第六陣
少し顔をガードしたその瞬間にブランの矢が雲ちゃんの胸元に届く
雲「あっ!?」
カツンと音がして、雲ちゃんからブローチが外れるよ
ミラ「……!」
それを見ていたミラはすかさずジャンプして、風に乗って飛んできたブローチをキャッチしましたよ
ミラ「……カルロ兄」
ブラン「………!」
ホッとしました
カルロ「………ミラか?そこにいるのか……」
ブラン「…………まさかそれがカルロさん?」
ミラ「うん……。なんとなく……」
ブローチを見つめてる
カズト「そうだ。カルロはその中に閉じこめられてる。……どんな術を使ったんだか知らないがな」
雲「……っこの!!返せよ、アタシのブローチ!」
矢を乱れ撃ち〜
ミラ「わっ!?」
ブラン「閉じ込められて………」
カルロ「(こっから魔法使えねぇかな………)」
考え中
ブラン「………!!」
風で矢を落とします
カズト「傍から見れば魔力増幅の装飾品だがな」
ミラ「こんなことするなんてひどい!どうにか元に戻せないの?」
カズト「……今はなんとも言えないな」
ミラ「そんな……!」
ブラン「どうにかして方法を見つけよう……」
雲「この……。こいつら食ってやるぅ」
ブロート「雲、およしなさい」
雲「んだよポンコツジジィ!」
ブロート「口が悪い……。……一度退くよ」
雲「…………チッ」
ブロート「舌打ちしないで」
戦況が不利だと感じた二人はその場から引いたよ
ミラ「行っちゃった……」
カズト「……」
ミラ「カルロ兄。私たちの声、聞こえるの?」
ブラン「(ポンコツジジイ………)」
カルロ「………聞こえてる」
ミラ「そっか、よかった。カルロ兄は大丈夫なの?」
カルロ「ああ、なんとかな」
ミラ「うう……カルロ兄ー!」
ブローチ抱きしめてる
ミラ「うわー」
嬉しくて泣いてる
カルロ「………何泣いてんだよ」
ブラン「でも、二人逃げちゃいましたね……」
ミラ「だって心配したんだもん!」
カズト「……それで、このあとどうするつもりだ?」
ミラ「ディルを助けにいく!」
カルロ「……ディルなら、雪女のとこにいたぞ」
ミラ「うん……でも、雪女ってどこにいるの?カズトさん、知ってる?」
カズト「ああ」
ミラ「……!なら早く案内して!」
ブラン「雪女って、また強そうだなぁ………」
ミラ「強くても関係ない!」
カズト「……あいつらはどうする?」
後ろに下がってた女の子たちのことです
ブラン「安全なところがあれば置いていきたいですが………なさそうですよね」
カズト「そうだな。ここに置いていけば間違いなく、また連れてくだろ」
ミラ「シフォンちゃんー、アエリアー!」
二人に向かって手を振ってます
ブラン「よっぽど女性が好きなんですね………」
シフォン「ミラちゃ〜ん♪」
ミラちゃんにぎゅー
アエリア「逃げたのね変態野郎」
カズト「そうだな」
ミラ「よし、行こう!」
ブローチは自分の胸元につけました
シフォン「ご〜!」
ブラン「………魔法ですかね?」
宝石見つめてる
カズト「……」
ミラ「うーん?カルロ兄、どんな感じなのー?」
カルロ「どんな感じ、って言われてもなぁ………。カズトのが知ってそうだ」
ミラ「……?カズトさーん」
カズト「石の中の状態までは知らない」
ミラ「わかんないから見てみてー」
カズトにブローチを渡すよ
カズト「はあ。……まあ、簡単に魔力だけは引き抜ける仕組みにはなってるようだな」
カルロ「………。例えばなんだけど、俺から意図的に魔力を渡すことは可能なのか?」
カズト「何を考えているか知らないが、それは不可だな。
ただ、互いの同意の上でお前を"使え"ばそれは意図的な受け渡しになるんじゃないのか?」
カルロ「なるほど…………あいつだけ好き勝手できるってことだな」
カズト「……お前は、火の灯らないマッチに燃料を注ごうってのか?」
カルロ「…………?」
さすがによくわからない
カズト「そうだな、妙案だろうが……」
シルフィ『もっと簡潔に伝えてあげたらどうっすかマスター?』
カズト「……十分簡潔に伝えてる」
シルフィ『あー、じゃあアタイの言い方が違ったっす。マスターは常に言葉足らずっすね』
カズトとシルフィードの会話が何故か聞こえる
カルロ「…………なんでシルフィードがいるんだ」
シルフィ『おやおや、アタイはいつでもいますよ?普通は聞こえないだけっすけど!……君にこの声が聞こえるのは、君が今不完全な状態だからっすね〜』
カズト「…………」
うんざりしてる
カルロ「………カズトの言ったことの翻訳してくれ」
シルフィ『はー、マスターは君の炎をあの赤毛の娘に貸すのか?とそー申してるっす!
