だれか。〜2〜
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
一介の探偵社員である中島敦―――――
は、腑に落ちない何かを感じていた。
最近、太宰のジサツ癖が、何かの折に無くなって仕舞ったことだ。突然では無い。徐々に、少しづつといったところだ。風化した、と言う表現が合うのかもしれない。
気付けばいない、というのが多々ある状況だった筈だ。
然し最近は、依頼で外に出る以外は、探偵社で見かけることが常となった。…だからといって、真面目に仕事に勤しむわけでは無いが。
最初の方は、其んな太宰を見て、国木田は歓喜していた。然し、結局仕事をしないのは同じことなので、苛立ちを募らせているようだった。
…寧ろふらふらと出て行って貰った方が、幾分か国木田さんの胃腸を労わることができるかもしれない、と敦は苦笑した。
でも本当に不思議だ、と敦は首を捻った。今では死にに行こうとするどころか、話題にすら上がらない。前まで散々読んでいたあの本も見る影もない。
あんなに美女と心中だの何だの喚いていたのに、何時の間にか、借りてきた猫のように大人しく、長椅子に座ってぼんやりしている方が多くなった。
一度、敦は冗談混じりに太宰に問うた。
「太宰さん、美女との心中はもう良いんですか?」
は、腑に落ちない何かを感じていた。
最近、太宰のジサツ癖が、何かの折に無くなって仕舞ったことだ。突然では無い。徐々に、少しづつといったところだ。風化した、と言う表現が合うのかもしれない。
気付けばいない、というのが多々ある状況だった筈だ。
然し最近は、依頼で外に出る以外は、探偵社で見かけることが常となった。…だからといって、真面目に仕事に勤しむわけでは無いが。
最初の方は、其んな太宰を見て、国木田は歓喜していた。然し、結局仕事をしないのは同じことなので、苛立ちを募らせているようだった。
…寧ろふらふらと出て行って貰った方が、幾分か国木田さんの胃腸を労わることができるかもしれない、と敦は苦笑した。
でも本当に不思議だ、と敦は首を捻った。今では死にに行こうとするどころか、話題にすら上がらない。前まで散々読んでいたあの本も見る影もない。
あんなに美女と心中だの何だの喚いていたのに、何時の間にか、借りてきた猫のように大人しく、長椅子に座ってぼんやりしている方が多くなった。
一度、敦は冗談混じりに太宰に問うた。
「太宰さん、美女との心中はもう良いんですか?」
1/3ページ