わたし。〜1〜
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途端、視界の隅に太宰さんの指が映る。細く、角張って、其れでいてしなやかな手が、ゆるりと伸ばされて、近づき、私の不恰好な手首を掴もうとしていた。
頭の奥で危険信号がふっと通り過ぎる。
――――――だめ!
―――パシッ
私は反射的に其の手を振り払った。
気づけば、振り払う為に挙げられた其の手が、わなわなと震えていた。
「は、はは、太宰さん、駄目ですよ、触っちゃ。未だ巻いたばっかりで、…掴んだら崩れちゃいます」
「…そうかい。然し非道いねぇ。何も思い切り振り払うことないじゃ無いか。
…まあ、“君の肌に触れて仕舞えば”、手だろうと何処だろうと問題は無いのだけれど」
「…もう、太宰さんは私を困らせたいんですか?折角与謝野先生に綺麗にして貰ったのに」
「真逆―――!寧ろねぇ、ユキ、君の為を思ってやろうとして居るのだよ。君は別に、今は包帯何て如何でもいいんだろう?私に『無痛』の異能を無効化してほしく無いだけだ」
私は太宰さんの顔を見なかった。唯彼の足下にできる薄い灰色の影を見ていた。今の私は、それが精一杯。
私は下を見た儘静かに、口から言葉を零した。
「…だったら触らないでくださいよ。や、です、…痛いのは」
頭の奥で危険信号がふっと通り過ぎる。
――――――だめ!
―――パシッ
私は反射的に其の手を振り払った。
気づけば、振り払う為に挙げられた其の手が、わなわなと震えていた。
「は、はは、太宰さん、駄目ですよ、触っちゃ。未だ巻いたばっかりで、…掴んだら崩れちゃいます」
「…そうかい。然し非道いねぇ。何も思い切り振り払うことないじゃ無いか。
…まあ、“君の肌に触れて仕舞えば”、手だろうと何処だろうと問題は無いのだけれど」
「…もう、太宰さんは私を困らせたいんですか?折角与謝野先生に綺麗にして貰ったのに」
「真逆―――!寧ろねぇ、ユキ、君の為を思ってやろうとして居るのだよ。君は別に、今は包帯何て如何でもいいんだろう?私に『無痛』の異能を無効化してほしく無いだけだ」
私は太宰さんの顔を見なかった。唯彼の足下にできる薄い灰色の影を見ていた。今の私は、それが精一杯。
私は下を見た儘静かに、口から言葉を零した。
「…だったら触らないでくださいよ。や、です、…痛いのは」