バド×夢主
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ねえ、バドさんってどんな人と付き合ってたの?」
お昼時。木のお皿に乗ったおにぎりと卵焼きを目の前にふとした質問を投げかけると、バドさんはわざとらしく宙へと視線を彷徨わせる。
「ンー?もう覚えてないなア」
「もう、いっつもそう。そうやって誤魔化すんだから」
「ほんとだゾ?」
バドさんはおにぎりを頬張りながら、白々しくそう嘯く。
「でもさ、バドさんにも忘れられない人くらいいるでしょ?」
卵焼きをつまみながらそう聞くと、バドさんは少しだけ目を細めた。
「さあ、いたかナ」
「……寂しくなったり、虚しくなったり、恋しくなったり、しないの?」
またふらりととぼけるバドさんを逃がさないように、そう問いかける。
私は、するから。寂しくなったり、虚しくなったり、恋しくなったり。好きだけじゃどうにもならなかった恋があった。苦しめてばかりで、泣いてばかりで。確かに幸せだったのに、温かかったのに、彼の手を放さないと決めたのに。
別れたばかりの恋人のことを思い出すと、いつも思考が停止する。そのままぼんやりとおにぎりを見つめていると、バドさんの大きな手のひらが視界に映る。
「いらないのカ?」
「んー……」
センチメンタルな心情と、また誤魔化されてしまった返答に少しの苛立ちを感じた私は、バドさんの手のひらをギュッと握った。
「この、このっ」
バドさんの指を掴んだり、手のひらを握力で潰そうとしてみたり、ツボを押してみたり。それでもビクともしない大きな手のひらに負けを感じて、飽き始めた時だった。
「……まあ、今はキミがいるからネ」
「え、」
ばちりと目が合う。
バドさんは相変わらずおにぎりを頬張っている。
「毎日賑やかで仕方ないヨ」
「ああ、そういう……」
一瞬私に恋をしているのかと勘違いしそうになった私は、恥ずかしさを誤魔化す為に大口を開けておにぎりにかぶりついた。
「おオ。いい食べっぷりダ」
笑うバドさんを横目に、半ばヤケでおにぎりを食べ進める。
結局バドさんの恋については何一つわからなかったけれど、少しだけ心の霧が晴れた気がした。
お昼時。木のお皿に乗ったおにぎりと卵焼きを目の前にふとした質問を投げかけると、バドさんはわざとらしく宙へと視線を彷徨わせる。
「ンー?もう覚えてないなア」
「もう、いっつもそう。そうやって誤魔化すんだから」
「ほんとだゾ?」
バドさんはおにぎりを頬張りながら、白々しくそう嘯く。
「でもさ、バドさんにも忘れられない人くらいいるでしょ?」
卵焼きをつまみながらそう聞くと、バドさんは少しだけ目を細めた。
「さあ、いたかナ」
「……寂しくなったり、虚しくなったり、恋しくなったり、しないの?」
またふらりととぼけるバドさんを逃がさないように、そう問いかける。
私は、するから。寂しくなったり、虚しくなったり、恋しくなったり。好きだけじゃどうにもならなかった恋があった。苦しめてばかりで、泣いてばかりで。確かに幸せだったのに、温かかったのに、彼の手を放さないと決めたのに。
別れたばかりの恋人のことを思い出すと、いつも思考が停止する。そのままぼんやりとおにぎりを見つめていると、バドさんの大きな手のひらが視界に映る。
「いらないのカ?」
「んー……」
センチメンタルな心情と、また誤魔化されてしまった返答に少しの苛立ちを感じた私は、バドさんの手のひらをギュッと握った。
「この、このっ」
バドさんの指を掴んだり、手のひらを握力で潰そうとしてみたり、ツボを押してみたり。それでもビクともしない大きな手のひらに負けを感じて、飽き始めた時だった。
「……まあ、今はキミがいるからネ」
「え、」
ばちりと目が合う。
バドさんは相変わらずおにぎりを頬張っている。
「毎日賑やかで仕方ないヨ」
「ああ、そういう……」
一瞬私に恋をしているのかと勘違いしそうになった私は、恥ずかしさを誤魔化す為に大口を開けておにぎりにかぶりついた。
「おオ。いい食べっぷりダ」
笑うバドさんを横目に、半ばヤケでおにぎりを食べ進める。
結局バドさんの恋については何一つわからなかったけれど、少しだけ心の霧が晴れた気がした。
2/2ページ