ホウエン地方
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カナズミシティの北西、115番道路の海辺にブレイブアサギ号を着岸させると、メンバーは各々の目的地へと散っていく。ランドウは釣り、マードックは食料調達、オリオとモリーはショッピング・・・
私はフリードのリザードンに乗せてもらい、真っ直ぐカナズミシティへと向かった。
今日はキャップも一緒だ。
先程までは自然に中にいたのに、一歩踏み入れると石畳の広がる美しい街が眼前に広がる。流石、自然と科学の融合を追及する街と呼ばれるだけはあるな、と思った。
「森の直ぐ近くとは思えない・・・」
「元は森だった場所をポケモンの”いあいぎり”で切り開いたそうだ。」
「そうなんだ・・・」
あ、だからゲームではここでいあいぎりが出来るようになるのか、何て思い出しながら進む。
道路の脇にはおしゃれな街灯が並び、広場には大きな噴水もある。
街の至る所にポケモンの彫刻やかせきの模様があしらわれている。
化石の模様をなぞってみる、一体これはどの化石がモチーフなのだろうか・・・
「・・・」
「ほら、ぼさっとしてないで行くぞー」
思わず見惚れて立ち止まっていた私を促すようにフリードは歩き出す。
「うん!待って!」
慌てて後を追う。暫く歩くと大きな建物が見えてくる。この街、いや、ホウエン地方でトップクラスの大企業、デボンコーポレーションの本社だ。
石造りの立派な建物はこの町では一番目立つ存在だ。
二股に分かれたアーチ状の玄関をくぐり抜けると立派なエントランスホールが広がる。
「わっ。」
「すげぇな・・・」
足下にはガラス張りになっており、その下には様々な種類の化石が写っている。その光景に見入っていると、受付の女性に声をかけられる。
「お客様、本日はどのようなご要件でしょうか?」
「連絡していたフリードという者ですが・・・」
そう言うと女性は手元にある端末を操作し始める。
「フリード様ですね。少々お待ちくださいませ。」
暫くして彼女は笑顔を浮かべると、研究室へ案内してくれると言う。
いつもとは違い丁寧に対応する彼を見て、この人も博士なんだなぁと思う。少しだけ新鮮な気分になった。
その後、私達は二階の研究室へと通される。
案内をしてくれた受付嬢さんにお礼を言って中に入ると、大きなガラスの部屋の中にある大きな装置の前に、沢山の白衣の人達が群がっていた。どうやら何かを研究中の様だ。
「フリード博士ですね、ようこそおいで下さいました。私は副社長のクロダと言います。」
早速、人の良さそうなスーツの男性が出迎えてくれる。
「フリードです。こちらは助手のユイです。今日は見学を受け入れて頂いてありがとうございます。」
フリードに合わせてぺこりとお辞儀する。ここでも助手設定が適応されているらしい。
「社長は不在ですか?」
「はい、急用でカロス地方におります。」
「そうですか、よろしくお伝え下さい。」
クロダさんに連れられて、ひみつのコハクを見せてもらう事となった。
研究員の一人が台車に乗った鍵付きの大きな箱を持ってくると、クロダさんが番号を入力し、手をかざして鍵を解除する。
どうやら最新式の指紋認証機能システムがあるようだ。さすがは大企業なんて感心していると、パカッと中身が開いた。
「わぁ・・・」
赤みがかった黄金色の卵のような物が中に収められていた。
あまりの美しさに声が出てしまう。
ここの所、綺麗な物に反応してばかりだ。この世界は本当に綺麗な物で溢れている。
このコハクから復元されるポケモンは一体何なのだろう?やっぱりプテラ?それとも、まだ見たこともないポケモン?