君の魔力をあの娘に渡すためには、あの娘が君の魔力を引き出す必要がある。それは道具としての使われ方しかできない、マスターはこう言いたいんすね』
カズト「…………」
カルロ「まぁ、そういうことだけど………。ミラと相談しろってことだな」
カズト「…………」
シルフィ『ついでに、マスターの言葉を引き取るなら……妙案だが、君への負担は大きい。あくまで今の君は道具でしかないことを踏まえておくっすよ』
カズト「平たく言えば死ぬ可能性がある」
カルロ「………そんなに危ないことなのか?」
カズト「危ないもなにも、お前自身が不安定だからな」
シルフィ『何度か魔力抜かれてるっすよね?そのとき何も思わなかったっすか?』
カルロ「………そりゃあ、そうだけど」
シルフィ『そのまま意識を失えば失うほど、目覚めるまでの時間は長くなる。存在そのものが淘汰され、やがて目覚めなくなる。……正直このまま何もしない方が君の身のためではあると思うっすよ?』
カルロ「わかった…………」
どうしてもって時だけにしとくらしい
シルフィ『わかってくれたのならよかったっす。まあ、君とあの娘の相性的には良さそうなんでー、よっぽど無理に削られるなんてことはなさそうっすけどね!本当はマスターが管理してたほうが安心安全だと……』
カズト「…………」
何も前触れなしにミラにブローチ投げた
ミラ「わっ!?」
カルロ「…………?」
ブラン「割れちゃったらどうするんですか!!」
あわあわ
カズト「会話は済んだ。お前が割れないように持ってろ」
ミラ「うん、わかった」
カズト「いざとなればそいつが身を挺して力になってくれるだろ」
ミラ「……?うん」
カルロ「相変わらず雑いなぁ………」
ミラ「カルロ兄、カズトさんと何話してたの?」
カルロ「……お前には難しい話だ」
ミラ「えー」
ブローチを胸につけるよ
ミラ「それで、雪女がいるのは?」
カズト「……こっちだ」
歩いてく
カルロ「どうせ話しても寝そうだしなー」
ミラ「寝ないもーん」ぷんぷん
カズト「……」
カルロ「本読んでもどうせ寝るだろー?それと一緒だー」
ミラ「むー!」
*
そんなこんなで雪ちゃんがいるとこまできたよ
ミラ「吹雪いてる?」
カズト「そうだな」
カルロ「寒くないか………?」
シフォン「寒い〜」
ブランにぎゅーしてる
ミラ「うー寒いよー」
カズト「……誰か、戦ってるな」
ミラ「え?」
カズトが見る方を見るけど、よくわかんない
カルロ「もしかして、フェオか………?」
シフォン「………声ちょっとだけ聞こえるよ〜?」
ミラ「……行ってみよう」
声のする方へ向かいます
格好的にちょんが一番寒そうね
アエリア「………」
カズトさんとブランの間に挟まる
カズト「…………」
邪魔だなーって思ってる
言った方がめんどくさそうなので黙ってる
ブラン「何温まってるんですか………」
アエリア「いいじゃない別にー」
ぎゅー
カズト「離れろ……」
ミラ「フェオー!雷兎ー!」
呼んでる
アエリア「やだー」
むすー
シフォン「どこだろ〜?」
カズト「………………」
嫌そうな顔してるけど、それ以上なにも言わないみたい
フェオ「雷兎さん……!」
フェオはリオを抱えてその場に座ってます
雷兎くんは姿の見えない雪ちゃん相手に苦戦してそう
雷兎「…………」
ちゃんとフェオくんは守ってるよねー
シフォン「フェオお兄さんの声がする〜!」
フェオ「(あの子の姿が見えない……。どこだ。吹雪に紛れてなにも見えない…………)」
辺りを探知してみますが、難しいようです
ミラ「ほんと!?シフォンちゃん案内して!」
シフォン「こっち〜!」
先に走っていきます
さて、雷兎くんはそろそろ危ないかな?
足元に魔法陣が浮かびますね……
雷兎「…………!」
飛んで避けます
魔法陣からはより一層強い吹雪がでてきました
避けたところに氷弾が飛んでくるよ
陣に気を取られてた雷兎くんは当たる?
雷兎「……」
当たったことにしよう
氷弾に当たった雷兎くん、かなり遠くまでふっ飛ばされそう
フェオ「雷兎さんっ!!わ……」
強い吹雪で辺りが見えない
視界から雷兎くんが外れて不安になるよ
フェオ「…………」
立ち上がって辺りを警戒
その背後か目の前に雪ちゃんが?
ミラ「させないよ!」
雪ちゃんがフェオの背後にきたときどこからか声がする
フェオと雪ちゃんの間に双剣を振り下ろしてミラ登場っ
雪「……………!」
下がります
フェオ「……っ、ミラ……?」
ミラ「助けにきたよ、フェオ!」
双剣を構えて、振り返ってニコッする
カルロくんもおしゃべりしていいよ
カルロ「フェオ、無事か?………見えねぇけど」
雪「……………また邪魔された……、つまんない……」
膨れっ面
ミラ「……何度でも邪魔するよ。あなたが私の仲間を傷つけるなら」
フェオ「カルロ兄……?」
姿探すけど見えない
フェオ「っ、それより雷兎さんが……!」
先導してたシフォンちゃんもいますかね
雪「………」
シフォン「フェオお兄さん〜」
フェオくんにぎゅー
フェオ「シフォンちゃん……」
なでなで
フェオはその場で死んでるリオを抱えてたっけな
いつのまにか吹雪も止んでます、かね?
ミラ「……」
雪ちゃんを見てる
シフォン「えへへ」
くっついたまま
ブラン「………リオさん!」
やって来ましたっこり
雪「………なぁに?」
ミラ「…………っ」
目つき鋭くなって剣をぐっと握りしめる
戦う意志はありますが、どうします雪ちゃん?
雪「…………めんどくさい……」
雪ちゃん退散!
