wild police story
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「特殊事件捜査係・・・SIT(シット)ですか・・・」
「そうだ、この間親父さんの誘拐事件を解決したときに対応した刑事がいただろう・・・その刑事が素質があると言っていてな・・・是非スカウトしたいと言っているそうだ。」
体育祭も終わっていつも通りの教場が戻ってきた頃、鬼塚教官に呼び出された。
この短期間にあったあんな事やこんな事についてのお叱りかと思いきや意外な言葉が返ってくる。
特殊事件捜査係、通称SITとは警視庁の刑事部に設置されている部署の一つで主に誘拐や立てこもりなどの人質救出などを行う特殊部隊である。
犯人の制圧に重点を置く警備部のSATとは違い、SITは捜査や交渉などを駆使して犯人を生きたまま確保する事に重点を置いている部隊・・・能力はさておいて、素直に自分に合っている部署だといえる。
「だが、SITの所属する刑事部に配属されるには他の部署で数年経験を積んだ後試験などを受ける必要がある。それで、だ・・彼はお前がもし希望するなら警備部機動隊へ推薦すると言っている。」
「私を機動隊に推薦、ですか・・・」
「そう焦って決めなくていい。じっくり考える事だ。」
「・・・はい。失礼いたします。」
そう言って私はお辞儀をしてから教官室を後にしたのだった。
自習室へ戻ろうと廊下を歩く途中にも先程の話の事を考えてしまう。
私が機動隊に・・・確かに、訓練と経験を積んだ上で刑事になるなら今はそれが近道だけど・・・
そう思いながら歩いていると、曲がり角で誰かとぶつかってしまった。
反動で後ろに倒れそうになるが、ぶつかった相手が腕を掴んでくれたお陰で尻餅をつくことはなかった。
「す、すみません!!」
「大丈夫~?・・・ってサクラちゃんじゃん!」
「萩原君!」
慌てて謝罪の言葉を口にしながら顔を上げるとそこには同じく驚きの表情をしている萩原君が立っていた。
いつもは女の子か松田と一緒にいる事の多い彼だが、今日は見たところ1人のようだ。
萩原君はゆっくりと私を引き寄せて体を起こしてくれた。
「ごめんね、俺前見てなくてさぁ~」
「ううん、こっちこそちゃんと前見てなかった・・・ごめんね!」
「怪我してない?」と言いながら心配そうに顔を覗き込んでくる彼に大丈夫だと返すとホッとしたような表情をした。
何だか最近彼に心配されっぱなしな気がする。
そのまま2人で一緒に歩き始めると、彼は思い出したように口を開いた。
「何か考え事でもしてた?相談のるよ?」
「うーん、言って良いのかどうなのか・・・」
「あらら?結構深刻な感じ?」
「そうじゃないんだけど・・・」
そう言えば彼も松田と共に機動隊の爆弾処理班にスカウトされてたな・・・という事を思い出した。
本人から聞いていなかったので噂程度だったが、結局萩原君はどうするのだろうか・・・
そう思っていると話してしまおうという気持ちになったのだ。
だから思い切って今考えていた事を打ち明ける事にした。
それを聞いた瞬間の彼は目を大きく見開いて暫くフリーズした後、顎に手を当て何かを考え込む仕草をする。
「へぇ・・・SITねぇ・・・サクラちゃんちゃんはその話受けるの?」
「まだ何も考えて無くて・・・まぁ、とりあえず機動隊を勧められたんだけど・・・」
「サクラちゃんが本当に入りたいなら、それで俺はいいと思うけどね・・・」
てっきり彼の事だから「危ないから辞めた方が良い」とか言うのかと思っていたが、意外にも肯定的な意見が返ってきて驚いた。
そんな私の表情を読み取ったのだろう、萩原君が苦笑しながら言った。
「俺は別に反対はしないよ。だってそれはサクラちゃんが自分で決めたことだからね。」
「萩原君は爆弾処理班に入るの?」
「まぁそのつもりかな。」
「・・・怖くないの?」
思わず問いかけると萩原君はピタッと歩みを止めた。そしてこちらを振り向くとにっこりと微笑んでこう言ったのだ。
「俺も、陣平ちゃんに同じ事聞いたなぁ・・・って思ってさ。」