「なんでこんなに綺麗なんだろう。」
「コハクは木の樹脂が地中で長い年月をかけて固まった物だ。樹脂と一緒に、ここには同じ時代を生きていたポケモンの遺伝子が閉じ込められているんだ。」
「よくご存知ですね。流石ポケモン博士。」
クロダさんにそう言われてフリードは苦笑いを浮かべる。
彼は博士と呼ばれるのがあまり好きではないらしい。
博士呼びなんてカッコいいと思うのだけれど・・・
「ひと月前にカントーで発掘された物なのですが、うちの社長はエントランスをご覧の通り化石マニアでして。研究も兼ねてですが、発掘されたその日に買い付けたのです。」
「カントー…ひょっとしてグランパキャニオンですか?」
昔の記憶を辿ると、アニメで登場した場所が浮かび上がってくる。
思わず口から飛び出てしまった場所の名前は、合っていた様で、クロダさんは少し驚いた様子だった。
「そうです!よく分かりましたね!」
「えーと、化石発掘で有名な場所という事だけ知っていて…」
「それも随分昔の話なので、若い方が知っていて驚いてしまいました。優秀な助手さんですね。」
完全に自分で勉強して得た訳ではない知識なので、アルフの遺跡の時もそうだが、褒められてしまうと困惑してしまう。
しかし、フリードさんの助手として褒められることには、少しだけ誇らしさを感じてしまう。
「よろしければ、触ってみて下さい。」
「えっ、こんな貴重な物、良いんですか?」
クロダさんは、社長から仰せつかっております。と微笑みながら頷いてくれた。
まさか、ポケモンの化石に触る事が出来るなんて・・・
こんな丸い石の中にポケモンの遺伝子が詰まっているのだ。言いようのない感動を覚えた。
研究員さんから受け取った手袋を装着すると、恐る恐るコハクに触れてみる。
すると突然頭の中に強烈な映像が流れる。
焼けた様に赤い空、逃げ惑う生き物たち、割れる地面、空から降ってくる、隕石・・・
「・・・!」
思わず手を引っ込める。手が離れた瞬間、意識がこちらに戻ってくる。
ほんの一瞬の出来事であったが、何が起きたのかさっぱり分からなかった。
思わずコハクに触れた手をじっと見つめる。
「どうした?」
フリードが不思議そうな顔でこちらを見ている。何でもない、と返すものの、先程の光景が目に焼き付いて離れない。
あれは一体何だったのだろうか。
コハクの説明を受けた後は化石の復元装置についての説明を受ける。
「特殊な培養液に化石を入れることで古代ポケモンのデータが抽出され、そのデータをこちらのコンピュータで解析します。それによって電気配列が決定され・・・」
フリードは研究員さんの話をうんうんと頷きながら聞いていたが、私はと言うと話が難しいと言うのもあったが、先程の事が頭から離れず、話が全然入ってこなかった。
「・・・と言うわけで、古代のポケモンが復元できるのです。」
「なるほど・・・となると、やはり化石の一部だけでは復元は不完全な状態と言う事でしょうか。」
「そうなりますね。カブトのようにそのまま化石となった種であれば話は別なのですが・・・」
二人の会話を聞きながらも頭の中では先程見た映像の事ばかり考えてしまう。
あの場所は何処だったのだろう?
そんなことを考えているうちに説明が終わり、私達はクロダさんにお礼を言って研究室を後にすることになった。
「どうせなら復元される所も見たかったね。」
帰り道にそう言うと、フリードも少し残念そうな顔をしていた。
「そうだな、社長がいれば見られたかもな。あの人は忙しい方だからなあ…」
「でも、凄い技術だよね。」
「あぁ、俺も初めて知った時は驚いたよ。」
「私も、いつかポケモンの復元に立ち会いたいなぁ。」
デボンコーポレーションを後にして、ショッピングをしていたモリー達と合流して一緒に昼食を取る事になった。
久しぶりの外食、楽しみ…のはずが、やはり先程の事が頭から離れない。
瞬間的な映像だったが、冷静に考えるとあれはそう…言うなれば恐竜が絶滅する時の白亜紀…のようなイメージだった。
あのコハクの中にいる古代ポケモンの遺伝子が私に何かを伝えようとした…?