ミラ「あ、待て……!」
フェオ「ミラ!」
追いかけようとしたけどフェオの制止
フェオ「追わなくていいよ……」
ミラ「…………わかった」
雪ちゃんに逃げられましたね
フェオの方に近寄るよ
ブラン「………。リオさは大丈夫?」
シフォン「リオお兄さ〜ん」
ゆさゆさ
フェオ「雷兎さんが僕とリオさんを守ってくれたから、僕たちはなんとか大丈夫……。雷兎さんは……」
カズト「……」
気だるそうに雷兎くんとともに奥からきたよ
雷兎「…………」
アエリア「みんな大丈夫ー!?」
カズトさんにくっついてる
カズト「…………」
はなれてくれないかなぁって思ってる
フェオ「アエリア、雷兎さん!それにカズトさん……?」
ミラ「みんないるよー!」
フェオにぎゅーしにいった
フェオ「ミラ!?ちょ……」
シフォンちゃんとミラにだきつかれてる
アエリア「フェオ、ハーレムだねー!」
シフォン「はーれむ?」
きょとん
ミラ「……?」
フェオ「ち、違……!」
照れてます
カズト「…………それで、どうすんだ?」
これからのことです
アエリア「照れてる〜」
カルロ「あいつらはどうにかするとして、ディルのところに行かねぇと……」
フェオ「うー……」
ミラ「そう!早くディルのとこ行こう!」
フェオ「ディルのとこって……?あとカルロ兄は声しか聞こえないけど……どこにいるの?」
キョロキョロ
カルロ「俺はここだよ……」
ブラン「………あれだよ」
ミラちゃんの胸元指さします
ミラ「カルロ兄はこの中にいるよ」
フェオ「へ?」
ペンダント見ますが、いまいち合点いってない
フェオ「どういうこと?」
カルロ「まぁ、こういうことだ」
シフォン「そういうこと〜」
フェオ「…………」
ミラ「そういうこと〜気にしない〜!」
フェオ「いや、気にするでしょ!?」
カズト「……」
一人で先に行こうとする
ミラ「あっカズトさん!」
カズト「行くんだろ?」
ミラ「もちろんだよ!」
カルロ「あんまり気にするな」
ブラン「(あっさりしてる)」
アエリア「一人で行かないのー」
やっぱりカズトさんにしがみつてる
カズト「……」
ぐえってなってる
眉根よせてる
ミラ「カルロ兄も元に戻してあげるからね」
ペンダント撫でます
カルロ「………おう、すまねぇな」
撫でられてるなんて知らない
フェオ「(いったい、何があったんだろう……)」
カズト「またあの雪女とも戦うことになるだろう」
ミラ「あの蜘蛛の子もかな」
カズト「そうだな」
ブラン「あと一応、ボス?もいるわけですね」
カルロ「一応」
カズト「……そうだな」
ちょんの掴む手に力が入ってそうな
カズト「ややこしいが、そいつをどうにかしないとこの洞窟からは出れないだろうな」
ブラン「じゃあ、ボスだけ倒したらでれるってことですね……」
カズト「そうとも言える」
ミラ「じゃあ早くディルのところに……」
フェオ「待ってミラ。てことは敵は三人いるってことだよね?ただ闇雲に探しに行くってのはちょっと無謀じゃないかな……」
カズト「……荷物が邪魔か」
リオのことです
ブラン「(荷物)」
カルロ「(荷物)」
シフォン「リオお兄さん起きないかな〜」
ミラ「リオさんー」
ゆさゆさ
フェオ「カズトさん、リオさんを荷物扱いしちゃだめです!」
カズト「……」
フェオがもろに答えを言ってるなぁって思ってそう(顔には出ない)
カズト「荷物番と特攻組とに分かれるか」
ミラ「荷物番と特攻組?」
ブラン「フェオが黒いや………。ええと、つまりリオさんといるか、敵を倒しに行くかってことですかね?」
フェオ「なーに、ブラン?」
にっこり
カズト「……これ(※リオ)はしばらく使い物にならないだろうな」
ミラ「……んー。カズトさんはどっちにいるの?」
ブラン「な、何もないよ………ははは」
滝汗
カルロ「そりゃあカズトが倒しに行く方がいいだろ」
カズト「え、めんど……」
フェオ「急にめんどくさがらないでくださいよ」
カズト「そうしたら荷物番は誰にするんだ?」
カルロ「とりあえず、シフォンは居させといた方がいいな」
ブラン「それはそうかもしれないですね………」
シフォン「………?」
きょとん
カズト「そうだな」
フェオ「……なら僕も残るよ」
カズト「そうか。てっきり勢い任せにそこの赤毛についてくるものかと思ったが」
ミラ「?」
フェオ「だって……シフォンちゃんだけを置いていくわけにはいかないでしょ?」
ブラン「じゃあ俺も残ろうかな………」
シフォン「じゃあ三人で遊ぼ〜♪」
フェオくんとブランに抱きついてる
フェオ「わ……。シフォンちゃん、僕たち遊ぶわけじゃ……」
ミラ「いいね、楽しそう!シフォンちゃん、フェオとブランと仲良くしててね!」
フェオ「……。わかった、ありがとミラ」
カズト「お前はここに残れ。いい加減邪魔だ」
ちょんを引き剥がすよ
シフォン「うん〜!」
嬉しそうです
ブラン「じゃあ、ミラは行ってくれるんだね………ディルさんをお願いするよ」
アエリア「やだー!!」
またくっつく
ミラ「うん、行くよ。だってカルロ兄にも頼まれてるもん」
フェオ「気をつけてね、ミラ」
カズト「…………」
こちらはめんどいって顔してる
カズト「ならオレもここで寝るか」
フェオ「アエリア……」
アエリア「だってフェオとか守ってくれなさそうだもーん」
むすー
カルロ「こいつ守ってもらう気でいるぞ」
雷兎「……」
フェオ「なっ、何気にひどいこと言われてる気がする……」
カズト「こいつが離れないからあとはそっちでがんばってくれ」
逆にちょんに寄りかかりつつ
アエリア「わ、ちょっと………」
フェオ「カズトさん!」
ミラ「せめて道案内だけでもしてよ〜」
カズトの腕掴んで引っ張ってる
カルロ「完全にやる気なくしてるから引っ張ってこう」
引っ張れない人
ミラ「カズトさんー、行こうよー」
ぐいぐい
カズト「…………」
フェオ「アエリア、結界を張ってくれないかな?それで……僕たちがアエリアを必ず守るから」
カズト「(わー、なんでこいつらこんなにやる気に満ちてるんだろー)」
アエリア「むー、仕方ないなー」
むっすり
フェオ「ありがとう、アエリア」
カズト「…………チッ」
何故か舌打ち
ミラ「ええ、どうしたのカズトさん?」
カズト「めんどい」
フェオ「……?」
するとちょんの足元に小さなお花が咲きました。
アエリア「………?」
お花触ってます
ブラン「なんか生えてきましたね……」
カズト「……」
ちょんが離れたスキにスタスタ行ってしまいます
ミラ「ああ、待ってよー」
腕掴んでたものでそのまま行っちゃう
らいとくんもちゃっかりついてくかな?
