ホウエン地方
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その次の日、あまりにフリードが普通に接するものだから、あれは夢だったのではと錯覚してしまう。
というか、巨大ニドリーナの事も含めて全て夢だったのでは。
私は朝食の時にプリンを食べて、マードックに感想を伝えると喜んでくれた。
実は謎のもう1人のメンバーというのは、マードックの姪っ子さんらしい。
ドットという子で、部屋でずっと過しているのだとか。そして、驚く程に食に無頓着で、食べるものと言えば栄養補給用のグミばかりなのだとか…
「だからマードックは美味しい料理の開発をしてるんだね。」
「ああ、あの子の食べてくれる料理を作りたいんだ。」
マードックは十分料理が上手なのに努力家だと思っていたが、そういう理由があったのか。
誰かの為に頑張るって何だか感動してしまう。
だけど、いつもいつもみんなの為に料理を作ってしんどくはないのだろうか。
私に料理の才能があればマードックを休ませて上げることが出来るのだが、生憎私は食べる専門…料理スキルはほぼ皆無。
何か私にも出来ることは無いだろうか…
そう考えていると、これから向かうムロタウンのニュース記事が私の目に飛び込んできた。
[ムロタウンの釣り大会!優勝賞品は三ツ星レストランの団体お食事券!]
「これだ!」
「どれ?」
「わっ!オリオ!!」
急に背後から話しかけられて驚いてしまった。
振り返るとこちらを興味深そうに見ているオリオと目が合った。
「ユイって釣りに興味あったんだ。」
「そっちじゃなくて、優勝賞品!」
「お食事券…ユイってホントに食いしんぼ」「違う違う!」
揶揄うオリオを制して先程の理由を伝えると、何とか納得してくれたみたいだ。
やはりみんないつもご飯を作ってくれているマードックには感謝している様で、釣り大会の話はマードック以外に瞬く間に広がり、結局全員参加をすることになった。
そういえば、この世界の釣りはどんな感じなのだろうとスマホロトムでけんさくする。
当然撒き餌や付け餌と言う概念は無くルアーでの釣りが主流の様だ。
大会で道具の貸出しがあるそうなので、その辺の心配は要らないとの事。
そうこう調べているうちに、105番、106番水道を超えて見えたのは青い海に浮かぶ小さな町。
ムロタウンだ。
ブレイブアサギ号を船着き場に停泊させてもらい、私達は釣り大会の準備を進めた。
のだが…ランドウさんはのんびり1人で釣りがしたいらしく、船に残り。
暑すぎてダウンしているポケモンもいるのでモリーが残り、さらにこの暑さで船の整備も必要との事でオリオも残り…
結局大会に出るのは私とフリードの2人だけとなった。キャップとワシボンも応援で着いてきてくれるらしい。
「みんなの分も頑張るから!」
よろしくねー!頑張ってー、と見送られ、私とフリードは釣り大会へ向かった。
会場に到着すると、流石釣りの名所なだけあって多くの釣り人で賑わっていた。
「参加者多いね・・・」
「ま、なんとかなるだろ!」
まずは釣り具選びからだ。
会場でレンタル出来るようでテントの中にはずらりと竿やルアーが並んでいた。
ユイはあまり興味がないだろうと思っていたが、一つ一つじっくり選んでいる。
意外と釣りには興味があるのかもしれない。
オレがぱぱっと自分の使用する道具を選び終えてもまだユイは考え込んでいる。
バトルの時とは真逆の優柔不断に思わず笑みが零れる。
怖い物知らずだと思っていたらホラーは苦手だったり、見た目以上によく食べたり。本当にユイは見ていて飽きない。
そう考えているうちにユイの道具も決まったようだ。
「バスラオのルアーにしたのか!」
「これ、形が大物狙えそうだったから。」
「そういうのがあるのか?」
「うん。あんまり詳しくないけどね。狙いはアズマオウくらいかなー。」
そう言いながら竿を素振りしてみせる。
経験者なのか中々様になっている。
