審神者とは特級被呪者に分類されます。
name
×刀剣乱舞のクロスオーバー名前は(あるけど)一生呼ばれません。
何せ審神者ですから。
呪術界のみんなと刀剣オタクの家に産まれた審神者と審神者過激派の付喪神達がわちゃわちゃしてる。
※勢いで書いているのでいろいろ設定がゆるい。
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※※
五条先生はぴばすでー回。
・全然お祝いする空気じゃない。そもそも冬じゃない。
・でもせっかくなのでR15くらいを目指してみました。(当社比)
・取り急ぎ捩じ込んだ話なので、前後に違和感が生じるやも。
・番外編みたいに思ってもらえれば。じゅじゅ〇んぽみたいな。
今回特に閲覧注意でお願いします。
「さーにわ! ただいま!」
「ごじょ先輩……ここ何処だと思ってます?」
時刻は既に深夜を指している時間帯。審神者のいる部屋の窓をノックしたのは五条であった。
「え? 女子寮だけど」
「真希ちゃんや野薔薇ちゃんにバレたらボコボコにされますよ」
「そう思うなら早く入れて」と全く悪びれない五条に溜め息を吐きながらも、こうなっては絶対引かないとわかっているので審神者は窓を全開にする。長い手足を折り曲げて乗り込んできた男は、口元に笑みを浮かべながら後ろ手に窓とカーテンを閉めたのだった。
つい先程出張から帰って来たのだろう、両手に持っていた土産屋の袋を机の上に置いたかと思えば「っはー、疲れたー」と言いつつ審神者のベッドにダイブする。遠慮という言葉は昔から存在していないため、審神者も今更文句を言うこともなかった。それどころか飲み物を用意するのに動いたり、「ベッド狭い〜」という不満を「はいはい」と聞き流せるくらいには慣れたものだ。
審神者の過ごす部屋は、今の高専生が使う女子寮の一角だ。とは言えもちろん審神者は生徒ではないため、現在女子寮に居る真希や釘崎らとは離れた部屋に居を構えている——今日のように、時折現れる彼女達の〝先生〟の存在を気取られないように。
「どうでした? 北海道出張は」
「相も変わらず胸糞案件だったよ〜。ま、元々七海一人の任務だったわけだから呪霊自体は大した事なかったけど」
「! 七海先輩、戻ってきたんです?」
二人分用意したいちごミルク——以前部屋に乱入された時、常備しておくよう言われていたのだ。その際、どこかの甘党のお侍さんみたいだと思ったのは内緒である——の一つを男の頭上のヘッドボードの上に置き、もう一つは机に置かれた土産袋の隣に。五条の足元のベッド縁に腰を降ろした審神者は、〝七海〟の一言に反応した。
五条にとって一つ下の後輩は、審神者にとって一つ上の先輩である。学生時代よくお世話になったこともあり、審神者は七海健人によく懐いていた。審神者の知る彼は高専を卒業後、一般企業へと就職している。情報がそこで止まっていたため、まさか呪術師としての七海の話を聞くとは思ってもみなかったのである。
「見事脱サラ呪術師として復帰してるよ」
「勤勉だった七海先輩でさえ、一般社会は肌に合わなかったってことです……?」
「まあ、クソとは言ってたね」
「就職先に恵まれなかったのかなあ……」
声と言葉だけ聞けば七海に対し同情しているかのように聞こえるそれも、審神者の嬉しそうな顔を見てしまえば全く意味の無いものになる。七海の決めた道をどうこう言うつもりはなかったが、やっぱり呪術師として戻ってきてくれたことが本人が思うよりも嬉しかったようだ。自然と緩む頬が抑えられずにいた。
「という事は、これから任務が被ることもありますよね? 楽しみだなあ」
「……オマエ、そんなに七海と仲良かったっけ」
「わたしは親しいと思ってますよ。先輩と伊地知くんと、よく三人組で任務こなしてましたしね」
