拝啓、いとしのきみよ




【親愛なる ソニア


 22歳の誕生日、おめでとう。
 今年もこれを伝えられたこと、本当に嬉しいぜ。

 先日のシーソーコンビの一件以来、なかなか会いに行けなくてすまない。
 いろいろと手続きが煩雑で、正直参ったぜ。
 ガラルには、一筋縄ではいかない因習やしがらみが、未だ山積している。そんなこと、わかりきっていると思っていたが、……オレを守り導いてくれた人の庇護は、想像以上に大きかったな。
 だが、いつまでも過去に捉われてばかりもいられない。失くした以上のものを、今後手に入れていけばいいだけだしな。
 手始めに、シーソーコンビにガラルスタートーナメントのスポンサーになることを、正式に承諾してもらった。意外にも、かなり乗り気でな。思想は確かに問題あるが、むしろ目の届くところで役に立ってもらった方がいいだろう。
 ソニアには、少々わだかまりがあるかもしれないが、長い目で見てやってくれ。


 ――ソニア。
 これから書くことで、もしかして、きみの不興を買うかもしれない。
 だが、オレたちらしく『手紙』で、きみに乞いたい。


 ずっと、きみに伝えたかった。
 6歳で初めて会った、あどけないきみに。
 7歳でオレの兄貴のプライドを、見透かしたきみに。
 8歳でオレより背が高くなった、少し意地悪なきみに。
 9歳で喪失を経験したオレを、抱きしめてくれたきみに。
 10歳で一緒にチャレンジをした、得難いライバルのきみに。
 11歳で離れたオレの手を、それでも掴み返してくれたきみに。
 12歳ではっきり目標を定め、前を向いたきみに。
 13歳でオレの弱音を直に聞いてくれた、タイミングのいいきみに。
 14歳で飛び級入学を果たした、恐ろしく才能あるきみに。
 15歳で急に大人びて奇麗になった、輝くようなきみに。
 16歳で単身ガラルを出て、まだ見ぬ研究の道へ進む覚悟を決めたきみに。
 17歳で辛さをごまかしながら、ひとり踏ん張ってたきみに。
 18歳で誰にも真似できない偉業を達成した、無自覚なきみに。
 19歳でオレのもとへ帰ってきてくれた、才能ほとばしるきみに。
 20歳で初めてオレと『距離』を取った、自立心旺盛で少し意地っ張りなきみに。
 21歳でいよいよ自分の道を歩き出そうと、きらめく瞳を上げたきみに。

 そして、ポケモン博士として堂々と立つ、22歳のきみに。

 オレは、きみが好きだ。
 いくつの時も、変わらず好きだ。
 好きだ以外の言葉で言うなら――


 ソニア、オレと結婚してくれ
 
 
 返事は半年後。オレの誕生日に頼む ダンデより】




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