夢小説
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「僕はいつだって、きみの幸せを願ってるよ」
そう言って、私の告白を断ったカブさん。
カブさんは、何もわかってない。私の幸せはカブさんがいないと成り立たないというのに。
私は唇を噛み締めながら、暗い夜道をぼんやりと歩く。
この道を、カブさんと二人手を繋いで歩けたら幸せだったのにな……
叶わない夢を思い浮かべながら狭くて暗い路地を通り過ぎた、その時だった。いきなり腕を引っ張られて驚いて振り向くと、二人の知らない男がこちらを見下ろしていた。
目立つ金髪を固め、耳や唇にはたくさんのピアス。いかにも遊んでいそうなその見た目に身構えるが、カブさんに振られた今、もうどうでもいいかと目の前の男達の声に耳を傾ける。
「お姉さん、俺達と遊ぼうよ」
「……いいですよ」
私は男の腕に導かれるように、路地裏へと足を踏み入れる。
「カラテアくん、そっちは行き止まりだよ」
しかし聞き慣れた優しい声に呼び止められ、その場を踏み留まった。
「かぶ、さん……?」
思い当たる名前を呼びながら後ろを振り向くと、やはりカブさんだった。
どうして。そう呟こうとしたけれど、あまりの困惑に喉が閉じて出てこない。すると、カブさんがこちらを真っ直ぐに見据えて、語りかけてくる。
「この人達は、きみを幸せにしてくれるのかい?」
「……カブさんには関係ないじゃないですか」
やっと絞り出した言葉を吐き捨てて、そのまま振り切ろうとする。けれど、すぐに腕を掴まれてしまい動けない。
「カラテアくんには誰よりも幸せになってほしいんだ」
「だったら、どうして……!!」
「なんだこのジジイ!!」
男に邪魔され私の言葉は途切れるが、カブさんに引き寄せられて男達とは二歩半ほどの距離が空く。
「おいヤンチャム!やっちまえ!」
「行け!マッスグマ!」
男達はそれぞれボールを投げてポケモンを繰り出した。カブさんがジムリーダーの一人だとは知らずに。
「コータス、じしんで威嚇。怪我はさせないでね」
カブさんは軽くボールを投げてコータスを呼び出すと、コータスは飛び出した勢いで前足を思い切り地面に叩きつけ、そのまま地面を断裂する。
「おわっ!なんだ!?」
真っ直ぐに伸びた亀裂は二股に別れ、私達と男達の間を割くようにして広がった。
その様子にヤンチャムとマッスグマはすっかり怯み、男達の後ろに隠れてしまう。
「おい、ヤンチャム!行け!行けってば!……クソ!」
「おい、この爺さんもしかして、エンジンシティのジムリーダーじゃ……」
「今更気づいたのかい?」
その言葉に青ざめた男達は慌ててポケモンをボールに戻し、走って逃げて行ってしまった。
「コータス、ありがとう」
カブさんはお礼を言って、コータスをボールに戻す。
「あの、」
「僕じゃ、きみを幸せにできないと思ったんだ」
私が疑問を投げかける前に、話し始めるカブさん。
「カラテアくんを誰よりも幸せにしてくれる他の人に託そう。そんな思いに囚われていた。なのにきみは僕の思いとは裏腹に、街荒らしで評判の男達に着いて行こうとする」
「……もうどうでもいいって、思ったんです。カブさんがそばに居てくれないなら、なんだって同じだって」
「うん、ごめんね……でも、間に合って良かった」
カブさんはそう呟くと、私の頬を撫でてから、私の身体を優しく抱き締めた。
「カラテアくんがそこまで僕なんかを望んでくれるなら、僕はきみのそばを離れない。もう二度と」
不器用な人の、不器用な告白。
少し遠回りしてしまったけれど、もう間違えない。
「カブさん、好きです、大好きです」
「うん。僕もきみのことが大好きだ」
私は世界でたった一人、この人にだけ幸せにしてもらいたいし、この人と一緒に幸せになりたい。そう強く心に思う。
私はカブさんの温もりに包まれながら、自分もその温かさを返そうと、力の限り抱き締め返した。