「へえ……」
上機嫌で自分用のいちごミルクを呷る審神者を目に留め、五条の声は自然と低くなる。それから何を思ったか寝転んだまま腕だけを持ち上げ、審神者の腕に触れた。
「あ、もしかして器の少年のこと——」
「ですか」と、言葉が最後まで紡がれることはなかった。それもこれも五条がなかなか強い力で審神者の腕を引っ張ったからであり、「おあっ!?」と別の声が出たからである。
引っぱられた身体はそのまま五条の身体にぶつかった。それだけならまだ良かった。しかし審神者は直前までいちごミルクを飲んでいた……結果、どうなったか言うまでもないと思うが、いちごミルクを浴びた審神者が出来上がった。
「つめたっ!」
「色気ねー声」
「急になんですかもー!」
横になる五条に重なっていた審神者だったが、先輩である五条も濡れてしまうと慌てて上体を起こしてみたものの、彼女の下にある筈の黒い服は全く濡れてはおらず。あれ? と首を傾げた審神者だったが、すぐにピンときた答えに目の前の目隠し顔を睨んだ。
「……ごじょ先輩、術式で弾きましたね?」
「わざとじゃないし? 自動発動なだけだし?」
「つまり濡れ鼠になったのはわたしだけということですね」
審神者の言う通り、五条は無下限術式によりいちごミルクの被害には遭っておらず、審神者一人だけがびしょ濡れとなっていた。顔にはかからなかったが首から下は結構な被害で、既にベタついてきた身体に審神者は怒りよりも落胆の気持ちの方が大きかった。せっかくお風呂入ったのに、とか、こんな時間にお風呂入りに行ったら生徒達にバレちゃうかな、とか、そんな事ばかりが頭を巡る。
だから、気付くのが遅れたのだ。水分は弾いた五条の身体はぴったりと審神者の身体と触れている事に、審神者の腰に回っている手がしっかりとその感触を捉えている事に。審神者がそれに気付いたのは、腰骨から背骨にかけてを這うように指が伝いこそばゆさを感じてからだった。
「ちょ、先輩っ?」
「あーあーべっちょべちょじゃん。いい歳こいて恥ずかしくないわけ?」
「誰のせいだと思ってんですかねえ??」
「しょーがないから、優しい優しい先輩が拭ってやるよ」
言うが早いか、五条の舌が審神者の剥き出しの鎖骨をべろりと舐める。突然肌に触れた生暖かな感触に、審神者の背筋がぞわわと粟立った。
「なん……っ」
慌てる審神者を無視して、逃げようとする身体を背中に回していた手で抑え込んで、またひと舐め。いちごミルク本来の甘さに審神者の味が混ざり込んで、より甘い味がした。
七海への嫉妬心から悪戯に腕を引っ張り、ただ身体を密着させて揶揄うだけのつもりだった。「押し倒してきて大胆だな〜」とか言って、審神者の反応をみるだけの。しかし自分の上半身に重なってきた小さな重みと柔らかさに思いの外衝撃を受けたのは仕掛けた五条の方で、動きを止めたその一瞬に、審神者はいちごミルクを浴びてしまう。
今は夏の頃。審神者が着ていた白いワンピースタイプの寝巻きがぐしょぐしょに濡れた事で身体に張り付き、身体のラインがくっきり浮かび上がる。特に酷い濡れ方をしたのは胸元だったが故に、もともと見えていた鎖骨から下がわずかに透けて見えてしまった。……見てしまったのだ。下着に覆われていない胸を。
今夜、五条は約束もなく突然審神者の部屋を訪れている。今日は一人で眠る筈だった審神者は、入浴のあと下着を付けることなく過ごしていたのだ。
更に審神者が五条から上体を起こしたことで、より見えやすくなった胸に五条は目隠しをしているのを良いことにガン見する。襟から覗けた服に隠された部分の肌の色や、鎖骨から谷間にかけて滑り落ちていくいちごミルクの白がなんとも卑猥に見えて、喉を鳴らしてしまった。審神者は気付かなかったようだが。
——ああ、くそっ。