この辺りで釣れるポケモンを聞かれたので答えると、ユイは食い入るように話を聞いてくれる。
こいつは本当にポケモンが好きなんだな。
どうせすぐ獲物はかからないんだ。この際ユイに色々質問でもしてみるか。
釣れるかどうかは置いておいて、家族の影響で子供の頃から釣りにはかなり行く方だった。
社会人になってからは忙しくて行くことはなかったが・・・お食事券の事もあるが、実は久々の釣りも凄く楽しみだったりする。
防波堤の沖側は沢山人がいて場所が取れなかったので程良い所でフリードと並んで場所を取る。
付け餌がないならルアーをずっと動かすしかないかな。
ルアーを投げて、リールを巻いて、またルアーを投げて・・・はっ・・・と隣で釣りをしているフリードを見るとぽかんとした顔でこちらを見ていた。
そんなガチな釣り方をしているのは釣り人トレーナーと私くらいだった。
「あ、あの、遠くに投げて巻くと、ルアーが小魚みたいに動くから沖の大物を狙えて・・えっと・・・自分が動き出さないと始まらないと言うか・・・」
私が恥ずかしそうにどもっていると、フリードはぽかんと固まってしまった。
やっぱり引かれた?オロオロしていると、フリードは急に「わかった!」と笑った。一体何を思っていたのだろう。
「じゃ、早速やってみるか。教えてくれないか?」
「う、うん!」
フリードに何かを教えるなんて初めてだ。少し緊張してしまう。
「まず、投げるとき、指はここを抑えて。投げる瞬間に離す。力任せじゃなくて、遠心力を使って投げるんだよ。」
「おう!」
フリードは言われたとおりにルアーを投げる。投げたルアーが弧を描き、海へと吸い込まれていく。私の始めての時より上手かもしれない。
「それから、ゆっくり巻いて、途中で止めて、またゆっくり巻く。焦っちゃダメだよ。」
「お、おお!」
「あと、いきなり大きな動きをすると、ルアーが外れちゃうから、最初は小さく動かして慣れてから大きくするといいよ。」
「こうか!・・・お?」
「来たかも!」
竿の先がブルブルと反応し始めた。ルアーに何か食いついた証拠だ。
「引っかかったら、一気に巻く!」
リールを巻き切って竿を上げると、ルアーに食いついたトサキントが海から飛び出してきた。
初あたりにキャップもワシボンも喜んでいる。
「おおお!」
「いきなり釣れるなんて、すごいよフリード!」
「いや、ユイの教え方が良かったんだ!ありがとう!」
「う、うん!」
フリードに褒められて、つい照れてしまう。
よし、私も負けられない。
どうやら私達が釣りをしている位置にトサキントの群れが来ていたようでそこからは面白いくらいポンポン釣れた。
勿論、釣ったポケモン達は大きさを測ったら、美味しいきのみを食べた後に海へと帰されるシステムらしい。
他にアズマオウを釣ってる人も見受けられたので、今のところ一番はその人なのだろう。フリードにもだけど、マードックの為にも他の人達には負けられない!
その後も釣りを続けたが、魚群が去ったのか、周りも私達もあたりが少なくなってしまった。
暫く、休憩と言う事で竿は海に垂らしたまま立てかけて、座りながら海を眺めた。
「ユイが釣りに詳しいなんて、ビックリしたな。」
「良く家族で釣りに来てたんだよね。結構昔だけど・・・」
「へぇ、ユイの家族か、会ってみたいな。」
そう言うとユイの顔が一瞬曇った様に見えたが、すぐに笑って答える。
「・・・そうだね。いつかあって欲しいな。」
ひょっとして、何か訳ありなのだろうか。
先程のユイの表情が余りにも悲しそうに感じられたので、もう家族の話題には触れないようにした。
「フリードってあんまり博士って感じじゃないよね。」
「まあ、じっとしているのも割に合わないしな。」
「白衣とか着てる姿が想像出来ないなあ・・・」
そうユイが言う物だから、白衣を着た自分の姿を想像して笑ってしまう。
「ユイこそ、思考は研究者、って感じなのに意外とアクティブだよな。」