そう言って、私の告白を断ったカブさん。
カブさんは、何もわかってない。私の幸せはカブさんがいないと成り立たないというのに。
私は唇を噛み締めながら、暗い夜道をぼんやりと歩く。
この道を、カブさんと二人手を繋いで歩けたら幸せだったのにな……
叶わない夢を思い浮かべながら狭くて暗い路地を通り過ぎた、その時だった。いきなり腕を引っ張られて驚いて振り向くと、二人の知らない男がこちらを見下ろしていた。
目立つ金髪を固め、耳や唇にはたくさんのピアス。いかにも遊んでいそうなその見た目に身構えるが、カブさんに振られた今、もうどうでもいいかと目の前の男達の声に耳を傾ける。
「お姉さん、俺達と遊ぼうよ」
「……いいですよ」
私は男の腕に導かれるように、路地裏へと足を踏み入れる。
「カラテアくん、そっちは行き止まりだよ」
しかし聞き慣れた優しい声に呼び止められ、その場を踏み留まった。
「かぶ、さん……?」
思い当たる名前を呼びながら後ろを振り向くと、やはりカブさんだった。
どうして。そう呟こうとしたけれど、あまりの困惑に喉が閉じて出てこない。すると、カブさんがこちらを真っ直ぐに見据えて、語りかけてくる。
「この人達は、きみを幸せにしてくれるのかい?」
「……カブさんには関係ないじゃないですか」
やっと絞り出した言葉を吐き捨てて、そのまま振り切ろうとする。けれど、すぐに腕を掴まれてしまい動けない。
「カラテアくんには誰よりも幸せになってほしいんだ」
「だったら、どうして……!!」
「なんだこのジジイ!!」
男に邪魔され私の言葉は途切れるが、カブさんに引き寄せられて男達とは二歩半ほどの距離が空く。
「おいヤンチャム!やっちまえ!」
「行け!マッスグマ!」
男達はそれぞれボールを投げてポケモンを繰り出した。カブさんがジムリーダーの一人だとは知らずに。
「コータス、じしんで威嚇。怪我はさせないでね」
カブさんは軽くボールを投げてコータスを呼び出すと、コータスは飛び出した勢いで前足を思い切り地面に叩きつけ、そのまま地面を断裂する。
「おわっ!なんだ!?」
真っ直ぐに伸びた亀裂は二股に別れ、私達と男達の間を割くようにして広がった。
その様子にヤンチャムとマッスグマはすっかり怯み、男達の後ろに隠れてしまう。
「おい、ヤンチャム!行け!行けってば!……クソ!」
「おい、この爺さんもしかして、エンジンシティのジムリーダーじゃ……」
「今更気づいたのかい?」
その言葉に青ざめた男達は慌ててポケモンをボールに戻し、走って逃げて行ってしまった。
「コータス、ありがとう」
カブさんはお礼を言って、コータスをボールに戻す。
「あの、」
「僕じゃ、きみを幸せにできないと思ったんだ」
私が疑問を投げかける前に、話し始めるカブさん。
「カラテアくんを誰よりも幸せにしてくれる他の人に託そう。そんな思いに囚われていた。なのにきみは僕の思いとは裏腹に、街荒らしで評判の男達に着いて行こうとする」
「……もうどうでもいいって、思ったんです。カブさんがそばに居てくれないなら、なんだって同じだって」
「うん、ごめんね……でも、間に合って良かった」
カブさんはそう呟くと、私の頬を撫でてから、私の身体を優しく抱き締めた。
「カラテアくんがそこまで僕なんかを望んでくれるなら、僕はきみのそばを離れない。もう二度と」
不器用な人の、不器用な告白。
少し遠回りしてしまったけれど、もう間違えない。
「カブさん、好きです、大好きです」
「うん。僕もきみのことが大好きだ」
私は世界でたった一人、この人にだけ幸せにしてもらいたいし、この人と一緒に幸せになりたい。そう強く心に思う。
私はカブさんの温もりに包まれながら、自分もその温かさを返そうと、力の限り抱き締め返した。
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