カブ×夢主
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「僕はいつだって、きみの幸せを願ってるよ」
そう言って、私の告白を断ったカブさん。
カブさんは、何もわかってない。私の幸せはカブさんがいないと成り立たないというのに。
私は唇を噛み締めながら、暗い夜道をぼんやりと歩く。
この道を、カブさんと二人手を繋いで歩けたら幸せだったのにな……
叶わない夢を思い浮かべながら狭くて暗い路地を通り過ぎた、その時だった。いきなり腕を引っ張られて驚いて振り向くと、二人の知らない男がこちらを見下ろしていた。
目立つ金髪を固め、耳や唇にはたくさんのピアス。いかにも遊んでいそうなその見た目に身構えるが、カブさんに振られた今、もうどうでもいいかと目の前の男達の声に耳を傾ける。
「お姉さん、俺達と遊ぼうよ」
「……いいですよ」
私は男の腕に導かれるように、路地裏へと足を踏み入れる。
「カラテアくん、そっちは行き止まりだよ」
しかし聞き慣れた優しい声に呼び止められ、その場を踏み留まった。
「かぶ、さん……?」
思い当たる名前を呼びながら後ろを振り向くと、やはりカブさんだった。
どうして。そう呟こうとしたけれど、あまりの困惑に喉が閉じて出てこない。すると、カブさんがこちらを真っ直ぐに見据えて、語りかけてくる。
「この人達は、きみを幸せにしてくれるのかい?」
「……カブさんには関係ないじゃないですか」
やっと絞り出した言葉を吐き捨てて、そのまま振り切ろうとする。けれど、すぐに腕を掴まれてしまい動けない。
「カラテアくんには誰よりも幸せになってほしいんだ」
「だったら、どうして……!!」
「なんだこのジジイ!!」
男に邪魔され私の言葉は途切れるが、カブさんに引き寄せられて男達とは二歩半ほどの距離が空く。
「おいヤンチャム!やっちまえ!」
「行け!マッスグマ!」
男達はそれぞれボールを投げてポケモンを繰り出した。カブさんがジムリーダーの一人だとは知らずに。
「コータス、じしんで威嚇。怪我はさせないでね」
カブさんは軽くボールを投げてコータスを呼び出すと、コータスは飛び出した勢いで前足を思い切り地面に叩きつけ、そのまま地面を断裂する。
「おわっ!なんだ!?」
真っ直ぐに伸びた亀裂は二股に別れ、私達と男達の間を割くようにして広がった。
その様子にヤンチャムとマッスグマはすっかり怯み、男達の後ろに隠れてしまう。
「おい、ヤンチャム!行け!行けってば!……クソ!」
「おい、この爺さんもしかして、エンジンシティのジムリーダーじゃ……」
「今更気づいたのかい?」
その言葉に青ざめた男達は慌ててポケモンをボールに戻し、走って逃げて行ってしまった。
「コータス、ありがとう」
カブさんはお礼を言って、コータスをボールに戻す。
「あの、」
「僕じゃ、きみを幸せにできないと思ったんだ」
私が疑問を投げかける前に、話し始めるカブさん。
「カラテアくんを誰よりも幸せにしてくれる他の人に託そう。そんな思いに囚われていた。なのにきみは僕の思いとは裏腹に、街荒らしで評判の男達に着いて行こうとする」
「……もうどうでもいいって、思ったんです。カブさんがそばに居てくれないなら、なんだって同じだって」
「うん、ごめんね……でも、間に合って良かった」
カブさんはそう呟くと、私の頬を撫でてから、私の身体を優しく抱き締めた。
「カラテアくんがそこまで僕なんかを望んでくれるなら、僕はきみのそばを離れない。もう二度と」
不器用な人の、不器用な告白。
少し遠回りしてしまったけれど、もう間違えない。
「カブさん、好きです、大好きです」
「うん。僕もきみのことが大好きだ」
私は世界でたった一人、この人にだけ幸せにしてもらいたいし、この人と一緒に幸せになりたい。そう強く心に思う。
