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『神様、奇跡なんていらないから』


 四月下旬、僕は再び娘を連れて実家に足を伸ばす。山と緑と田園風景だけが続くのどかな村で、僕は家に着くなり、薫り高い青紫色に咲いた風の花を窓辺へ飾る。これは神様のための道標だよ、と娘に言い聞かせて。

 窓の外、誰もいない方に手を振る娘に僕は不思議そうな顔はしない。


おわり
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