アエリア「あーっ!!………ぶう!」
ほっぺぷくー
ブラン「行っちゃった………雷兎さんまで」
フェオ「あっちはあっちで……大丈夫かな?」
足元のお花、どんどん出てくる
フェオ「これは……?」
アエリア「なんのお花だろー?」
ちょんちょん触ってる
?「お近づきの印ってやつなンだ〜」
何かがちょんの足に抱きついてる
フェオ「!?」
アエリア「………ゲノムス!」
うれしそーなちょん
ゲノムス「ンあー。またお話しできて嬉しいンだ!」
なおさらぎゅー
フェオ「ええと……?どちら様?」
ゲノムス「おらはゲノムスなンだー!まぁったく、勇者様は相変わらず辛辣なンだぁ」
フェオ「カズトさんの知り合い……?」
アエリア「わたしも嬉しいー!」
抱っこしてぎゅーしてます
ブラン「知り合い、だね」
ゲノムス「ンわ〜」
フェオ「なんかうれしそう……?それにしてもどこから現れたんだろ?」
ゲノムス「細かいことはいいンだー。それより……荷物番だって楽なわけじゃないンだ」
周りに何かの気配かな
シフォン「小人さんだ〜!」
ゲノさんよしよししてる
ブラン「ええっ………いきなり?」
キョロキョロ
ゲノムス「ンあー」
うれしそうです
フェオ「ただで休ませてくれるわけではないみたいだね……。アエリアは結界を!」
戦闘態勢です
やっぱりというかまあザコ敵の出現です
アエリア「うーん、よろしくねー」
結界張ります
シフォン「よろしくね〜」
ゲノさんつんつんしてる
ゲノムス「ンあ〜」
うれしそうね
一旦カットしましょう
*
洞窟を進みます
ミラ「さっきより寒くなってきたね……」
冷たい空気がまとわりつきますね
辺りにはいくつか氷の塊がころがっているようです
カルロ「全然分かんねぇな………」
雷兎「……」
きょろきょろ警戒しながら進んでます
カルロ「今どんなとこにいるんだ?」
ミラ「今すっごく寒いよ!周りは、こんな感じ!」
ペンダントもって周りをみせてます
カズト「……」
こちらはあくびしてる
緊張感ないな
カルロ「いや、俺は外見えねぇから……」
ため息
カルロ「何があるか聞いてんだー」
ミラ「あー、そうだっけ?なんかね……さむい!」
答えになってません
特に何もなく進んでいくとそろそろ大きめの氷の塊とかも見えてくるかな
ミラ「……氷?あれ、これ……」
氷の中には動物やら人の足やらが入ってますね
もちろん綺麗な花や宝石なんかもあるけど
カズト「コレクション、といったところか」
ミラ「なんか……こわい……」
カルロ「答えになって無さすぎだ………。ああ、コレクションなぁ………」
思い出してる
カルロ「見てて何が楽しいのか分からないけどな」
カズト「この手の変人はざらにいるが、悪趣味だな」
ミラ「……」
いたたまれなくなって氷の塊を触ろうとします
カルロ「集めるもんが嫌すぎんだよ」
雷兎「…………」
ミラちゃん引っ張った
カズト「……」
ミラ「わ、雷兎?」
カズト「触ったら気づかれるだろうな」
ちなみにカズトは誰にもなにもいってませんがシルフィの風を使ってみんなの気配、消してるのかもしれませんね?
雷兎「……」
ミラちゃんぽいちょ
カルロ「またいらないことしようとしたのか?」
ミラ「ちがうもん!だって……この氷の中にいる子がかわいそうで……」
カズト「……ならお前はあとで、またうるさく喚きそうだな」
ミラ「どういうこと……?」
カズト「感情的になるやつはいらんところで体力を使うってことだ」
スタスタ先に行ってしまいますね
カルロ「まぁ、気持ちはわからなくねぇが大人しくしとけって」
雷兎「………」
こっちもスタスタ
カルロ「カズトも仲良くとは言わねえけど、ミラと程よくしてくれよー」
行っちゃったの知らない
ミラ「大丈夫、私とカズトさんはもう仲いいよー?……ちょっと待ってよー」
カズトと雷兎くんのあとを追いかけます
吹雪が強くなってます
カズト「……ここが奥地だな」
カルロくんがいつぞや見た雪ちゃんのお気に入り部屋まできたかな
ミラ「……何、ここ……」
ここまでくると人型のオブジェも多いかもしれないね
カルロ「…………奥地ってことはあそこかー」
正直見えなくてよかった人
カズト「(ずいぶん他人事だな)」
ミラ「…………」
物憂げな顔してる
ミラ「ひどいよ……」
カズト「お前の仲間とやらはあそこだ」
立ち止まってディルがいる場所を指差す
遠慮ないですね
カルロ「カズト、ちょっと隠すとかしてくれよ…………」
ミラ「……ディル?……っ!」
まあ指差す方を見ますよね
慌てて駆け寄ります
当然ピクリとも動かないディルがいるわけですがね
ミラ「ディル、ディルっ……。どうして……」
カズト「あーうるさい。ついでにそんなに大きい声だしたら…………」
さあ、辺りの吹雪がより一層強まってきましたよ
カルロ「………落ち着けってミラ…………溶かせば大丈夫だ」
雷兎「……」
辺り警戒マン
ミラ「吹雪……。っ」
こちらも警戒
カズト「それじゃ、そっちは任せたぞ」
吹雪が強くなって、カズトと雷兎くんの姿が見えなくなりました
カルロ「……大丈夫か?雪女か蜘蛛女……来るかもしれねぇ」
