サカキ×夢主
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「サカキさん、今日がキスの日だって知ってました?」
ボスであり、特別な人でもあるサカキさんにちょっかいをかけるように話しかける。
キスの日。同じしたっぱ仲間から聞いただけで本来の意味や由来は知らないけれど、つい便乗してしまう。
「いや、知らないな」
「私も今朝知ったばかりなんですけど、今日一日みんなその話題で盛り上がって……」
私がくすりと思い出し笑いをすると、目の前に立つサカキさんの眉間に皺が寄る。
「全く、お前達はいつまで学生気分でいるつもりだ。仕事はしているんだろうな」
「し、してますよ」
サカキさんに睨まれて、目を逸らす。
みんなで話に夢中になりすぎてモンスターボールの検品でミスが多発したなんて、言えるはずがない。
「……で、そのキスの日がどうしたんだ」
「あ、ええと……」
甘い雰囲気を期待していたのに叱られてしまったせいで気まずい空気が流れるけれど、ここで引くのも不自然だ。
私は俯きがちに手遊びをしながら、ぎこちなく口を開いた。
「き、キスの日だからサカキさんとキスをしたい、なんて言ったら、怒りますか……?」
しん、と静まり返る室内。空気がガラリと変わった気がしてドキドキしながらサカキさんの返事を待つ……しかし、一向に返ってこない。
「おい、少し時計を見てみろ」
「え?」
期待していた返事とは全く違う声掛けに、間抜けな声が出る。
私は困惑しながらサカキさんに促されるままに机の上のデジタル時計に視線をやると、なんとすでに午前零時を回っていた。
「……あっ!?」
「そういうことだ」
「あ、あの、さ、サカキさん、」
慌てる私をよそに、サカキさんはゆっくりとこちらに向き直ると、口角をにやりと上げた。
「さて。キスの日は終わったようだが、まだ何か用か?」
「な、何って……」
サカキさんと、キスがしたい。それだけだ。しかしキスの日を理由にキスをねだった手前、口実なしに改めてねだるのは少しばかり恥ずかしい。
「き、キス、してくれないんですか……」
「ああ。君が話していたキスの日は終わったからな」
「もう、意地悪言わないでください」
私が唇をきゅっと結ぶと、その唇を親指で沿うように触れられる。拗ねた私の機嫌を取るように。
「だが、年に一度のキスも趣があるとは思わんかね」
「……一年に一回しかあなたとキスできないなんて、絶対に嫌です」
私は機嫌を損ねたままサカキさんに唇を寄せると、彼はフッ、と息を吐くように笑って、私のキスを受け入れた。
ボスであり、特別な人でもあるサカキさんにちょっかいをかけるように話しかける。
キスの日。同じしたっぱ仲間から聞いただけで本来の意味や由来は知らないけれど、つい便乗してしまう。
「いや、知らないな」
「私も今朝知ったばかりなんですけど、今日一日みんなその話題で盛り上がって……」
私がくすりと思い出し笑いをすると、目の前に立つサカキさんの眉間に皺が寄る。
「全く、お前達はいつまで学生気分でいるつもりだ。仕事はしているんだろうな」
「し、してますよ」
サカキさんに睨まれて、目を逸らす。
みんなで話に夢中になりすぎてモンスターボールの検品でミスが多発したなんて、言えるはずがない。
「……で、そのキスの日がどうしたんだ」
「あ、ええと……」
甘い雰囲気を期待していたのに叱られてしまったせいで気まずい空気が流れるけれど、ここで引くのも不自然だ。
私は俯きがちに手遊びをしながら、ぎこちなく口を開いた。
「き、キスの日だからサカキさんとキスをしたい、なんて言ったら、怒りますか……?」
しん、と静まり返る室内。空気がガラリと変わった気がしてドキドキしながらサカキさんの返事を待つ……しかし、一向に返ってこない。
「おい、少し時計を見てみろ」
「え?」
期待していた返事とは全く違う声掛けに、間抜けな声が出る。
私は困惑しながらサカキさんに促されるままに机の上のデジタル時計に視線をやると、なんとすでに午前零時を回っていた。
「……あっ!?」
「そういうことだ」
「あ、あの、さ、サカキさん、」
慌てる私をよそに、サカキさんはゆっくりとこちらに向き直ると、口角をにやりと上げた。
「さて。キスの日は終わったようだが、まだ何か用か?」
「な、何って……」
サカキさんと、キスがしたい。それだけだ。しかしキスの日を理由にキスをねだった手前、口実なしに改めてねだるのは少しばかり恥ずかしい。
「き、キス、してくれないんですか……」
「ああ。君が話していたキスの日は終わったからな」
「もう、意地悪言わないでください」
私が唇をきゅっと結ぶと、その唇を親指で沿うように触れられる。拗ねた私の機嫌を取るように。
「だが、年に一度のキスも趣があるとは思わんかね」
「……一年に一回しかあなたとキスできないなんて、絶対に嫌です」
私は機嫌を損ねたままサカキさんに唇を寄せると、彼はフッ、と息を吐くように笑って、私のキスを受け入れた。