夢小説
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11月11日。
私はビニール袋から菓子を一箱取り出して、封を開けた。そこにはスティック状のチョコレート菓子。私はそれを一本取り出した後、ソファで揺れる白黒の茨に覗く肩を、とん、と指先で軽く叩いた。
「どうしたんですか?リキュラ」
ソファ越しに振り返る彼、ネズさん。手元にはたくさんの単語が乱雑に書かれたメモ帳。
「あ、ごめんなさい。作詞の最中に……」
「いえ、丁度休憩を入れようと思っていたところですから」
そう言って、メモ帳とペンをソファに置くネズさん。
彼に気を使わせてしまった事に申し訳なさを感じて黙っていると、こちらに優しい笑みを向けてくれる。
「で、何か用ですか?」
「あの、ポッキー食べませんか?」
本当はポッキーゲームに誘おうと思っていたのだけど、そんな事で作詞の邪魔をしてしまった事を知られたくなくて、慌てて取り繕う。
「……一本だけですか?」
その言葉の通り、私の手元にはたった一本のポッキー。それを見て怪訝そうな顔をするネズさん。
「えっと……」
思わず口を噤んで数秒。
ネズさんは我慢出来ないかと言うように眉根を崩して、クククと笑った。
「ポッキーゲーム、したいんでしょう?」
「あ、いや、その……!」
「それとも、したいのはこっちですか?」
ギシ、とソファが軋む音がしたかと思えば、唇に柔らかい感触。私は突然のキスに思わず目を瞑るけれど、キスはそれ以上深くなる事はなく、舌先でペロリと舐められてからすぐに離される。
「……甘くないですね」
「まだ食べてないですから……」
「じゃあ食べてからもう一度しますか?」
からかうネズさんにあからさまな反応を示すと、楽しそうに笑われる。そんなネズさんを前に、唇を軽く噛んで恥ずかしさを誤魔化すと、先程のポッキーを取りに行こうとして後ろを向く。
「ああ、リキュラ」
私はその呼び掛けに、身体の向きはそのままでネズさんへと耳を傾けると、わざとらしく囁かれる。
「次のキスは深いやつを、ね」
その吐息混じりの囁きに、思わず耳を手のひらで覆い隠すと、背後からまた楽しそうにクククと笑われる。
あんまり揶揄うから怒ろうと思ったけれどなんだか何も言い返せなくて、私は耳を手のひらで覆ったまま、バタバタとその場を離れた。
私はビニール袋から菓子を一箱取り出して、封を開けた。そこにはスティック状のチョコレート菓子。私はそれを一本取り出した後、ソファで揺れる白黒の茨に覗く肩を、とん、と指先で軽く叩いた。
「どうしたんですか?リキュラ」
ソファ越しに振り返る彼、ネズさん。手元にはたくさんの単語が乱雑に書かれたメモ帳。
「あ、ごめんなさい。作詞の最中に……」
「いえ、丁度休憩を入れようと思っていたところですから」
そう言って、メモ帳とペンをソファに置くネズさん。
彼に気を使わせてしまった事に申し訳なさを感じて黙っていると、こちらに優しい笑みを向けてくれる。
「で、何か用ですか?」
「あの、ポッキー食べませんか?」
本当はポッキーゲームに誘おうと思っていたのだけど、そんな事で作詞の邪魔をしてしまった事を知られたくなくて、慌てて取り繕う。
「……一本だけですか?」
その言葉の通り、私の手元にはたった一本のポッキー。それを見て怪訝そうな顔をするネズさん。
「えっと……」
思わず口を噤んで数秒。
ネズさんは我慢出来ないかと言うように眉根を崩して、クククと笑った。
「ポッキーゲーム、したいんでしょう?」
「あ、いや、その……!」
「それとも、したいのはこっちですか?」
ギシ、とソファが軋む音がしたかと思えば、唇に柔らかい感触。私は突然のキスに思わず目を瞑るけれど、キスはそれ以上深くなる事はなく、舌先でペロリと舐められてからすぐに離される。
「……甘くないですね」
「まだ食べてないですから……」
「じゃあ食べてからもう一度しますか?」
からかうネズさんにあからさまな反応を示すと、楽しそうに笑われる。そんなネズさんを前に、唇を軽く噛んで恥ずかしさを誤魔化すと、先程のポッキーを取りに行こうとして後ろを向く。
「ああ、リキュラ」
私はその呼び掛けに、身体の向きはそのままでネズさんへと耳を傾けると、わざとらしく囁かれる。
「次のキスは深いやつを、ね」
その吐息混じりの囁きに、思わず耳を手のひらで覆い隠すと、背後からまた楽しそうにクククと笑われる。
あんまり揶揄うから怒ろうと思ったけれどなんだか何も言い返せなくて、私は耳を手のひらで覆ったまま、バタバタとその場を離れた。