ポケモンの技を研究したり、本や論文を熱心に読んでいると思ったら、崖から飛び降りたり、海に落ちたり、ポケモンと天井によじ登ったり・・・ユイの思考論理を事を考えるだけでも暫くはかかりそうだ。
「実際見てみないと分からないこともあるって気付いたから。」
そう言ったユイの瞳は真っ直ぐにオレを捕らえる。その強い眼差しに思わず息を呑む。
「それを教えてくれたのはフリードだけどね。」
「オレか?」
「そう。フリードがいなかったら、ライジングボルテッカーズの皆との出逢いも、ポケモン達との出逢いもなかった。」
そう言ってユイは笑う。その笑顔があまりにも綺麗で、思わず見とれてしまった。
「なんてね。」
そう言ってユイが立ち上がると丁度釣り竿が揺れる。
竿がしなって、ユイが慌てて竿を握る。
「わわっ!!」
相当引きが強いのか、ユイは海に引き込まれそうになる。
「ユイ!!しっかり持ってろ!!」
「フリード!」
後ろから抱きつくように竿を持ち、一緒に引く。
「大丈夫か?!」
「だ、だいじょぶ!」
そう言いつつユイは歯を食い縛る。かなり重たいポケモンだ。
せーので思いっきり引っ張り上げる。
「わぁっ!!!」
バシャンッと音を立てて水飛沫が上がると、大きな影か俺達の上にかかった。
「えええっ!!」
「ギャラドスだ!!」
釣り上げたのはなんと、きょうあくポケモンのギャラドスだった。
そのまま勢いでオレとユイは後ろへ尻餅をついた。
「いてっ。」
「ご、ごめんねフリード・・・」
「このくらい大丈夫だ。」
オレがそのまま下敷きになったのでユイに怪我はなかったようだ。
ゆっくり立ち上がると、今日一番の大物に会場が沸いていた。
今日の釣り大会は文句なしの俺達の優勝で見事、お食事券をゲットすることが出来た。
「釣りもなかなか面白いな。」
フリードは笑ってそう言ってくれる。
私ばかり楽しんでいないか心配だったが、そう言われて安心する。
「でしょ!今度はもっと大物釣ろうね!」
「ホエルオーでも釣るか!」
「そ、それは無理かも・・・」
そんな冗談も言いながら船へ戻る。
皆に優勝を報告してマードックにお食事券の話をすると、凄く喜んでくれた。
ドットにも声をかけようと思ったが、忙しいみたいで、出てくることはなかった。
「ドットはレアポケモンみたいなもんだからねー」
とオリオに言われてホッとする。
誰にでもそうみたいで、嫌われていたわけじゃなくて良かった、と小さく安堵する。
夕食を楽しんだ後はミーティングルームに集合し、明日の事を話し合う。
「明日は予定通り、ムロタウンの北にある石の洞窟へ調査に行く。」
「私も行く!」
「・・・まだ何も言ってないんだが・・・」
フリードが発言する前に大きく手を上げると、フリードから思わず苦笑いが飛び出す。
「決まりだな。」
フリードがそう言うようと、私は満足そうに笑う。
次はどんなポケモンに出会えるのだろうか。楽しみで仕方がなかった。
というか、巨大ニドリーナの事も含めて全て夢だったのでは。
私は朝食の時にプリンを食べて、マードックに感想を伝えると喜んでくれた。
実は謎のもう1人のメンバーというのは、マードックの姪っ子さんらしい。
ドットという子で、部屋でずっと過しているのだとか。そして、驚く程に食に無頓着で、食べるものと言えば栄養補給用のグミばかりなのだとか…
「だからマードックは美味しい料理の開発をしてるんだね。」
「ああ、あの子の食べてくれる料理を作りたいんだ。」
マードックは十分料理が上手なのに努力家だと思っていたが、そういう理由があったのか。
誰かの為に頑張るって何だか感動してしまう。
だけど、いつもいつもみんなの為に料理を作ってしんどくはないのだろうか。
私に料理の才能があればマードックを休ませて上げることが出来るのだが、生憎私は食べる専門…料理スキルはほぼ皆無。
何か私にも出来ることは無いだろうか…
そう考えていると、これから向かうムロタウンのニュース記事が私の目に飛び込んできた。
[ムロタウンの釣り大会!優勝賞品は三ツ星レストランの団体お食事券!]