私はカブさんの温もりに包まれながら、自分もその温かさを返そうと、力の限り抱き締め返した。
そう言って、私の告白を断ったカブさん。
カブさんは、何もわかってない。私の幸せはカブさんがいないと成り立たないというのに。
私は唇を噛み締めながら、暗い夜道をぼんやりと歩く。
この道を、カブさんと二人手を繋いで歩けたら幸せだったのにな……
叶わない夢を思い浮かべながら狭くて暗い路地を通り過ぎた、その時だった。いきなり腕を引っ張られて驚いて振り向くと、二人の知らない男がこちらを見下ろしていた。
目立つ金髪を固め、耳や唇にはたくさんのピアス。いかにも遊んでいそうなその見た目に身構えるが、カブさんに振られた今、もうどうでもいいかと目の前の男達の声に耳を傾ける。
「お姉さん、俺達と遊ぼうよ」
「……いいですよ」
私は男の腕に導かれるように、路地裏へと足を踏み入れる。
「カラテアくん、そっちは行き止まりだよ」
しかし聞き慣れた優しい声に呼び止められ、その場を踏み留まった。
「かぶ、さん……?」
思い当たる名前を呼びながら後ろを振り向くと、やはりカブさんだった。
どうして。そう呟こうとしたけれど、あまりの困惑に喉が閉じて出てこない。すると、カブさんがこちらを真っ直ぐに見据えて、語りかけてくる。
「この人達は、きみを幸せにしてくれるのかい?」
「……カブさんには関係ないじゃないですか」
やっと絞り出した言葉を吐き捨てて、そのまま振り切ろうとする。けれど、すぐに腕を掴まれてしまい動けない。
「カラテアくんには誰よりも幸せになってほしいんだ」
「だったら、どうして……!!」
「なんだこのジジイ!!」
男に邪魔され私の言葉は途切れるが、カブさんに引き寄せられて男達とは二歩半ほどの距離が空く。
「おいヤンチャム!やっちまえ!」
「行け!マッスグマ!」
男達はそれぞれボールを投げてポケモンを繰り出した。カブさんがジムリーダーの一人だとは知らずに。
「コータス、じしんで威嚇。怪我はさせないでね」
カブさんは軽くボールを投げてコータスを呼び出すと、コータスは飛び出した勢いで前足を思い切り地面に叩きつけ、そのまま地面を断裂する。
「おわっ!なんだ!?」
真っ直ぐに伸びた亀裂は二股に別れ、私達と男達の間を割くようにして広がった。
その様子にヤンチャムとマッスグマはすっかり怯み、男達の後ろに隠れてしまう。
「おい、ヤンチャム!行け!行けってば!……クソ!」
「おい、この爺さんもしかして、エンジンシティのジムリーダーじゃ……」
「今更気づいたのかい?」
その言葉に青ざめた男達は慌ててポケモンをボールに戻し、走って逃げて行ってしまった。
「コータス、ありがとう」
カブさんはお礼を言って、コータスをボールに戻す。
「あの、」
「僕じゃ、きみを幸せにできないと思ったんだ」
私が疑問を投げかける前に、話し始めるカブさん。
「カラテアくんを誰よりも幸せにしてくれる他の人に託そう。そんな思いに囚われていた。なのにきみは僕の思いとは裏腹に、街荒らしで評判の男達に着いて行こうとする」
「……もうどうでもいいって、思ったんです。カブさんがそばに居てくれないなら、なんだって同じだって」
「うん、ごめんね……でも、間に合って良かった」
カブさんはそう呟くと、私の頬を撫でてから、私の身体を優しく抱き締めた。
「カラテアくんがそこまで僕なんかを望んでくれるなら、僕はきみのそばを離れない。もう二度と」
不器用な人の、不器用な告白。
少し遠回りしてしまったけれど、もう間違えない。
「カブさん、好きです、大好きです」
「うん。僕もきみのことが大好きだ」
私は世界でたった一人、この人にだけ幸せにしてもらいたいし、この人と一緒に幸せになりたい。そう強く心に思う。
私はカブさんの温もりに包まれながら、自分もその温かさを返そうと、力の限り抱き締め返した。