「ユイ、食わないのか?」
「えっ!注文する時めっちゃ張り切ってたじゃん!」
「流石に私達、この量は食べきれないわ…」
声をかけられてふと我に返る。
「ごめん!全然食べる!」
食事を再開しようとフォークを手に取った瞬間。
ドカン、と爆発音の様な大きな音が鳴り響いた。
「なんだ!?」
思わず私達は立ち上がる。周りの人もざわついている。
窓の外を見ると、大きな煙が上がっているのが見えた。あの方向は…
「デボンコーポレーションの方からだ!」
「とにかく、行ってみよう。」
フリードがそう言ってレストランを飛び出したので、慌てて後を追いかける。外に出ると、煙を上げているのは、やはり先程まで居たデボンコーポレーションからだった。どうやら建物内で何かが爆発したらしい。
野次馬をかき分けて進み、建物の中に入ると、エントランスでは、従業員達が慌てふためいていた。
「フリード博士!」
「何があったんですか!?」
フリードが声をかけると、一人の研究員が駆け寄ってくる。
「コハクが!ひみつのコハクが……!」
研究員は涙を流し必死に訴えかける。
「落ち着いてください!」
フリードが宥めると、研究員は話し始めた。
「復元装置が誤作動し、周りの化石が全て復元されてしまったのです!」
「何だって!?」
「それで、ひみつのコハクの中に居たのは…」
研究員がその続きを話そうとすると、
グオオオオ、と大きな叫び声が聞こえる。
どうやら研究室のある2階からだ。
その鳴き声に研究員は怯えている様子だ。
「オリオ、この人を頼んだ!」「オッケー!」
「モリーは怪我している人やポケモンがいたら治療を!」「言われなくても!」
二人に指示を出すと、フリードは私を振り返った。何を言われるかは大体検討がついている。
「ユイは…」
「私も着いていく!」
「……。」
「フリード!」
「……分かった。」
真っ直ぐ彼の目を見て訴えると、
緊急事態だからか、フリードは渋々私の意見を受け入れた。
走って2階のフロアに着くと、そこには巨大な翼竜のような生き物が居た。
鋭い爪や牙を持ち、こちらを威嚇するように睨みつけてくる。
「プテラ…!!」
思わずその名前を呟くと、私とプテラの視線がかち合った。その瞬間、再び激しい頭痛に襲われる。またあの映像が頭の中を流れる。
「っ……!!」
あまりの痛みに頭を抱えてその場に蹲ってしまう。
「ユイ!!」
フリードが心配そうに駆け寄る。
「大丈夫…それより、早く何とかしないと!」
私は立ち上がると、フリードと一緒にプテラの方を見た。
プテラの周りにはカブトやリリーラ等の化石ポケモンもいる。装置の誤作動の影響で一緒に復元されたのだろう。
プテラがこのまま暴れたらこの子達も危険だ…
「私たちで何とかしよう!」
「それしかないか…」
私達はそれぞれモンスターボールを構えた。
私はフリードのリザードンに乗せてもらい、真っ直ぐカナズミシティへと向かった。
今日はキャップも一緒だ。
先程までは自然に中にいたのに、一歩踏み入れると石畳の広がる美しい街が眼前に広がる。流石、自然と科学の融合を追及する街と呼ばれるだけはあるな、と思った。
「森の直ぐ近くとは思えない・・・」
「元は森だった場所をポケモンの”いあいぎり”で切り開いたそうだ。」
「そうなんだ・・・」
あ、だからゲームではここでいあいぎりが出来るようになるのか、何て思い出しながら進む。
道路の脇にはおしゃれな街灯が並び、広場には大きな噴水もある。
街の至る所にポケモンの彫刻やかせきの模様があしらわれている。
化石の模様をなぞってみる、一体これはどの化石がモチーフなのだろうか・・・
「・・・」
「ほら、ぼさっとしてないで行くぞー」
思わず見惚れて立ち止まっていた私を促すようにフリードは歩き出す。
「うん!待って!」
慌てて後を追う。暫く歩くと大きな建物が見えてくる。この街、いや、ホウエン地方でトップクラスの大企業、デボンコーポレーションの本社だ。
石造りの立派な建物はこの町では一番目立つ存在だ。
二股に分かれたアーチ状の玄関をくぐり抜けると立派なエントランスホールが広がる。
「わっ。」
「すげぇな・・・」
足下にはガラス張りになっており、その下には様々な種類の化石が写っている。その光景に見入っていると、受付の女性に声をかけられる。
「お客様、本日はどのようなご要件でしょうか?」
「連絡していたフリードという者ですが・・・」
そう言うと女性は手元にある端末を操作し始める。
「フリード様ですね。少々お待ちくださいませ。」
暫くして彼女は笑顔を浮かべると、研究室へ案内してくれると言う。
いつもとは違い丁寧に対応する彼を見て、この人も博士なんだなぁと思う。少しだけ新鮮な気分になった。
