だれか。〜2〜
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太宰は一瞬驚いた顔をしたかと思うと、嗚呼、と気が抜ける声をさせて、何時もの甘ったるい笑みを浮かべた。
「よくぞ聴いてくれた、敦くん!」
「あ、矢っ張り良いです」
「え~」
まあまあ聴いてくれ給えよ、と太宰は促す。かくいう敦は、薄く猜疑の目線を太宰に向けて、押し黙った。
「今まで私は何回も自死を試みてきたけど、一向に死ねない。一緒に心中してくれる美女も現れない。川に飛び込んでも濡れるだけ。だからね、思ったのだよ。少し待てば、その美女が現れるのではってね、―――まさに果報は寝て待てということさ!」
「はぁ」
太宰さんらしい答えといえば、そう、だけど…。敦は太宰の答えに納得しながらも、矢張り違和感を覚えた。
あの太宰さんが、自殺を止めるなんて。