「そ、それは」
「ルリナ、悪いがこれはオレとソニアの話だぜ。きみはちょっと遠慮してくれ」
「あーら、お言葉ですけど元チャンプ、わたしはさっき「ソニアを泣かせたら、流し去ってやるからね。念入りに、二度と浮かばないように、これ以上なく丁寧に」って宣言したはずね?」
「ソニアは泣いてないだろう」
「乙女心はズタズタなのよ!」
ソニアを挟んでにらみ合うダンデとルリナに、キバナとネズが堪えきれず爆笑している。
ソニアは、幸せと混乱にぐらぐらと揺れる頭を抱えながら、どうあがいても薔薇色にしかならない未来予想図を思って瞼を閉じた。
《お題28 『薔薇色』》
◎365 Themes Ver.1~創造者への365題~様よりお題拝借
「きみを愛してる、ソニア。オレの恋人になってほしい」
「はい。わたしも愛してるよ、ダンデくん。ずっと……ずーっと昔から」
真っ赤に上気したソニアが、ぽろりとひと粒涙をこぼしながらも、こころから幸せそうにほほ笑んだ。
跪いた体勢でそれを見上げたダンデの心臓が、まるで万力の力で締め付けられたように高鳴る。衝動に追い立てられるように、薔薇を持つソニアの手を、おおきな手のひらでくるみこんだ。
ダンデの手のぬくもりに、ソニアがハッとしたように睫毛を上げた。彼女を見上げる彼の黄金の瞳が、キラキラと電飾を弾いて輝いている。吸い込まれそうなその熱に、ソニアの鼓動も忙しなく逸った。
「……ソニア」
そっと名を呼ばれて、ソニアが恥じらうように眉を寄せる。跪くダンデは、まるで彼女の意思を問うようにゆっくりと、その腕を上げて白桃のほほに手のひらを添わせた。
仰向くダンデの乞う視線に、ソニアは恐る恐る眼差しを合わせ、それから薔薇のつぼみのようにつややかなくちびるをそっと震わせる。彼の無言の要請は、まるで魔法のように彼女を蕩けさせて、ゆっくりとその細い顔容がダンデのそれに近づいてきた。
瞬きもできずに、ダンデの黄金に絡めとられたソニアは、吐息が触れるほど近づいた時、ゆっくりと長い睫毛を閉じた。そのまま、仰のいたダンデがねだるように首を伸ばし、彼女のほほを覆う手のひらを、その細い首筋から耳、後頭部へと滑らせて力をこめる。
傾いたソニアのやわらかいくちびるが、そっとダンデのそれに触れるか、という瞬間。
コンコンコンッ
鋭いノックの音が響き、ソニアは思わず「ぴゃっ」と声を上げて飛び上がった。ダンデの手のひらにさらりと流れた黄昏の髪が勢いよく振り返ると、戸口に立っていたのは親友の麗しい姿と、野次馬ふたり。
「おふたりさん、こんなところでオイタはだめよ」
呆れたように笑って、ルリナが言う。ソニアは真っ赤になったまま棒のように突っ立ち、彼女の傍らで跪くダンデが、ぶしつけな訪問者に眉を上げた。
「……間が悪いな」
「そっくりそのまま返すわよ。まさかと思ったけど、こんな誰に見られるかわからないところで盛り上がるなんて、ちょっと危機意識が足りなさすぎない? その辺、どういう教育しているわけ」
じろりとルリナに睨まれたキバナとネズは、にやにやと笑いながら肩を竦めた。
「いやぁ、うちのポンコツバトルバカがすいませんねぇ。情操教育が、プライマリースクールで止まってんだわ」
「いままでさんざん『待て』を食らってたケモノだと思って、大目に見てやってくださいよ」
そのからかう言葉に、ソニアはいまだに口をパクパクさせて動揺に喘いでいたが、颯爽と立ち上がったダンデは、彼女の肩をひょいと抱き寄せて屈託なく笑った。
「いや、仮に見られても問題ないぜ。このまま会場に戻って、名実ともにパートナーになったって宣言するつもりだったからな」
「は!?」
ダンデのあっけらかんとした言葉に、ソニアが慌てて振り仰ぐ。上等な燕尾服を隙なく着こなす、堂々とした男ぶりのバトルタワーオーナーは、どこまでも王者然とほほ笑んだ。
「大体の関係者はそろってるし、マスコミも申し分ない。後日席を設ける手間が省けるだろう?」
「せっ、席?」
「婚約発表の」
「婚約!?」
「おーい。話ぜんっぜん噛みあってねぇぞぉ」
オウム返しで叫ぶソニアの混乱をよそに、キバナがのんびりと突っ込む。それに、ダンデはニカッと太陽のように笑った。
「作戦だぜ!」
「それ、堂々と言っていいやつ?」
ブハッとキバナが噴き出す傍らで、ネズが呆れたふうに眉を上げる。
「ようやくリベンジできて浮かれてますね。あんまり突っ走ると、せっかく手に入れたポケモンが逃げちまいますよ」
その諫言に、ダンデはふと眉を寄せて、傍らのソニアを見下ろす。ソニアは真っ赤になったまま泣きそうな顔でダンデを見上げた。
「だ、ダンデくん……」
「ソニア、オレと婚約してくれるだろう? ゆくゆくは結婚するだろう? 善は急げって思うだろう?」
「ダンデくん!」
盛大に悲鳴を上げたソニアの、ダンデに拘束されていない方の腕をがっしと掴んだルリナが、ぜったいれいどの視線でダンデを睨んだ。
「ちょっとダンデ。情緒がないにもほどがあるわよ! こんなやっつけ仕事みたいなプロポーズ、わたしは認めませんからね」
「やっつけ仕事ってわけじゃないぜ。ここ一番って勝機を逃す手はないって話だ」
「あのね、これはバトルの話じゃないの。あんたには、女心ってもんがわからないわけ? ちょっとソニア、いつまで放心してるのよ、このままじゃガッツリ流されるわよ! 将来、子供や孫にプロポーズの話をせがまれた時、こんななし崩しの情けないエピソードを語るつもり?」
「そ、それは」
「ルリナ、悪いがこれはオレとソニアの話だぜ。きみはちょっと遠慮してくれ」
「あーら、お言葉ですけど元チャンプ、わたしはさっき「ソニアを泣かせたら、流し去ってやるからね。念入りに、二度と浮かばないように、これ以上なく丁寧に」って宣言したはずね?」
「ソニアは泣いてないだろう」
「乙女心はズタズタなのよ!」
ソニアを挟んでにらみ合うダンデとルリナに、キバナとネズが堪えきれず爆笑している。
ソニアは、幸せと混乱にぐらぐらと揺れる頭を抱えながら、どうあがいても薔薇色にしかならない未来予想図を思って瞼を閉じた。
《お題28 『薔薇色』》
◎365 Themes Ver.1~創造者への365題~様よりお題拝借