ミラ「うん……。……ディルを助けよう」
ディルの方を向き直って、触って暖めようとしてます
ディルはとても冷たくて、ミラの体温だけじゃ溶けなさそうですけど
カルロ「ディルに触んなよ……あいつすげぇ怒ってくるから」
見えてない人
ミラ「…………」
触ってるよ、の無言
カルロ「…………」
触ったのか、の無言
雪「………誰?」
ミラちゃんの背後に登場
カルロ「……言わんこっちゃねぇ」
ミラ「っ!」
気配を感じて飛び退きます
ミラ「うう、そういうの早く言ってよ!」
雲「あっ!?」
カツンと音がして、雲ちゃんからブローチが外れるよ
ミラ「……!」
それを見ていたミラはすかさずジャンプして、風に乗って飛んできたブローチをキャッチしましたよ
ミラ「……カルロ兄」
ブラン「………!」
ホッとしました
カルロ「………ミラか?そこにいるのか……」
ブラン「…………まさかそれがカルロさん?」
ミラ「うん……。なんとなく……」
ブローチを見つめてる
カズト「そうだ。カルロはその中に閉じこめられてる。……どんな術を使ったんだか知らないがな」
雲「……っこの!!返せよ、アタシのブローチ!」
矢を乱れ撃ち〜
ミラ「わっ!?」
ブラン「閉じ込められて………」
カルロ「(こっから魔法使えねぇかな………)」
考え中
ブラン「………!!」
風で矢を落とします
カズト「傍から見れば魔力増幅の装飾品だがな」
ミラ「こんなことするなんてひどい!どうにか元に戻せないの?」
カズト「……今はなんとも言えないな」
ミラ「そんな……!」
ブラン「どうにかして方法を見つけよう……」
雲「この……。こいつら食ってやるぅ」
ブロート「雲、およしなさい」
雲「んだよポンコツジジィ!」
ブロート「口が悪い……。……一度退くよ」
雲「…………チッ」
ブロート「舌打ちしないで」
戦況が不利だと感じた二人はその場から引いたよ
ミラ「行っちゃった……」
カズト「……」
ミラ「カルロ兄。私たちの声、聞こえるの?」
ブラン「(ポンコツジジイ………)」
カルロ「………聞こえてる」
ミラ「そっか、よかった。カルロ兄は大丈夫なの?」
カルロ「ああ、なんとかな」
ミラ「うう……カルロ兄ー!」
ブローチ抱きしめてる
ミラ「うわー」
嬉しくて泣いてる
カルロ「………何泣いてんだよ」
ブラン「でも、二人逃げちゃいましたね……」
ミラ「だって心配したんだもん!」
カズト「……それで、このあとどうするつもりだ?」
ミラ「ディルを助けにいく!」
カルロ「……ディルなら、雪女のとこにいたぞ」
ミラ「うん……でも、雪女ってどこにいるの?カズトさん、知ってる?」
カズト「ああ」
ミラ「……!なら早く案内して!」
ブラン「雪女って、また強そうだなぁ………」
ミラ「強くても関係ない!」
カズト「……あいつらはどうする?」
後ろに下がってた女の子たちのことです
ブラン「安全なところがあれば置いていきたいですが………なさそうですよね」
カズト「そうだな。ここに置いていけば間違いなく、また連れてくだろ」
ミラ「シフォンちゃんー、アエリアー!」
二人に向かって手を振ってます
ブラン「よっぽど女性が好きなんですね………」
シフォン「ミラちゃ〜ん♪」
ミラちゃんにぎゅー
アエリア「逃げたのね変態野郎」
カズト「そうだな」
ミラ「よし、行こう!」
ブローチは自分の胸元につけました
シフォン「ご〜!」
ブラン「………魔法ですかね?」
宝石見つめてる
カズト「……」
ミラ「うーん?カルロ兄、どんな感じなのー?」
カルロ「どんな感じ、って言われてもなぁ………。カズトのが知ってそうだ」
ミラ「……?カズトさーん」
カズト「石の中の状態までは知らない」
ミラ「わかんないから見てみてー」
カズトにブローチを渡すよ
カズト「はあ。……まあ、簡単に魔力だけは引き抜ける仕組みにはなってるようだな」
カルロ「………。例えばなんだけど、俺から意図的に魔力を渡すことは可能なのか?」
カズト「何を考えているか知らないが、それは不可だな。
ただ、互いの同意の上でお前を"使え"ばそれは意図的な受け渡しになるんじゃないのか?」
カルロ「なるほど…………あいつだけ好き勝手できるってことだな」
カズト「……お前は、火の灯らないマッチに燃料を注ごうってのか?」
カルロ「…………?」
さすがによくわからない
カズト「そうだな、妙案だろうが……」
シルフィ『もっと簡潔に伝えてあげたらどうっすかマスター?』
カズト「……十分簡潔に伝えてる」
シルフィ『あー、じゃあアタイの言い方が違ったっす。マスターは常に言葉足らずっすね』
カズトとシルフィードの会話が何故か聞こえる
カルロ「…………なんでシルフィードがいるんだ」
シルフィ『おやおや、アタイはいつでもいますよ?普通は聞こえないだけっすけど!……君にこの声が聞こえるのは、君が今不完全な状態だからっすね〜』
カズト「…………」
うんざりしてる
カルロ「………カズトの言ったことの翻訳してくれ」
シルフィ『はー、マスターは君の炎をあの赤毛の娘に貸すのか?とそー申してるっす!