「松田に?」
「陣平ちゃんは怖くないのかーって・・・そしたらアイツ、"怖くねぇつったら嘘になるけど、俺には元々アクセルしかついてねーから"だってさ・・・ほんとかっこいいよね・・・俺だって怖いけど・・・たまには陣平ちゃんみたいにアクセル踏んでみるのも悪くないと思ってさ・・・」
萩原君の表情はとても穏やかで、心の底から松田という親友を尊敬しているんだと言う事が伝わってきた。
きっと彼らにとってはお互いの存在が支えになっているんだろうと思うし、これからもずっとそうあり続けるんだろうなと思った。
なんだか羨ましく感じてしまうほど、彼らは強い絆で結ばれているように思えた。
そんな私の考えを読み取ったのか、萩原君は優しく微笑みながら口を開く。
「俺はサクラちゃんだって尊敬してるんだぜ?」
「え!?」
驚いて声を上げる私に彼はクスクスと笑った後、ゆっくりと頷いた。
「逮捕術もめちゃくちゃ強いし、勉強も出来るし、判断力も高いし度胸もあるし・・・あと、陣平ちゃんに気に入られてる所とかね。」
「そ、そんな凄くない・・・って、何で松田が出てくるの!?」
そう言うと彼は少し悪戯っぽく笑って見せた後、ゆっくりと歩き始める。
「ほら!早くしないと置いて行っちゃうよー!」
「え?ちょっと、萩原君!」
あ、はぐらかされた・・・と思いながらも急いで彼を追いかけたのだった。
萩原君と別れてその足で資料室へ向かうと、警察の役割が事細かにのっている組織図を卓上に広げる。
昔、私を助けてくれた毛利さんは捜査一課強行犯係だったが、そこは主に傷害や殺人の事件を取り扱う役割。
むしろ今スカウトを受けている特殊事件捜査係が誘拐、立てこもり、爆破事件などを担当している。
ずっと毛利さんのような刑事になりたいと思い続けてきたが、考えれば考えるほどこれで正解なのかと疑問が出てきてしまうのも事実だ。
そんな事を考えながら組織図を見ていると後ろから声をかけられた。
「サクラ、どうしたんだこんな所で・・・」
「あ、ゼロ・・・」
「なんだ、組織図見てたのか・・・どこかからスカウトでもされたか?」
彼は冗談めいた様にそう言うと私の手から紙を取るとまじまじとそれを眺めた。
その様子を眺めながら私は小さく「うん。」と返す。すると彼は自分で言って癖に驚いたように目を見開いた。
「ホントか・・・!どこに・・・」
「SIT。」
「なるほどな・・・この間の事件解決が評価されたのか・・・確かに、お前なら向いてるんじゃないか?」
そう言って彼はふっと微笑んだ。ゼロならそう言ってくれる気がしていたので、そんな彼を見て私も自然と笑みが浮かぶ。
「で、なんでスカウトって思ったの?もしかしてゼロもスカウトされたくち?」
「・・・あぁ、僕も先日打診を受けたところだ。」
「どこだか聞いても良い?」
「まだ誰にも言ってないから黙っておいて欲しいんだけど・・・」
そう言ってゼロの口から飛び出した名前に私は思わず椅子から転げ落ちそうになった。
「け、警察庁・・・!?」
「あぁ、驚いただろ?」
ニヤリと笑いながらそう言う彼に、驚きのあまり言葉が出ない私。
それもそのはず・・・警察庁は警視庁と違って全国の警察をまとめる組織で、キャリアと呼ばれる国家公務員採用試験を合格した人達だけが配属されるエリート中のエリートが集まる場所なのだ。
私達のような、所謂ノンキャリアでは到底入る事が出来ない様な場所だ。
「そんな事ってあるんだね・・・ゼロってホントに優秀・・・」
「僕はただ必死だっただけだよ。」
「それでも凄いよ・・・そっかぁ、じゃあゼロとは離れちゃうね・・・」
私がしょんぼりしながらそう言うと、ゼロは少し困ったような表情を見せた後口を開いた。
「いや、どこにいても正義の心が同じなら僕たちは繋がっている。」
その言葉にハッと顔を上げると、彼が優しく微笑んでいるのが見えた。
その表情はとても温かく、まるで私の心を見透かしているように感じたのだ。
「そうだね。」
「あぁ、だからサクラはサクラの信じる道を行くんだ。」
そうだ、どこの部署だって志が同じなら私はなりたい自分になれる。