「これだ!」
「どれ?」
「わっ!オリオ!!」
急に背後から話しかけられて驚いてしまった。
振り返るとこちらを興味深そうに見ているオリオと目が合った。
「ユイって釣りに興味あったんだ。」
「そっちじゃなくて、優勝賞品!」
「お食事券…ユイってホントに食いしんぼ」「違う違う!」
揶揄うオリオを制して先程の理由を伝えると、何とか納得してくれたみたいだ。
やはりみんないつもご飯を作ってくれているマードックには感謝している様で、釣り大会の話はマードック以外に瞬く間に広がり、結局全員参加をすることになった。
そういえば、この世界の釣りはどんな感じなのだろうとスマホロトムでけんさくする。
当然撒き餌や付け餌と言う概念は無くルアーでの釣りが主流の様だ。
大会で道具の貸出しがあるそうなので、その辺の心配は要らないとの事。
そうこう調べているうちに、105番、106番水道を超えて見えたのは青い海に浮かぶ小さな町。
ムロタウンだ。
ブレイブアサギ号を船着き場に停泊させてもらい、私達は釣り大会の準備を進めた。
のだが…ランドウさんはのんびり1人で釣りがしたいらしく、船に残り。
暑すぎてダウンしているポケモンもいるのでモリーが残り、さらにこの暑さで船の整備も必要との事でオリオも残り…
結局大会に出るのは私とフリードの2人だけとなった。キャップとワシボンも応援で着いてきてくれるらしい。
「みんなの分も頑張るから!」
よろしくねー!頑張ってー、と見送られ、私とフリードは釣り大会へ向かった。
会場に到着すると、流石釣りの名所なだけあって多くの釣り人で賑わっていた。
「参加者多いね・・・」
「ま、なんとかなるだろ!」
まずは釣り具選びからだ。
会場でレンタル出来るようでテントの中にはずらりと竿やルアーが並んでいた。
ユイはあまり興味がないだろうと思っていたが、一つ一つじっくり選んでいる。
意外と釣りには興味があるのかもしれない。
オレがぱぱっと自分の使用する道具を選び終えてもまだユイは考え込んでいる。
バトルの時とは真逆の優柔不断に思わず笑みが零れる。
怖い物知らずだと思っていたらホラーは苦手だったり、見た目以上によく食べたり。本当にユイは見ていて飽きない。
そう考えているうちにユイの道具も決まったようだ。
「バスラオのルアーにしたのか!」
「これ、形が大物狙えそうだったから。」
「そういうのがあるのか?」
「うん。あんまり詳しくないけどね。狙いはアズマオウくらいかなー。」
そう言いながら竿を素振りしてみせる。
経験者なのか中々様になっている。
この辺りで釣れるポケモンを聞かれたので答えると、ユイは食い入るように話を聞いてくれる。
こいつは本当にポケモンが好きなんだな。
どうせすぐ獲物はかからないんだ。この際ユイに色々質問でもしてみるか。
釣れるかどうかは置いておいて、家族の影響で子供の頃から釣りにはかなり行く方だった。
社会人になってからは忙しくて行くことはなかったが・・・お食事券の事もあるが、実は久々の釣りも凄く楽しみだったりする。
防波堤の沖側は沢山人がいて場所が取れなかったので程良い所でフリードと並んで場所を取る。
付け餌がないならルアーをずっと動かすしかないかな。
ルアーを投げて、リールを巻いて、またルアーを投げて・・・はっ・・・と隣で釣りをしているフリードを見るとぽかんとした顔でこちらを見ていた。
そんなガチな釣り方をしているのは釣り人トレーナーと私くらいだった。
「あ、あの、遠くに投げて巻くと、ルアーが小魚みたいに動くから沖の大物を狙えて・・えっと・・・自分が動き出さないと始まらないと言うか・・・」
私が恥ずかしそうにどもっていると、フリードはぽかんと固まってしまった。
やっぱり引かれた?オロオロしていると、フリードは急に「わかった!」と笑った。一体何を思っていたのだろう。
「じゃ、早速やってみるか。教えてくれないか?」
「う、うん!」
フリードに何かを教えるなんて初めてだ。少し緊張してしまう。
「まず、投げるとき、指はここを抑えて。投げる瞬間に離す。力任せじゃなくて、遠心力を使って投げるんだよ。」
「おう!」
フリードは言われたとおりにルアーを投げる。投げたルアーが弧を描き、海へと吸い込まれていく。私の始めての時より上手かもしれない。
「それから、ゆっくり巻いて、途中で止めて、またゆっくり巻く。焦っちゃダメだよ。」
「お、おお!」
「あと、いきなり大きな動きをすると、ルアーが外れちゃうから、最初は小さく動かして慣れてから大きくするといいよ。」
「こうか!・・・お?」
「来たかも!」
竿の先がブルブルと反応し始めた。ルアーに何か食いついた証拠だ。
「引っかかったら、一気に巻く!」
リールを巻き切って竿を上げると、ルアーに食いついたトサキントが海から飛び出してきた。
初あたりにキャップもワシボンも喜んでいる。
「おおお!」
「いきなり釣れるなんて、すごいよフリード!」
「いや、ユイの教え方が良かったんだ!ありがとう!」
「う、うん!」
フリードに褒められて、つい照れてしまう。
よし、私も負けられない。
どうやら私達が釣りをしている位置にトサキントの群れが来ていたようでそこからは面白いくらいポンポン釣れた。
勿論、釣ったポケモン達は大きさを測ったら、美味しいきのみを食べた後に海へと帰されるシステムらしい。
他にアズマオウを釣ってる人も見受けられたので、今のところ一番はその人なのだろう。フリードにもだけど、マードックの為にも他の人達には負けられない!