君の魔力をあの娘に渡すためには、あの娘が君の魔力を引き出す必要がある。それは道具としての使われ方しかできない、マスターはこう言いたいんすね』
カズト「…………」
カルロ「まぁ、そういうことだけど………。ミラと相談しろってことだな」
カズト「…………」
シルフィ『ついでに、マスターの言葉を引き取るなら……妙案だが、君への負担は大きい。あくまで今の君は道具でしかないことを踏まえておくっすよ』
カズト「平たく言えば死ぬ可能性がある」
カルロ「………そんなに危ないことなのか?」
カズト「危ないもなにも、お前自身が不安定だからな」
シルフィ『何度か魔力抜かれてるっすよね?そのとき何も思わなかったっすか?』
カルロ「………そりゃあ、そうだけど」
シルフィ『そのまま意識を失えば失うほど、目覚めるまでの時間は長くなる。存在そのものが淘汰され、やがて目覚めなくなる。……正直このまま何もしない方が君の身のためではあると思うっすよ?』
カルロ「わかった…………」
どうしてもって時だけにしとくらしい
シルフィ『わかってくれたのならよかったっす。まあ、君とあの娘の相性的には良さそうなんでー、よっぽど無理に削られるなんてことはなさそうっすけどね!本当はマスターが管理してたほうが安心安全だと……』
カズト「…………」
何も前触れなしにミラにブローチ投げた
ミラ「わっ!?」
カルロ「…………?」
ブラン「割れちゃったらどうするんですか!!」
あわあわ
カズト「会話は済んだ。お前が割れないように持ってろ」
ミラ「うん、わかった」
カズト「いざとなればそいつが身を挺して力になってくれるだろ」
ミラ「……?うん」
カルロ「相変わらず雑いなぁ………」
ミラ「カルロ兄、カズトさんと何話してたの?」
カルロ「……お前には難しい話だ」
ミラ「えー」
ブローチを胸につけるよ
ミラ「それで、雪女がいるのは?」
カズト「……こっちだ」
歩いてく
カルロ「どうせ話しても寝そうだしなー」
ミラ「寝ないもーん」ぷんぷん
カズト「……」
カルロ「本読んでもどうせ寝るだろー?それと一緒だー」
ミラ「むー!」
*
そんなこんなで雪ちゃんがいるとこまできたよ
ミラ「吹雪いてる?」
カズト「そうだな」
カルロ「寒くないか………?」
シフォン「寒い〜」
ブランにぎゅーしてる
ミラ「うー寒いよー」
カズト「……誰か、戦ってるな」
ミラ「え?」
カズトが見る方を見るけど、よくわかんない
カルロ「もしかして、フェオか………?」
シフォン「………声ちょっとだけ聞こえるよ〜?」
ミラ「……行ってみよう」
声のする方へ向かいます
格好的にちょんが一番寒そうね
アエリア「………」
カズトさんとブランの間に挟まる
カズト「…………」
邪魔だなーって思ってる
言った方がめんどくさそうなので黙ってる
ブラン「何温まってるんですか………」
アエリア「いいじゃない別にー」
ぎゅー
カズト「離れろ……」
ミラ「フェオー!雷兎ー!」
呼んでる
アエリア「やだー」
むすー
シフォン「どこだろ〜?」
カズト「………………」
嫌そうな顔してるけど、それ以上なにも言わないみたい
フェオ「雷兎さん……!」
フェオはリオを抱えてその場に座ってます
雷兎くんは姿の見えない雪ちゃん相手に苦戦してそう
雷兎「…………」
ちゃんとフェオくんは守ってるよねー
シフォン「フェオお兄さんの声がする〜!」
フェオ「(あの子の姿が見えない……。どこだ。吹雪に紛れてなにも見えない…………)」
辺りを探知してみますが、難しいようです
ミラ「ほんと!?シフォンちゃん案内して!」
シフォン「こっち〜!」
先に走っていきます
さて、雷兎くんはそろそろ危ないかな?
足元に魔法陣が浮かびますね……
雷兎「…………!」
飛んで避けます
魔法陣からはより一層強い吹雪がでてきました
避けたところに氷弾が飛んでくるよ
陣に気を取られてた雷兎くんは当たる?
雷兎「……」
当たったことにしよう
氷弾に当たった雷兎くん、かなり遠くまでふっ飛ばされそう
フェオ「雷兎さんっ!!わ……」
強い吹雪で辺りが見えない
視界から雷兎くんが外れて不安になるよ
フェオ「…………」
立ち上がって辺りを警戒
その背後か目の前に雪ちゃんが?
ミラ「させないよ!」
雪ちゃんがフェオの背後にきたときどこからか声がする
フェオと雪ちゃんの間に双剣を振り下ろしてミラ登場っ
雪「……………!」
下がります
フェオ「……っ、ミラ……?」
ミラ「助けにきたよ、フェオ!」
双剣を構えて、振り返ってニコッする
カルロくんもおしゃべりしていいよ
カルロ「フェオ、無事か?………見えねぇけど」
雪「……………また邪魔された……、つまんない……」
膨れっ面
ミラ「……何度でも邪魔するよ。あなたが私の仲間を傷つけるなら」
フェオ「カルロ兄……?」
姿探すけど見えない
フェオ「っ、それより雷兎さんが……!」
先導してたシフォンちゃんもいますかね
雪「………」
シフォン「フェオお兄さん〜」
フェオくんにぎゅー
フェオ「シフォンちゃん……」
なでなで
フェオはその場で死んでるリオを抱えてたっけな
いつのまにか吹雪も止んでます、かね?
ミラ「……」
雪ちゃんを見てる
シフォン「えへへ」
くっついたまま
ブラン「………リオさん!」
やって来ましたっこり
雪「………なぁに?」
ミラ「…………っ」
目つき鋭くなって剣をぐっと握りしめる
戦う意志はありますが、どうします雪ちゃん?
雪「…………めんどくさい……」
雪ちゃん退散!
