夢小説
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街灯がまばらな、薄暗い路地。
一人なら恐怖心を抱えながら早足で過ぎ去ってしまうところだが、今日はサカキさんが隣にいる。
人気がないのを良いことにサカキさんの手をそっと握ると、ふっと小さく笑われる。
「もう、なんで笑うんですか」
「いや、可愛らしいなと思ってな」
「な、なんですか、それ」
私は照れ隠しで、サカキさんの手を握る力を少しだけ強める。
「ウエサキ、お前の手は温かいな」
「サカキさんの手が冷たいんですよ」
いつも冷たいサカキさんの手のひら。手が冷たい人は心が温かい、なんて言うけれど本当だろうか。
サカキさんからは時折、得体の知れない深い闇を感じる事がある。それが私の思い過ごしならいいのだけれど、彼の内側には指の先ほども届いていない気がしてならないのだ。
今だって……
不安に思って顔を上げると、ふと目が合ってじっと見つめ合う形になる。
「キス、できちゃいそうな距離ですね」
誤魔化すようにそう呟けば、サカキさんはふっと笑って私の唇に口付ける。
しかしサカキさんはキスをする時にあまり屈んでくれない為、彼の胸元へと縋り付きながら背伸びをする。
「な、んで、もっと屈んでくれないんですか……」
「ん?ああ、君のその必死そうな顔がたまらなくてな」
「趣味、悪いですよ」
そう楯突くと、今度は噛み付くようなキスが襲ってくる。幾度となく唇を貪られ、心臓が破裂しそうになる。
「ここ、外、なのに、」
口端の隙間から懸命に声を出すと、サカキさんは小さく笑う。
「君が悪い」
低音と共に吐息をかけられ、不本意にも背筋に快感が走る。
「だ、誰かに見られちゃうかも、」
「見せつけてやればいいだろう」
抵抗するも虚しく、ひび割れた無機質なコンクリートの壁へと追いやられ、逃げ場をなくされる。
「ウエサキ」
「さかき、さん……」
至近距離で見つめるサカキさんの瞳はやはり深い海の底のようで、また不安な気持ちが押し寄せてくる。
一番近いところにいるはずなのに、誰よりも遠く感じるサカキさん。
しかし、いくら考えたところで私の望む安心感が手に入る事はないだろう。
私は暗い思考から離れるべく、大人しく彼からの熱に身を任せる事にした。
「サカキさん、好き、大好き、」
「ああ。私も君が好きだ」
私はサカキさんの腕に掴まりまた背伸びをすると、ゆっくりと瞼を閉じた。
一人なら恐怖心を抱えながら早足で過ぎ去ってしまうところだが、今日はサカキさんが隣にいる。
人気がないのを良いことにサカキさんの手をそっと握ると、ふっと小さく笑われる。
「もう、なんで笑うんですか」
「いや、可愛らしいなと思ってな」
「な、なんですか、それ」
私は照れ隠しで、サカキさんの手を握る力を少しだけ強める。
「ウエサキ、お前の手は温かいな」
「サカキさんの手が冷たいんですよ」
いつも冷たいサカキさんの手のひら。手が冷たい人は心が温かい、なんて言うけれど本当だろうか。
サカキさんからは時折、得体の知れない深い闇を感じる事がある。それが私の思い過ごしならいいのだけれど、彼の内側には指の先ほども届いていない気がしてならないのだ。
今だって……
不安に思って顔を上げると、ふと目が合ってじっと見つめ合う形になる。
「キス、できちゃいそうな距離ですね」
誤魔化すようにそう呟けば、サカキさんはふっと笑って私の唇に口付ける。
しかしサカキさんはキスをする時にあまり屈んでくれない為、彼の胸元へと縋り付きながら背伸びをする。
「な、んで、もっと屈んでくれないんですか……」
「ん?ああ、君のその必死そうな顔がたまらなくてな」
「趣味、悪いですよ」
そう楯突くと、今度は噛み付くようなキスが襲ってくる。幾度となく唇を貪られ、心臓が破裂しそうになる。
「ここ、外、なのに、」
口端の隙間から懸命に声を出すと、サカキさんは小さく笑う。
「君が悪い」
低音と共に吐息をかけられ、不本意にも背筋に快感が走る。
「だ、誰かに見られちゃうかも、」
「見せつけてやればいいだろう」
抵抗するも虚しく、ひび割れた無機質なコンクリートの壁へと追いやられ、逃げ場をなくされる。
「ウエサキ」
「さかき、さん……」
至近距離で見つめるサカキさんの瞳はやはり深い海の底のようで、また不安な気持ちが押し寄せてくる。
一番近いところにいるはずなのに、誰よりも遠く感じるサカキさん。
しかし、いくら考えたところで私の望む安心感が手に入る事はないだろう。
私は暗い思考から離れるべく、大人しく彼からの熱に身を任せる事にした。
「サカキさん、好き、大好き、」
「ああ。私も君が好きだ」
私はサカキさんの腕に掴まりまた背伸びをすると、ゆっくりと瞼を閉じた。