夢小説
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今日はハロウィン。仮装を楽しむ人やポケモン達で街中賑わっている。
その中に一際目立つ人集り。何かと思い近づけば、茨のような白黒の髪の毛が目に入る。
あの特徴的な髪型はネズさんに違いない。もっと近づいて声をかけたいけれど、たくさんのファンに囲まれていてこれ以上は無理そうだ。
私は何とか気づいてもらえないかと人集りの隙間から顔を覗かせてみるが、こちらに気づく様子は一向にない。
ネズさんは売れっ子のシンガーだ。そんなすごい人と関わりを持つ事が出来ているだけで奇跡のようなもの。今日はもう諦めて、また後日話を聞きに来よう。
そう自分に言い聞かせてその場から離れようとした時、地鳴りのような咆哮が私を襲った。驚いてそちらに目をやると、タチフサグマと視線がばちりと合う。
「急に大きな声を出してどうしたんですか……」
その隣に立つネズさんがタチフサグマの視線を追って、こちらを見やる。そして今度はネズさんと視線がばちりと合った。
「リキュラ?」
周りのファンが一斉にこちらに目を向けてくる。
その視線や囁き声が痛くて、私は縮こまるように俯いた。
「おまえ達、ファンサービスはここまでです。少しどいてください」
ネズさんがそう言うと、エール団達が笛を鳴らしながら壁を作るようにして、私とネズさんが話す空間を作ってくれる。
誰が相手でも同じ様にするんだろうけど、なんだか特別扱いされているみたいで気恥ずかしくなる。
「リキュラ」
名前を呼ばれてやっと上を向くと、そこには吸血鬼の格好をしたネズさんが立っていた。
白黒の髪の毛に赤いベストがとてもよく似合っていて、金色の光る留め具がそれらしい雰囲気を出している。そしてそれを覆い隠すような黒いマントもかっこいい。
さっきは人集りで見えなかった分、上から下までまじまじと見入ってしまう。
「期間限定の衣装です。どうですか?」
「あ、すごく似合ってます……」
「おまえに見せられてよかったです。タチフサグマに感謝ですね」
ネズさんがタチフサグマに横目でアイコンタクトすると、タチフサグマが得意気な顔でご機嫌に唸る。
私もネズさんの新しい衣装を見られてよかった。
「ありがとうね」
ネズさん同様にタチフサグマに感謝を伝えると、また得意気な顔で返事をくれる。
「あの、ファンの人達に悪いのでそろそろ行きますね」
「ああ、その前に」
「なんですか?」
ネズさんの気怠げな顔がこちらに近づいたと思えば、にやりと薄く笑われる。
「おまえの血を吸わせてくださいよ」
私はその一言に戸惑って半歩後ろに下がるけれど、ネズさんはお構い無しに首元に顔を寄せてくる。
首筋にぶつかるネズさんの温かい吐息。私はどうしていいかわからずに、思わず目をギュッと閉じた。
それから数秒。
吐息が当たる距離のまま、何もしてこないネズさんに声をかけようと口を開いた時だった。
「なんてね」
妖しい色気を孕んだ囁き声。
そんなネズさんの声を耳元で聞かされた私は大きく身動ぎし、ドキドキと高鳴る胸を必死に抑える。
「吸血鬼にはお気をつけを」
ネズさんは冗談めかしてそう呟くと、エール団の壁を崩していく。
「ファンサービス再開です。今のおれは機嫌が良いですからね。何でもしてやりますよ」
その声にまた殺到するファンの山。
ネズさんはあっという間に囲まれてしまってもう姿は見えないけれど、私の心はとても満たされていた。
その中に一際目立つ人集り。何かと思い近づけば、茨のような白黒の髪の毛が目に入る。
あの特徴的な髪型はネズさんに違いない。もっと近づいて声をかけたいけれど、たくさんのファンに囲まれていてこれ以上は無理そうだ。
私は何とか気づいてもらえないかと人集りの隙間から顔を覗かせてみるが、こちらに気づく様子は一向にない。
ネズさんは売れっ子のシンガーだ。そんなすごい人と関わりを持つ事が出来ているだけで奇跡のようなもの。今日はもう諦めて、また後日話を聞きに来よう。
そう自分に言い聞かせてその場から離れようとした時、地鳴りのような咆哮が私を襲った。驚いてそちらに目をやると、タチフサグマと視線がばちりと合う。
「急に大きな声を出してどうしたんですか……」
その隣に立つネズさんがタチフサグマの視線を追って、こちらを見やる。そして今度はネズさんと視線がばちりと合った。
「リキュラ?」
周りのファンが一斉にこちらに目を向けてくる。
その視線や囁き声が痛くて、私は縮こまるように俯いた。
「おまえ達、ファンサービスはここまでです。少しどいてください」
ネズさんがそう言うと、エール団達が笛を鳴らしながら壁を作るようにして、私とネズさんが話す空間を作ってくれる。
誰が相手でも同じ様にするんだろうけど、なんだか特別扱いされているみたいで気恥ずかしくなる。
「リキュラ」
名前を呼ばれてやっと上を向くと、そこには吸血鬼の格好をしたネズさんが立っていた。
白黒の髪の毛に赤いベストがとてもよく似合っていて、金色の光る留め具がそれらしい雰囲気を出している。そしてそれを覆い隠すような黒いマントもかっこいい。
さっきは人集りで見えなかった分、上から下までまじまじと見入ってしまう。
「期間限定の衣装です。どうですか?」
「あ、すごく似合ってます……」
「おまえに見せられてよかったです。タチフサグマに感謝ですね」
ネズさんがタチフサグマに横目でアイコンタクトすると、タチフサグマが得意気な顔でご機嫌に唸る。
私もネズさんの新しい衣装を見られてよかった。
「ありがとうね」
ネズさん同様にタチフサグマに感謝を伝えると、また得意気な顔で返事をくれる。
「あの、ファンの人達に悪いのでそろそろ行きますね」
「ああ、その前に」
「なんですか?」
ネズさんの気怠げな顔がこちらに近づいたと思えば、にやりと薄く笑われる。
「おまえの血を吸わせてくださいよ」
私はその一言に戸惑って半歩後ろに下がるけれど、ネズさんはお構い無しに首元に顔を寄せてくる。
首筋にぶつかるネズさんの温かい吐息。私はどうしていいかわからずに、思わず目をギュッと閉じた。
それから数秒。
吐息が当たる距離のまま、何もしてこないネズさんに声をかけようと口を開いた時だった。
「なんてね」
妖しい色気を孕んだ囁き声。
そんなネズさんの声を耳元で聞かされた私は大きく身動ぎし、ドキドキと高鳴る胸を必死に抑える。
「吸血鬼にはお気をつけを」
ネズさんは冗談めかしてそう呟くと、エール団の壁を崩していく。
「ファンサービス再開です。今のおれは機嫌が良いですからね。何でもしてやりますよ」
その声にまた殺到するファンの山。
ネズさんはあっという間に囲まれてしまってもう姿は見えないけれど、私の心はとても満たされていた。