その後、私達は二階の研究室へと通される。
案内をしてくれた受付嬢さんにお礼を言って中に入ると、大きなガラスの部屋の中にある大きな装置の前に、沢山の白衣の人達が群がっていた。どうやら何かを研究中の様だ。
「フリード博士ですね、ようこそおいで下さいました。私は副社長のクロダと言います。」
早速、人の良さそうなスーツの男性が出迎えてくれる。
「フリードです。こちらは助手のユイです。今日は見学を受け入れて頂いてありがとうございます。」
フリードに合わせてぺこりとお辞儀する。ここでも助手設定が適応されているらしい。
「社長は不在ですか?」
「はい、急用でカロス地方におります。」
「そうですか、よろしくお伝え下さい。」
クロダさんに連れられて、ひみつのコハクを見せてもらう事となった。
研究員の一人が台車に乗った鍵付きの大きな箱を持ってくると、クロダさんが番号を入力し、手をかざして鍵を解除する。
どうやら最新式の指紋認証機能システムがあるようだ。さすがは大企業なんて感心していると、パカッと中身が開いた。
「わぁ・・・」
赤みがかった黄金色の卵のような物が中に収められていた。
あまりの美しさに声が出てしまう。
ここの所、綺麗な物に反応してばかりだ。この世界は本当に綺麗な物で溢れている。
このコハクから復元されるポケモンは一体何なのだろう?やっぱりプテラ?それとも、まだ見たこともないポケモン?
「なんでこんなに綺麗なんだろう。」
「コハクは木の樹脂が地中で長い年月をかけて固まった物だ。樹脂と一緒に、ここには同じ時代を生きていたポケモンの遺伝子が閉じ込められているんだ。」
「よくご存知ですね。流石ポケモン博士。」
クロダさんにそう言われてフリードは苦笑いを浮かべる。
彼は博士と呼ばれるのがあまり好きではないらしい。
博士呼びなんてカッコいいと思うのだけれど・・・
「ひと月前にカントーで発掘された物なのですが、うちの社長はエントランスをご覧の通り化石マニアでして。研究も兼ねてですが、発掘されたその日に買い付けたのです。」
「カントー…ひょっとしてグランパキャニオンですか?」
昔の記憶を辿ると、アニメで登場した場所が浮かび上がってくる。
思わず口から飛び出てしまった場所の名前は、合っていた様で、クロダさんは少し驚いた様子だった。
「そうです!よく分かりましたね!」
「えーと、化石発掘で有名な場所という事だけ知っていて…」
「それも随分昔の話なので、若い方が知っていて驚いてしまいました。優秀な助手さんですね。」
完全に自分で勉強して得た訳ではない知識なので、アルフの遺跡の時もそうだが、褒められてしまうと困惑してしまう。
しかし、フリードさんの助手として褒められることには、少しだけ誇らしさを感じてしまう。
「よろしければ、触ってみて下さい。」
「えっ、こんな貴重な物、良いんですか?」
クロダさんは、社長から仰せつかっております。と微笑みながら頷いてくれた。
まさか、ポケモンの化石に触る事が出来るなんて・・・
こんな丸い石の中にポケモンの遺伝子が詰まっているのだ。言いようのない感動を覚えた。
研究員さんから受け取った手袋を装着すると、恐る恐るコハクに触れてみる。
すると突然頭の中に強烈な映像が流れる。
焼けた様に赤い空、逃げ惑う生き物たち、割れる地面、空から降ってくる、隕石・・・
「・・・!」
思わず手を引っ込める。手が離れた瞬間、意識がこちらに戻ってくる。
ほんの一瞬の出来事であったが、何が起きたのかさっぱり分からなかった。
思わずコハクに触れた手をじっと見つめる。
「どうした?」
フリードが不思議そうな顔でこちらを見ている。何でもない、と返すものの、先程の光景が目に焼き付いて離れない。
あれは一体何だったのだろうか。
コハクの説明を受けた後は化石の復元装置についての説明を受ける。
「特殊な培養液に化石を入れることで古代ポケモンのデータが抽出され、そのデータをこちらのコンピュータで解析します。それによって電気配列が決定され・・・」
フリードは研究員さんの話をうんうんと頷きながら聞いていたが、私はと言うと話が難しいと言うのもあったが、先程の事が頭から離れず、話が全然入ってこなかった。
「・・・と言うわけで、古代のポケモンが復元できるのです。」
「なるほど・・・となると、やはり化石の一部だけでは復元は不完全な状態と言う事でしょうか。」
「そうなりますね。カブトのようにそのまま化石となった種であれば話は別なのですが・・・」
二人の会話を聞きながらも頭の中では先程見た映像の事ばかり考えてしまう。
あの場所は何処だったのだろう?