ミラ「あ、待て……!」
フェオ「ミラ!」
追いかけようとしたけどフェオの制止
フェオ「追わなくていいよ……」
ミラ「…………わかった」
雪ちゃんに逃げられましたね
フェオの方に近寄るよ
ブラン「………。リオさは大丈夫?」
シフォン「リオお兄さ〜ん」
ゆさゆさ
フェオ「雷兎さんが僕とリオさんを守ってくれたから、僕たちはなんとか大丈夫……。雷兎さんは……」
カズト「……」
気だるそうに雷兎くんとともに奥からきたよ
雷兎「…………」
アエリア「みんな大丈夫ー!?」
カズトさんにくっついてる
カズト「…………」
はなれてくれないかなぁって思ってる
フェオ「アエリア、雷兎さん!それにカズトさん……?」
ミラ「みんないるよー!」
フェオにぎゅーしにいった
フェオ「ミラ!?ちょ……」
シフォンちゃんとミラにだきつかれてる
アエリア「フェオ、ハーレムだねー!」
シフォン「はーれむ?」
きょとん
ミラ「……?」
フェオ「ち、違……!」
照れてます
カズト「…………それで、どうすんだ?」
これからのことです
アエリア「照れてる〜」
カルロ「あいつらはどうにかするとして、ディルのところに行かねぇと……」
フェオ「うー……」
ミラ「そう!早くディルのとこ行こう!」
フェオ「ディルのとこって……?あとカルロ兄は声しか聞こえないけど……どこにいるの?」
キョロキョロ
カルロ「俺はここだよ……」
ブラン「………あれだよ」
ミラちゃんの胸元指さします
ミラ「カルロ兄はこの中にいるよ」
フェオ「へ?」
ペンダント見ますが、いまいち合点いってない
フェオ「どういうこと?」
カルロ「まぁ、こういうことだ」
シフォン「そういうこと〜」
フェオ「…………」
ミラ「そういうこと〜気にしない〜!」
フェオ「いや、気にするでしょ!?」
カズト「……」
一人で先に行こうとする
ミラ「あっカズトさん!」
カズト「行くんだろ?」
ミラ「もちろんだよ!」
カルロ「あんまり気にするな」
ブラン「(あっさりしてる)」
アエリア「一人で行かないのー」
やっぱりカズトさんにしがみつてる
カズト「……」
ぐえってなってる
眉根よせてる
ミラ「カルロ兄も元に戻してあげるからね」
ペンダント撫でます
カルロ「………おう、すまねぇな」
撫でられてるなんて知らない
フェオ「(いったい、何があったんだろう……)」
カズト「またあの雪女とも戦うことになるだろう」
ミラ「あの蜘蛛の子もかな」
カズト「そうだな」
ブラン「あと一応、ボス?もいるわけですね」
カルロ「一応」
カズト「……そうだな」
ちょんの掴む手に力が入ってそうな
カズト「ややこしいが、そいつをどうにかしないとこの洞窟からは出れないだろうな」
ブラン「じゃあ、ボスだけ倒したらでれるってことですね……」
カズト「そうとも言える」
ミラ「じゃあ早くディルのところに……」
フェオ「待ってミラ。てことは敵は三人いるってことだよね?ただ闇雲に探しに行くってのはちょっと無謀じゃないかな……」
カズト「……荷物が邪魔か」
リオのことです
ブラン「(荷物)」
カルロ「(荷物)」
シフォン「リオお兄さん起きないかな〜」
ミラ「リオさんー」
ゆさゆさ
フェオ「カズトさん、リオさんを荷物扱いしちゃだめです!」
カズト「……」
フェオがもろに答えを言ってるなぁって思ってそう(顔には出ない)
カズト「荷物番と特攻組とに分かれるか」
ミラ「荷物番と特攻組?」
ブラン「フェオが黒いや………。ええと、つまりリオさんといるか、敵を倒しに行くかってことですかね?」
フェオ「なーに、ブラン?」
にっこり
カズト「……これ(※リオ)はしばらく使い物にならないだろうな」
ミラ「……んー。カズトさんはどっちにいるの?」
ブラン「な、何もないよ………ははは」
滝汗
カルロ「そりゃあカズトが倒しに行く方がいいだろ」
カズト「え、めんど……」
フェオ「急にめんどくさがらないでくださいよ」
カズト「そうしたら荷物番は誰にするんだ?」
カルロ「とりあえず、シフォンは居させといた方がいいな」
ブラン「それはそうかもしれないですね………」
シフォン「………?」
きょとん
カズト「そうだな」
フェオ「……なら僕も残るよ」
カズト「そうか。てっきり勢い任せにそこの赤毛についてくるものかと思ったが」
ミラ「?」
フェオ「だって……シフォンちゃんだけを置いていくわけにはいかないでしょ?」
ブラン「じゃあ俺も残ろうかな………」
シフォン「じゃあ三人で遊ぼ〜♪」
フェオくんとブランに抱きついてる
フェオ「わ……。シフォンちゃん、僕たち遊ぶわけじゃ……」
ミラ「いいね、楽しそう!シフォンちゃん、フェオとブランと仲良くしててね!」
フェオ「……。わかった、ありがとミラ」
カズト「お前はここに残れ。いい加減邪魔だ」
ちょんを引き剥がすよ
シフォン「うん〜!」
嬉しそうです
ブラン「じゃあ、ミラは行ってくれるんだね………ディルさんをお願いするよ」
アエリア「やだー!!」
またくっつく
ミラ「うん、行くよ。だってカルロ兄にも頼まれてるもん」
フェオ「気をつけてね、ミラ」
カズト「…………」
こちらはめんどいって顔してる
カズト「ならオレもここで寝るか」
フェオ「アエリア……」
アエリア「だってフェオとか守ってくれなさそうだもーん」
むすー
カルロ「こいつ守ってもらう気でいるぞ」
雷兎「……」
フェオ「なっ、何気にひどいこと言われてる気がする……」
カズト「こいつが離れないからあとはそっちでがんばってくれ」
逆にちょんに寄りかかりつつ
アエリア「わ、ちょっと………」
フェオ「カズトさん!」
ミラ「せめて道案内だけでもしてよ〜」
カズトの腕掴んで引っ張ってる
カルロ「完全にやる気なくしてるから引っ張ってこう」
引っ張れない人
ミラ「カズトさんー、行こうよー」
ぐいぐい
カズト「…………」
フェオ「アエリア、結界を張ってくれないかな?それで……僕たちがアエリアを必ず守るから」
カズト「(わー、なんでこいつらこんなにやる気に満ちてるんだろー)」
アエリア「むー、仕方ないなー」
むっすり
フェオ「ありがとう、アエリア」
カズト「…………チッ」
何故か舌打ち
ミラ「ええ、どうしたのカズトさん?」
カズト「めんどい」
フェオ「……?」
するとちょんの足元に小さなお花が咲きました。
アエリア「………?」
お花触ってます
ブラン「なんか生えてきましたね……」
カズト「……」
ちょんが離れたスキにスタスタ行ってしまいます
ミラ「ああ、待ってよー」
腕掴んでたものでそのまま行っちゃう
らいとくんもちゃっかりついてくかな?