「ありがとう、ゼロ。」
「ああ。」
笑顔でお礼を言うと彼もまた微笑み返してくれたのだった。
「そうだ、この間親父さんの誘拐事件を解決したときに対応した刑事がいただろう・・・その刑事が素質があると言っていてな・・・是非スカウトしたいと言っているそうだ。」
体育祭も終わっていつも通りの教場が戻ってきた頃、鬼塚教官に呼び出された。
この短期間にあったあんな事やこんな事についてのお叱りかと思いきや意外な言葉が返ってくる。
特殊事件捜査係、通称SITとは警視庁の刑事部に設置されている部署の一つで主に誘拐や立てこもりなどの人質救出などを行う特殊部隊である。
犯人の制圧に重点を置く警備部のSATとは違い、SITは捜査や交渉などを駆使して犯人を生きたまま確保する事に重点を置いている部隊・・・能力はさておいて、素直に自分に合っている部署だといえる。
「だが、SITの所属する刑事部に配属されるには他の部署で数年経験を積んだ後試験などを受ける必要がある。それで、だ・・彼はお前がもし希望するなら警備部機動隊へ推薦すると言っている。」
「私を機動隊に推薦、ですか・・・」
「そう焦って決めなくていい。じっくり考える事だ。」
「・・・はい。失礼いたします。」
そう言って私はお辞儀をしてから教官室を後にしたのだった。
自習室へ戻ろうと廊下を歩く途中にも先程の話の事を考えてしまう。
私が機動隊に・・・確かに、訓練と経験を積んだ上で刑事になるなら今はそれが近道だけど・・・
そう思いながら歩いていると、曲がり角で誰かとぶつかってしまった。
反動で後ろに倒れそうになるが、ぶつかった相手が腕を掴んでくれたお陰で尻餅をつくことはなかった。
「す、すみません!!」
「大丈夫~?・・・ってサクラちゃんじゃん!」
「萩原君!」
慌てて謝罪の言葉を口にしながら顔を上げるとそこには同じく驚きの表情をしている萩原君が立っていた。
いつもは女の子か松田と一緒にいる事の多い彼だが、今日は見たところ1人のようだ。
萩原君はゆっくりと私を引き寄せて体を起こしてくれた。
「ごめんね、俺前見てなくてさぁ~」
「ううん、こっちこそちゃんと前見てなかった・・・ごめんね!」
「怪我してない?」と言いながら心配そうに顔を覗き込んでくる彼に大丈夫だと返すとホッとしたような表情をした。
何だか最近彼に心配されっぱなしな気がする。
そのまま2人で一緒に歩き始めると、彼は思い出したように口を開いた。
「何か考え事でもしてた?相談のるよ?」
「うーん、言って良いのかどうなのか・・・」
「あらら?結構深刻な感じ?」
「そうじゃないんだけど・・・」
そう言えば彼も松田と共に機動隊の爆弾処理班にスカウトされてたな・・・という事を思い出した。
本人から聞いていなかったので噂程度だったが、結局萩原君はどうするのだろうか・・・
そう思っていると話してしまおうという気持ちになったのだ。
だから思い切って今考えていた事を打ち明ける事にした。
それを聞いた瞬間の彼は目を大きく見開いて暫くフリーズした後、顎に手を当て何かを考え込む仕草をする。
「へぇ・・・SITねぇ・・・サクラちゃんちゃんはその話受けるの?」
「まだ何も考えて無くて・・・まぁ、とりあえず機動隊を勧められたんだけど・・・」
「サクラちゃんが本当に入りたいなら、それで俺はいいと思うけどね・・・」
てっきり彼の事だから「危ないから辞めた方が良い」とか言うのかと思っていたが、意外にも肯定的な意見が返ってきて驚いた。
そんな私の表情を読み取ったのだろう、萩原君が苦笑しながら言った。
「俺は別に反対はしないよ。だってそれはサクラちゃんが自分で決めたことだからね。」
「萩原君は爆弾処理班に入るの?」
「まぁそのつもりかな。」
「・・・怖くないの?」
思わず問いかけると萩原君はピタッと歩みを止めた。そしてこちらを振り向くとにっこりと微笑んでこう言ったのだ。
「俺も、陣平ちゃんに同じ事聞いたなぁ・・・って思ってさ。」
「松田に?」
