わたし。〜3〜
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それから、国木田さんとたわいもない話をしながら社に戻った。たわいもない話、と言っても、ほぼ国木田さんの愚痴だった。
与謝野さんが妙に解体しようとしてくるだの、谷崎兄弟が場所を選ばずいちゃいちゃするだの、太宰さんが仕事をしないだの。
…まあ国木田さんは自由人が多い探偵社の中で比較的まともな方だ。比較的、弊社比べ、なのであって、社会に出たらたぶん国木田さんもある意味かなりの自由人なのではないかとも思う。
…怒られたくないから言わないけど。
「そういやお前、学校はどうだ」
「どうって、…楽しい、ですよ」
「…そうか。なら良い」
一瞬国木田さんは眉を下げて、静かに笑った。わたしが此の手の話題を出したがらないのを、気遣わせてしまった。
蒸し返すような暑さが針となり、私と国木田さんの間に突き刺さる。其れからは二人とも、特にこれといったことは話さな無かった。私が暑いですね、って言って、国木田さんはそうだな、と返事した。
じりじりと煩わしい蝉の声。その声は喧騒の中を通り抜ける。私にそれ以上答えることを求めない国木田さんの優しさに、心の底から感謝した。
早く着かないかな、と願った。
与謝野さんが妙に解体しようとしてくるだの、谷崎兄弟が場所を選ばずいちゃいちゃするだの、太宰さんが仕事をしないだの。
…まあ国木田さんは自由人が多い探偵社の中で比較的まともな方だ。比較的、弊社比べ、なのであって、社会に出たらたぶん国木田さんもある意味かなりの自由人なのではないかとも思う。
…怒られたくないから言わないけど。
「そういやお前、学校はどうだ」
「どうって、…楽しい、ですよ」
「…そうか。なら良い」
一瞬国木田さんは眉を下げて、静かに笑った。わたしが此の手の話題を出したがらないのを、気遣わせてしまった。
蒸し返すような暑さが針となり、私と国木田さんの間に突き刺さる。其れからは二人とも、特にこれといったことは話さな無かった。私が暑いですね、って言って、国木田さんはそうだな、と返事した。
じりじりと煩わしい蝉の声。その声は喧騒の中を通り抜ける。私にそれ以上答えることを求めない国木田さんの優しさに、心の底から感謝した。
早く着かないかな、と願った。