ifやパロ
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「今日も疲れたね」
私はズバットにそう声をかけると、大きな樹木に背中を預けた。ズバットは私の声かけに答えるように、周辺をパタパタと飛び周る。この子はロケット団の一員として支給されたポケモンなのだけれど、よく懐いてくれている。
そんなズバットが可愛くて、私はその様子をしばらく眺めていた。
*
「ウエサキ」
ズバットと二人で休んでいる中、突然名前を呼ばれてドキリとする。
声の方を向けば、そこにはボスであるサカキさん。今日の仕事はもう終わったはずだ。何かミスをしてしまっていたのだろうか。
「あの、私に何か用ですか……?」
恐る恐る聞いてみると、ふと視線が合う。するとサカキさんはふっと笑って、ズバットを自分の腕に止まらせた。
「随分仲良さそうにしているなと思ってな」
言葉に詰まる。怒っているようには見えないけれど、ロケット団は保護団体じゃない。支給されたポケモンともなれば、道具の様に扱わないとロケット団を追い出されてしまうんじゃないか。そんなの困る。だって私は……
「……君はなぜロケット団に入ったんだ」
「サカキさんのことが好きだから……」
しまった。と思った時にはもう遅かった。サカキさんは訝しげな顔でこちらを見つめている。
何か言い訳を、と口を開くけれど「やっぱり好きなんかじゃないです」とも言えず。私はそのまま項垂れる。
「やめておけ」
頭上から降ってくる、サカキさんの声。心が急速に冷えていく。
どうしよう。嫌われたかもしれない。もう話してもらえないかもしれない。サカキさんの顔を見るのが怖い。
私は項垂れたまま、サカキさんの言葉の続きを待つ。
「俺よりも良い男がたくさんいるだろ」
私は目を見張る。そんな人はこの世界中を探してもどこにもいない。
私はそれを伝えたくて、項垂れていた頭をあげる。すると、サカキさんは真っ直ぐにこちらを見据えていた。まるで私を言い聞かせるような瞳で。
きっと彼なりの気遣いなのだろう。私みたいな小娘とは住んでいる世界が違うのだと。
そう理解する事ができても、辛くて、辛くて、やはり我慢できずに泣いてしまった。
ズバットはサカキさんの腕から飛び立つと、私を心配するように、私の周りを飛び回る。
「大丈夫、大丈夫だよ。大丈夫だから……」
サカキさんはもう、何も言わない。
闇夜の月明かりだけが、私を優しく照らし続けた。
私はズバットにそう声をかけると、大きな樹木に背中を預けた。ズバットは私の声かけに答えるように、周辺をパタパタと飛び周る。この子はロケット団の一員として支給されたポケモンなのだけれど、よく懐いてくれている。
そんなズバットが可愛くて、私はその様子をしばらく眺めていた。
*
「ウエサキ」
ズバットと二人で休んでいる中、突然名前を呼ばれてドキリとする。
声の方を向けば、そこにはボスであるサカキさん。今日の仕事はもう終わったはずだ。何かミスをしてしまっていたのだろうか。
「あの、私に何か用ですか……?」
恐る恐る聞いてみると、ふと視線が合う。するとサカキさんはふっと笑って、ズバットを自分の腕に止まらせた。
「随分仲良さそうにしているなと思ってな」
言葉に詰まる。怒っているようには見えないけれど、ロケット団は保護団体じゃない。支給されたポケモンともなれば、道具の様に扱わないとロケット団を追い出されてしまうんじゃないか。そんなの困る。だって私は……
「……君はなぜロケット団に入ったんだ」
「サカキさんのことが好きだから……」
しまった。と思った時にはもう遅かった。サカキさんは訝しげな顔でこちらを見つめている。
何か言い訳を、と口を開くけれど「やっぱり好きなんかじゃないです」とも言えず。私はそのまま項垂れる。
「やめておけ」
頭上から降ってくる、サカキさんの声。心が急速に冷えていく。
どうしよう。嫌われたかもしれない。もう話してもらえないかもしれない。サカキさんの顔を見るのが怖い。
私は項垂れたまま、サカキさんの言葉の続きを待つ。
「俺よりも良い男がたくさんいるだろ」
私は目を見張る。そんな人はこの世界中を探してもどこにもいない。
私はそれを伝えたくて、項垂れていた頭をあげる。すると、サカキさんは真っ直ぐにこちらを見据えていた。まるで私を言い聞かせるような瞳で。
きっと彼なりの気遣いなのだろう。私みたいな小娘とは住んでいる世界が違うのだと。
そう理解する事ができても、辛くて、辛くて、やはり我慢できずに泣いてしまった。
ズバットはサカキさんの腕から飛び立つと、私を心配するように、私の周りを飛び回る。
「大丈夫、大丈夫だよ。大丈夫だから……」
サカキさんはもう、何も言わない。
闇夜の月明かりだけが、私を優しく照らし続けた。