アエリア「あーっ!!………ぶう!」
ほっぺぷくー
ブラン「行っちゃった………雷兎さんまで」
フェオ「あっちはあっちで……大丈夫かな?」
足元のお花、どんどん出てくる
フェオ「これは……?」
アエリア「なんのお花だろー?」
ちょんちょん触ってる
?「お近づきの印ってやつなンだ〜」
何かがちょんの足に抱きついてる
フェオ「!?」
アエリア「………ゲノムス!」
うれしそーなちょん
ゲノムス「ンあー。またお話しできて嬉しいンだ!」
なおさらぎゅー
フェオ「ええと……?どちら様?」
ゲノムス「おらはゲノムスなンだー!まぁったく、勇者様は相変わらず辛辣なンだぁ」
フェオ「カズトさんの知り合い……?」
アエリア「わたしも嬉しいー!」
抱っこしてぎゅーしてます
ブラン「知り合い、だね」
ゲノムス「ンわ〜」
フェオ「なんかうれしそう……?それにしてもどこから現れたんだろ?」
ゲノムス「細かいことはいいンだー。それより……荷物番だって楽なわけじゃないンだ」
周りに何かの気配かな
シフォン「小人さんだ〜!」
ゲノさんよしよししてる
ブラン「ええっ………いきなり?」
キョロキョロ
ゲノムス「ンあー」
うれしそうです
フェオ「ただで休ませてくれるわけではないみたいだね……。アエリアは結界を!」
戦闘態勢です
やっぱりというかまあザコ敵の出現です
アエリア「うーん、よろしくねー」
結界張ります
シフォン「よろしくね〜」
ゲノさんつんつんしてる
ゲノムス「ンあ〜」
うれしそうね
一旦カットしましょう
*
洞窟を進みます
ミラ「さっきより寒くなってきたね……」
冷たい空気がまとわりつきますね
辺りにはいくつか氷の塊がころがっているようです
カルロ「全然分かんねぇな………」
雷兎「……」
きょろきょろ警戒しながら進んでます
カルロ「今どんなとこにいるんだ?」
ミラ「今すっごく寒いよ!周りは、こんな感じ!」
ペンダントもって周りをみせてます
カズト「……」
こちらはあくびしてる
緊張感ないな
カルロ「いや、俺は外見えねぇから……」
ため息
カルロ「何があるか聞いてんだー」
ミラ「あー、そうだっけ?なんかね……さむい!」
答えになってません
特に何もなく進んでいくとそろそろ大きめの氷の塊とかも見えてくるかな
ミラ「……氷?あれ、これ……」
氷の中には動物やら人の足やらが入ってますね
もちろん綺麗な花や宝石なんかもあるけど
カズト「コレクション、といったところか」
ミラ「なんか……こわい……」
カルロ「答えになって無さすぎだ………。ああ、コレクションなぁ………」
思い出してる
カルロ「見てて何が楽しいのか分からないけどな」
カズト「この手の変人はざらにいるが、悪趣味だな」
ミラ「……」
いたたまれなくなって氷の塊を触ろうとします
カルロ「集めるもんが嫌すぎんだよ」
雷兎「…………」
ミラちゃん引っ張った
カズト「……」
ミラ「わ、雷兎?」
カズト「触ったら気づかれるだろうな」
ちなみにカズトは誰にもなにもいってませんがシルフィの風を使ってみんなの気配、消してるのかもしれませんね?
雷兎「……」
ミラちゃんぽいちょ
カルロ「またいらないことしようとしたのか?」
ミラ「ちがうもん!だって……この氷の中にいる子がかわいそうで……」
カズト「……ならお前はあとで、またうるさく喚きそうだな」
ミラ「どういうこと……?」
カズト「感情的になるやつはいらんところで体力を使うってことだ」
スタスタ先に行ってしまいますね
カルロ「まぁ、気持ちはわからなくねぇが大人しくしとけって」
雷兎「………」
こっちもスタスタ
カルロ「カズトも仲良くとは言わねえけど、ミラと程よくしてくれよー」
行っちゃったの知らない
ミラ「大丈夫、私とカズトさんはもう仲いいよー?……ちょっと待ってよー」
カズトと雷兎くんのあとを追いかけます
吹雪が強くなってます
カズト「……ここが奥地だな」
カルロくんがいつぞや見た雪ちゃんのお気に入り部屋まできたかな
ミラ「……何、ここ……」
ここまでくると人型のオブジェも多いかもしれないね
カルロ「…………奥地ってことはあそこかー」
正直見えなくてよかった人
カズト「(ずいぶん他人事だな)」
ミラ「…………」
物憂げな顔してる
ミラ「ひどいよ……」
カズト「お前の仲間とやらはあそこだ」
立ち止まってディルがいる場所を指差す
遠慮ないですね
カルロ「カズト、ちょっと隠すとかしてくれよ…………」
ミラ「……ディル?……っ!」
まあ指差す方を見ますよね
慌てて駆け寄ります
当然ピクリとも動かないディルがいるわけですがね
ミラ「ディル、ディルっ……。どうして……」
カズト「あーうるさい。ついでにそんなに大きい声だしたら…………」
さあ、辺りの吹雪がより一層強まってきましたよ
カルロ「………落ち着けってミラ…………溶かせば大丈夫だ」
雷兎「……」
辺り警戒マン
ミラ「吹雪……。っ」
こちらも警戒
カズト「それじゃ、そっちは任せたぞ」
吹雪が強くなって、カズトと雷兎くんの姿が見えなくなりました
カルロ「……大丈夫か?雪女か蜘蛛女……来るかもしれねぇ」
ミラ「うん……。……ディルを助けよう」
ディルの方を向き直って、触って暖めようとしてます
ディルはとても冷たくて、ミラの体温だけじゃ溶けなさそうですけど
カルロ「ディルに触んなよ……あいつすげぇ怒ってくるから」
見えてない人
ミラ「…………」
触ってるよ、の無言
カルロ「…………」
触ったのか、の無言
雪「………誰?」
ミラちゃんの背後に登場
カルロ「……言わんこっちゃねぇ」
ミラ「っ!」
気配を感じて飛び退きます
ミラ「うう、そういうの早く言ってよ!」