そんなことを考えているうちに説明が終わり、私達はクロダさんにお礼を言って研究室を後にすることになった。
「どうせなら復元される所も見たかったね。」
帰り道にそう言うと、フリードも少し残念そうな顔をしていた。
「そうだな、社長がいれば見られたかもな。あの人は忙しい方だからなあ…」
「でも、凄い技術だよね。」
「あぁ、俺も初めて知った時は驚いたよ。」
「私も、いつかポケモンの復元に立ち会いたいなぁ。」
デボンコーポレーションを後にして、ショッピングをしていたモリー達と合流して一緒に昼食を取る事になった。
久しぶりの外食、楽しみ…のはずが、やはり先程の事が頭から離れない。
瞬間的な映像だったが、冷静に考えるとあれはそう…言うなれば恐竜が絶滅する時の白亜紀…のようなイメージだった。
あのコハクの中にいる古代ポケモンの遺伝子が私に何かを伝えようとした…?
「ユイ、食わないのか?」
「えっ!注文する時めっちゃ張り切ってたじゃん!」
「流石に私達、この量は食べきれないわ…」
声をかけられてふと我に返る。
「ごめん!全然食べる!」
食事を再開しようとフォークを手に取った瞬間。
ドカン、と爆発音の様な大きな音が鳴り響いた。
「なんだ!?」
思わず私達は立ち上がる。周りの人もざわついている。
窓の外を見ると、大きな煙が上がっているのが見えた。あの方向は…
「デボンコーポレーションの方からだ!」
「とにかく、行ってみよう。」
フリードがそう言ってレストランを飛び出したので、慌てて後を追いかける。外に出ると、煙を上げているのは、やはり先程まで居たデボンコーポレーションからだった。どうやら建物内で何かが爆発したらしい。
野次馬をかき分けて進み、建物の中に入ると、エントランスでは、従業員達が慌てふためいていた。
「フリード博士!」
「何があったんですか!?」
フリードが声をかけると、一人の研究員が駆け寄ってくる。
「コハクが!ひみつのコハクが……!」
研究員は涙を流し必死に訴えかける。
「落ち着いてください!」
フリードが宥めると、研究員は話し始めた。
「復元装置が誤作動し、周りの化石が全て復元されてしまったのです!」
「何だって!?」
「それで、ひみつのコハクの中に居たのは…」
研究員がその続きを話そうとすると、
グオオオオ、と大きな叫び声が聞こえる。
どうやら研究室のある2階からだ。
その鳴き声に研究員は怯えている様子だ。
「オリオ、この人を頼んだ!」「オッケー!」
「モリーは怪我している人やポケモンがいたら治療を!」「言われなくても!」
二人に指示を出すと、フリードは私を振り返った。何を言われるかは大体検討がついている。
「ユイは…」
「私も着いていく!」
「……。」
「フリード!」
「……分かった。」
真っ直ぐ彼の目を見て訴えると、
緊急事態だからか、フリードは渋々私の意見を受け入れた。
走って2階のフロアに着くと、そこには巨大な翼竜のような生き物が居た。
鋭い爪や牙を持ち、こちらを威嚇するように睨みつけてくる。
「プテラ…!!」
思わずその名前を呟くと、私とプテラの視線がかち合った。その瞬間、再び激しい頭痛に襲われる。またあの映像が頭の中を流れる。
「っ……!!」
あまりの痛みに頭を抱えてその場に蹲ってしまう。
「ユイ!!」
フリードが心配そうに駆け寄る。
「大丈夫…それより、早く何とかしないと!」
私は立ち上がると、フリードと一緒にプテラの方を見た。
プテラの周りにはカブトやリリーラ等の化石ポケモンもいる。装置の誤作動の影響で一緒に復元されたのだろう。
プテラがこのまま暴れたらこの子達も危険だ…
「私たちで何とかしよう!」
「それしかないか…」
私達はそれぞれモンスターボールを構えた。