「陣平ちゃんは怖くないのかーって・・・そしたらアイツ、"怖くねぇつったら嘘になるけど、俺には元々アクセルしかついてねーから"だってさ・・・ほんとかっこいいよね・・・俺だって怖いけど・・・たまには陣平ちゃんみたいにアクセル踏んでみるのも悪くないと思ってさ・・・」
萩原君の表情はとても穏やかで、心の底から松田という親友を尊敬しているんだと言う事が伝わってきた。
きっと彼らにとってはお互いの存在が支えになっているんだろうと思うし、これからもずっとそうあり続けるんだろうなと思った。
なんだか羨ましく感じてしまうほど、彼らは強い絆で結ばれているように思えた。
そんな私の考えを読み取ったのか、萩原君は優しく微笑みながら口を開く。
「俺はサクラちゃんだって尊敬してるんだぜ?」
「え!?」
驚いて声を上げる私に彼はクスクスと笑った後、ゆっくりと頷いた。
「逮捕術もめちゃくちゃ強いし、勉強も出来るし、判断力も高いし度胸もあるし・・・あと、陣平ちゃんに気に入られてる所とかね。」
「そ、そんな凄くない・・・って、何で松田が出てくるの!?」
そう言うと彼は少し悪戯っぽく笑って見せた後、ゆっくりと歩き始める。
「ほら!早くしないと置いて行っちゃうよー!」
「え?ちょっと、萩原君!」
あ、はぐらかされた・・・と思いながらも急いで彼を追いかけたのだった。
萩原君と別れてその足で資料室へ向かうと、警察の役割が事細かにのっている組織図を卓上に広げる。
昔、私を助けてくれた毛利さんは捜査一課強行犯係だったが、そこは主に傷害や殺人の事件を取り扱う役割。
むしろ今スカウトを受けている特殊事件捜査係が誘拐、立てこもり、爆破事件などを担当している。
ずっと毛利さんのような刑事になりたいと思い続けてきたが、考えれば考えるほどこれで正解なのかと疑問が出てきてしまうのも事実だ。
そんな事を考えながら組織図を見ていると後ろから声をかけられた。
「サクラ、どうしたんだこんな所で・・・」
「あ、ゼロ・・・」
「なんだ、組織図見てたのか・・・どこかからスカウトでもされたか?」
彼は冗談めいた様にそう言うと私の手から紙を取るとまじまじとそれを眺めた。
その様子を眺めながら私は小さく「うん。」と返す。すると彼は自分で言って癖に驚いたように目を見開いた。
「ホントか・・・!どこに・・・」
「SIT。」
「なるほどな・・・この間の事件解決が評価されたのか・・・確かに、お前なら向いてるんじゃないか?」
そう言って彼はふっと微笑んだ。ゼロならそう言ってくれる気がしていたので、そんな彼を見て私も自然と笑みが浮かぶ。
「で、なんでスカウトって思ったの?もしかしてゼロもスカウトされたくち?」
「・・・あぁ、僕も先日打診を受けたところだ。」
「どこだか聞いても良い?」
「まだ誰にも言ってないから黙っておいて欲しいんだけど・・・」
そう言ってゼロの口から飛び出した名前に私は思わず椅子から転げ落ちそうになった。
「け、警察庁・・・!?」
「あぁ、驚いただろ?」
ニヤリと笑いながらそう言う彼に、驚きのあまり言葉が出ない私。
それもそのはず・・・警察庁は警視庁と違って全国の警察をまとめる組織で、キャリアと呼ばれる国家公務員採用試験を合格した人達だけが配属されるエリート中のエリートが集まる場所なのだ。
私達のような、所謂ノンキャリアでは到底入る事が出来ない様な場所だ。
「そんな事ってあるんだね・・・ゼロってホントに優秀・・・」
「僕はただ必死だっただけだよ。」
「それでも凄いよ・・・そっかぁ、じゃあゼロとは離れちゃうね・・・」
私がしょんぼりしながらそう言うと、ゼロは少し困ったような表情を見せた後口を開いた。
「いや、どこにいても正義の心が同じなら僕たちは繋がっている。」
その言葉にハッと顔を上げると、彼が優しく微笑んでいるのが見えた。
その表情はとても温かく、まるで私の心を見透かしているように感じたのだ。
「そうだね。」
「あぁ、だからサクラはサクラの信じる道を行くんだ。」
そうだ、どこの部署だって志が同じなら私はなりたい自分になれる。
「ありがとう、ゼロ。」
「ああ。」
笑顔でお礼を言うと彼もまた微笑み返してくれたのだった。