揶揄うだけのつもりだったのに、結果振り回されているのは五条の方で内心舌を打つ。あまりにも悔しいので、降って湧いたこの棚ぼた的な状況を大人しく受け入れることにした。据え膳食わぬは男の恥である。
——甘い。
「せんぱ……、いつまでやってんですかそれ……ッ?」
体勢を変えて、審神者をベッドに押し倒した五条は前言通りいちごミルクを拭っていた。もちろん舌で、である。
両手は審神者の手を縫い止めているため使えないし、と最もらしい理由をつけて行われるそれは、結構な時間続いていた。
五条はただひたすら、まるで犬や猫になったかのように舐め続けている。肌についた糖分を舐め取りてらてらと光らせ、服が吸い込んだ水分をぢゅ、と啜りあげる。審神者の大事な箇所は未だ曝されてはいないし先端にこそ触れてはいないものの、よりやわいふくらみは容赦なく堪能している。薄手の寝巻きの上からとはいえ、執拗に舐められればいやでもざわざわしてくる。はあ、と無意識に吐き出した息は熱を含んでいるようで、吐息を聴いた五条は人知れず口角を持ち上げる。
「なに、直接触ってないのに感じてんの?」
顔を持ち上げた五条は、舌の代わりに手指ですり、と審神者の手を愛撫しながら彼女の顔を覗き込む。その顔は今までにないくらい赤く色付いていて、瞳は涙の中を泳いでいる。美味しそうだなあと乾いた唇を舌で濡らしながらも、五条は自分の前言を後悔していた。
五条が審神者に触れる権利を得た——そもそも審神者の同意を得たわけではないが——のは、〝濡れた箇所を拭う〟という名目の上だった。つまりいちごミルクのかかっていない審神者の顔に触れるのは違うのだ。今更何をと思うが、五条は律儀にも己の課したルールを守った上で審神者に触れていた。
「か、んじてなんかないですよ! こそばいだけで……!」
「はいはいそーゆー事にしといてあげる」
審神者の声に雑に返しながらこのまま終えるのは嫌だなあと思っていた五条の目に、ヘッドボードに置かれたままだったグラスが留まる。審神者が五条用にと用意してくれたもので、それはまだ一度も口をつけられることなくひっそりと置かれていた。
……五条が何を思ったかなど、想像に容易いだろう。
「っていうか、もう十分キレイ? になりましたよね?? なんでもう離れてもらっていいですかね!?」
「……ねえ審神者ァ」
込み上げてくる笑いをそのまま表情に乗せ、五条は片手を審神者の手から放す。チャンスとばかりに審神者は動き出そうとするが、男の顔を見た途端「ヒィッ」と怯えた声をあげ身体の動きが止まってしまった。
そうこうしている内に、五条は空いた手でいちごミルクの入ったグラスを手にし。自分の顔の高さまで持ち上げて、ようく見えるようにする。
「これ、なーんだ」
「……」
「ん??」
「……いちごみるく」
「はい正解。——で、僕は今からこれをどうするでしょーかっ?」
問い掛けているくせして審神者が答えるより早く行動に移った五条は、無遠慮に審神者の顔に、身体に、腕や脚にも満遍なくいちごミルクを降り注がせる。再度びしょ濡れになった審神者の顰めっ面もなんのその、上機嫌な男は空になったグラスを机の上に置き、絶景となった審神者を見下ろしては今一度自身の唇を舐めた。
「まーたびしゃびしゃになっちゃったから、まーた拭ってやらないとね〜」
「もうっ、いいですってば……!! ぇあ、」
「先輩の言うことは絶対、だよ。審神者」
「ほひょへんは、」
「だから諦めて——」
手始めにと、五条の手は先程我慢した審神者の顔に伸びていく。頬を撫ぜたかと思えば口の中に入り込んだ指が、口内や舌を弄ぶ。
——ああ、ここはどれだけ甘いのだろう。
高鳴る期待にうっそりと微笑みながら、五条は審神者の耳元で囁くのだ。
「身体の隅々まで、僕に喰われて?」