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『美女と野獣』

9
光が収まった時、少女の持っていた真実の花は消えていた。そこにいたのは毛に覆われた獣姿の男ではなく、涙を流す一人の青年だった。お世辞にも見目麗しいとは言い切れないその顔をさらにぐしゃぐしゃにして小さな少女に縋るように泣いていた。
真実を映した魔法の花は消えていた。


――これは一人の少女と一人の青年が真実を求めた、終着点のお話だ。


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