影が薄い子の
星に溶けゆく
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「…、」
(こんなときに…)
「名前、大丈夫か?」
「…ごめんなさい、アシリパさん。急がなきゃいけないのに…」
「一日くらい平気だ。それよりちゃんと身体をあったかくしていろ」
「ありがとうございます…」
(腰痛い、お腹痛い、身体がだるい、頭…もやもや…)
「さい、あく…」
「おい」
「………なんですか、尾形さん」
「お前、具合悪かったのか」
「……さいあく」
「なんだその言い草は」
「いえ、別に…移るので放っておいてください……ぅっ」
「…」
両脇を抱え足の間に。
「え、ちょっと…!」
「うるせえ静かにしろ」
「何してるんですか…!」
「移せるもんなら移してみろ。…身体、暖めた方がいいんだろうが」
「貴方には関係ない…っ、でしょう…!」
「そんな血の匂いさせてりゃ嫌でもわかる。…まあ、杉元なんかにゃニオイがわかっても理由まではわからんだろうが」
「!…ほんと、最悪…」
「はっ、聞き飽きたっつーの」
目を隠しおなかぽんぽんされる。
「よくこんなんで男の振りなんざできてたな」
「…」
「(無視か)…もう寝ろ」
「…貴方、そんな人でしたか…?」
「その口塞ぐぞ」
「…」
「こら逃げようとすんな」
「離せ離して貴方絶対楽しんでるでしょう…!」
「んなことねえよ」
「嘘だ声が明るいもん…!」
「ははっ」
「…そんなに辛いなら、失くす方法もあるぜ」
痛みには敵わなかったのか、眠って大人しくなった女の目元から手を離す。
腹部に回した腕はそのままに、一定のリズムで叩いてやる。優しく、やさしく。
寄り掛かってくるその重みは、本当に以前まで男性だと騙っていたのかと思うほどに軽い。
「知ってるか? 妊娠してる間は月のモノが来ないそうだぞ」
耳元に口を寄せそう囁いてはみるものの、勿論反応はない。
それでいい。
生理に苦しむ幽霊と慰める山猫
尾形は隠しても気付く
(こんなときに…)
「名前、大丈夫か?」
「…ごめんなさい、アシリパさん。急がなきゃいけないのに…」
「一日くらい平気だ。それよりちゃんと身体をあったかくしていろ」
「ありがとうございます…」
(腰痛い、お腹痛い、身体がだるい、頭…もやもや…)
「さい、あく…」
「おい」
「………なんですか、尾形さん」
「お前、具合悪かったのか」
「……さいあく」
「なんだその言い草は」
「いえ、別に…移るので放っておいてください……ぅっ」
「…」
両脇を抱え足の間に。
「え、ちょっと…!」
「うるせえ静かにしろ」
「何してるんですか…!」
「移せるもんなら移してみろ。…身体、暖めた方がいいんだろうが」
「貴方には関係ない…っ、でしょう…!」
「そんな血の匂いさせてりゃ嫌でもわかる。…まあ、杉元なんかにゃニオイがわかっても理由まではわからんだろうが」
「!…ほんと、最悪…」
「はっ、聞き飽きたっつーの」
目を隠しおなかぽんぽんされる。
「よくこんなんで男の振りなんざできてたな」
「…」
「(無視か)…もう寝ろ」
「…貴方、そんな人でしたか…?」
「その口塞ぐぞ」
「…」
「こら逃げようとすんな」
「離せ離して貴方絶対楽しんでるでしょう…!」
「んなことねえよ」
「嘘だ声が明るいもん…!」
「ははっ」
「…そんなに辛いなら、失くす方法もあるぜ」
痛みには敵わなかったのか、眠って大人しくなった女の目元から手を離す。
腹部に回した腕はそのままに、一定のリズムで叩いてやる。優しく、やさしく。
寄り掛かってくるその重みは、本当に以前まで男性だと騙っていたのかと思うほどに軽い。
「知ってるか? 妊娠してる間は月のモノが来ないそうだぞ」
耳元に口を寄せそう囁いてはみるものの、勿論反応はない。
それでいい。
生理に苦しむ幽霊と慰める山猫
尾形は隠しても気付く