わたし。〜1〜
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「さ、出来たよ」
「ありがとうございます」
ひと通り手当ては終わったら様で、与謝野先生は片付け始めた。
かくいう私は、包帯の巻かれた不恰好な手をずっと見詰めていた。蛍光灯の無機質な白い光に、自分の手をゆらりと照らす。包帯がきつく巻かれている所為か、心なしか動きにくさがあった。
―――如何にも痛そうだな。
そう心では思ったが、私は特別何も感じていなかった。
ゆっくりと手を握って、開いて、そうし
て、思いっきり―――
「止めな」
与謝野先生の、透き通った、且つ不機嫌そうな声。私は一気に現実に引き戻され、其の言葉はッとし、私は振り上げていたもう一方の自由のきく腕をゆっくりと降ろした。
嗚呼、また、暴露て仕舞った。
「…暴露ちゃいましたか」
「なァにが『暴露ちゃいましたか』だ。
此れで何回目だと思うのさ?アンタのやりそうな事は大抵決まってンだ。
既に傷を作ってるのに、自ら自分をそれ以上傷付ける必要無いだろ。…はァ、ユキ、アンタにはもうちっと自尊心があっても良いのにさ」
「…」
もう馬鹿なことはするんじゃないよ、と与謝野先生は苦笑して、私の頭に手を置いた。くしゃ、と私の頭を掻く様に撫で、其のまま医務室から立ち去ろうとした。
「妾は仕事に戻るから、落ち着くまで休んでな」
「でも、」
「でも?」
「…分かりました」
「其れで良い」
「ありがとうございます」
ひと通り手当ては終わったら様で、与謝野先生は片付け始めた。
かくいう私は、包帯の巻かれた不恰好な手をずっと見詰めていた。蛍光灯の無機質な白い光に、自分の手をゆらりと照らす。包帯がきつく巻かれている所為か、心なしか動きにくさがあった。
―――如何にも痛そうだな。
そう心では思ったが、私は特別何も感じていなかった。
ゆっくりと手を握って、開いて、そうし
て、思いっきり―――
「止めな」
与謝野先生の、透き通った、且つ不機嫌そうな声。私は一気に現実に引き戻され、其の言葉はッとし、私は振り上げていたもう一方の自由のきく腕をゆっくりと降ろした。
嗚呼、また、暴露て仕舞った。
「…暴露ちゃいましたか」
「なァにが『暴露ちゃいましたか』だ。
此れで何回目だと思うのさ?アンタのやりそうな事は大抵決まってンだ。
既に傷を作ってるのに、自ら自分をそれ以上傷付ける必要無いだろ。…はァ、ユキ、アンタにはもうちっと自尊心があっても良いのにさ」
「…」
もう馬鹿なことはするんじゃないよ、と与謝野先生は苦笑して、私の頭に手を置いた。くしゃ、と私の頭を掻く様に撫で、其のまま医務室から立ち去ろうとした。
「妾は仕事に戻るから、落ち着くまで休んでな」
「でも、」
「でも?」
「…分かりました」
「其れで良い」