わたし。〜1〜
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与謝野先生の去って行った医務室は静けさに支配され、休憩、と云われても何だか居心地の悪さを感じていた。他の人はもう仕事を頑張っているのに、私なんかが休憩何て。私の異能力は大して役に立たないから、体力と事務仕事の速さだけが売りなのにな。
『アンタはもうちっと自尊心があっても良いのにさ』
先刻の、与謝野先生の言葉が、自分の中で反芻する。
自尊心。自分を尊ぶ心。自分に対して肯定的である心理。
十分にあると思っていた。私は自分を認めているところはあるし、別に自分が嫌いというわけでもない。好きになりきれない、という方が正しいかもしれないが。
其れなのに、与謝野先生は如何してあんな事を言ったのだろう。与謝野先生のいう自尊心って何なんだろう。
正解のない問がくるくると脳髄を廻っていく。…今度ちゃんと其の真意を聞かなきゃ、…
そう独りごちていると、こんこん、と扉をノックする音が聞こえた。
「はい」
「私だ。入るよ」
がちゃりと鈍い音を立てて扉が開く。其処には、すらりとした長身で、砂色の該当を纏い、鷲色瞳と蓬髪を携えた太宰さんが、顔に「不機嫌」を張り付けて立っていた。
「太宰さん、―――不機嫌の張り紙してるみたいですよ」
何とか此の空気をましなものにしようと、変な冗談を出まかせで云って仕舞ったが、結局何も変わりやしないまま。寧ろ、余計に太宰さんの不機嫌を助長させて仕舞ったようだった。
「またかい?」
「またって、…」
『アンタはもうちっと自尊心があっても良いのにさ』
先刻の、与謝野先生の言葉が、自分の中で反芻する。
自尊心。自分を尊ぶ心。自分に対して肯定的である心理。
十分にあると思っていた。私は自分を認めているところはあるし、別に自分が嫌いというわけでもない。好きになりきれない、という方が正しいかもしれないが。
其れなのに、与謝野先生は如何してあんな事を言ったのだろう。与謝野先生のいう自尊心って何なんだろう。
正解のない問がくるくると脳髄を廻っていく。…今度ちゃんと其の真意を聞かなきゃ、…
そう独りごちていると、こんこん、と扉をノックする音が聞こえた。
「はい」
「私だ。入るよ」
がちゃりと鈍い音を立てて扉が開く。其処には、すらりとした長身で、砂色の該当を纏い、鷲色瞳と蓬髪を携えた太宰さんが、顔に「不機嫌」を張り付けて立っていた。
「太宰さん、―――不機嫌の張り紙してるみたいですよ」
何とか此の空気をましなものにしようと、変な冗談を出まかせで云って仕舞ったが、結局何も変わりやしないまま。寧ろ、余計に太宰さんの不機嫌を助長させて仕舞ったようだった。
「またかい?」
「またって、…」