その後も釣りを続けたが、魚群が去ったのか、周りも私達もあたりが少なくなってしまった。
暫く、休憩と言う事で竿は海に垂らしたまま立てかけて、座りながら海を眺めた。
「ユイが釣りに詳しいなんて、ビックリしたな。」
「良く家族で釣りに来てたんだよね。結構昔だけど・・・」
「へぇ、ユイの家族か、会ってみたいな。」
そう言うとユイの顔が一瞬曇った様に見えたが、すぐに笑って答える。
「・・・そうだね。いつかあって欲しいな。」
ひょっとして、何か訳ありなのだろうか。
先程のユイの表情が余りにも悲しそうに感じられたので、もう家族の話題には触れないようにした。
「フリードってあんまり博士って感じじゃないよね。」
「まあ、じっとしているのも割に合わないしな。」
「白衣とか着てる姿が想像出来ないなあ・・・」
そうユイが言う物だから、白衣を着た自分の姿を想像して笑ってしまう。
「ユイこそ、思考は研究者、って感じなのに意外とアクティブだよな。」
ポケモンの技を研究したり、本や論文を熱心に読んでいると思ったら、崖から飛び降りたり、海に落ちたり、ポケモンと天井によじ登ったり・・・ユイの思考論理を事を考えるだけでも暫くはかかりそうだ。
「実際見てみないと分からないこともあるって気付いたから。」
そう言ったユイの瞳は真っ直ぐにオレを捕らえる。その強い眼差しに思わず息を呑む。
「それを教えてくれたのはフリードだけどね。」
「オレか?」
「そう。フリードがいなかったら、ライジングボルテッカーズの皆との出逢いも、ポケモン達との出逢いもなかった。」
そう言ってユイは笑う。その笑顔があまりにも綺麗で、思わず見とれてしまった。
「なんてね。」
そう言ってユイが立ち上がると丁度釣り竿が揺れる。
竿がしなって、ユイが慌てて竿を握る。
「わわっ!!」
相当引きが強いのか、ユイは海に引き込まれそうになる。
「ユイ!!しっかり持ってろ!!」
「フリード!」
後ろから抱きつくように竿を持ち、一緒に引く。
「大丈夫か?!」
「だ、だいじょぶ!」
そう言いつつユイは歯を食い縛る。かなり重たいポケモンだ。
せーので思いっきり引っ張り上げる。
「わぁっ!!!」
バシャンッと音を立てて水飛沫が上がると、大きな影か俺達の上にかかった。
「えええっ!!」
「ギャラドスだ!!」
釣り上げたのはなんと、きょうあくポケモンのギャラドスだった。
そのまま勢いでオレとユイは後ろへ尻餅をついた。
「いてっ。」
「ご、ごめんねフリード・・・」
「このくらい大丈夫だ。」
オレがそのまま下敷きになったのでユイに怪我はなかったようだ。
ゆっくり立ち上がると、今日一番の大物に会場が沸いていた。
今日の釣り大会は文句なしの俺達の優勝で見事、お食事券をゲットすることが出来た。
「釣りもなかなか面白いな。」
フリードは笑ってそう言ってくれる。
私ばかり楽しんでいないか心配だったが、そう言われて安心する。
「でしょ!今度はもっと大物釣ろうね!」
「ホエルオーでも釣るか!」
「そ、それは無理かも・・・」
そんな冗談も言いながら船へ戻る。
皆に優勝を報告してマードックにお食事券の話をすると、凄く喜んでくれた。
ドットにも声をかけようと思ったが、忙しいみたいで、出てくることはなかった。
「ドットはレアポケモンみたいなもんだからねー」
とオリオに言われてホッとする。
誰にでもそうみたいで、嫌われていたわけじゃなくて良かった、と小さく安堵する。
夕食を楽しんだ後はミーティングルームに集合し、明日の事を話し合う。
「明日は予定通り、ムロタウンの北にある石の洞窟へ調査に行く。」
「私も行く!」
「・・・まだ何も言ってないんだが・・・」
フリードが発言する前に大きく手を上げると、フリードから思わず苦笑いが飛び出す。
「決まりだな。」
フリードがそう言うようと、私は満足そうに笑う。
次はどんなポケモンに出会えるのだろうか。楽しみで仕方がなかった。
