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第六陣

カズト「…………歩きづらい」

ミラ「あ、ブラン!」
見つけました
駆け寄ります
アエリア「いいのー」

ブラン「ミラ……?」
シフォン「……!お兄ちゃん!」

カズト「……邪魔」

ミラ「ブラン、今助けるからね!」
剣を取り出して糸を斬ろうとします

アエリア「……」
離れない

ブラン「あんまり近づかない方が……」

カズト「……めんどくさいなお前」

ミラ「全然切れない〜」
頑張ってる
すると遠くでカチャリと音がしたよ

アエリア「失礼ねー」
むすっ

ブラン「……」
シフォン「………?何か音がしたよ〜?」

カズト「…………」
気怠そう

ミラ「え、何……?」
またカチャリと音がする
ミラも何かの気配を感じてる

アエリア「なによー」

シフォン「う〜ん……」
きょろきょろ

カズト「別に」

ミラ「……ブラン、大丈夫?」
警戒しつつ心配

アエリア「………」

ブラン「うん………」
二人の頭上でコウモリが何匹か飛んでるね

カズト「……あまりゆっくりもしてられないな」

ミラ「今助けるからね!……うーん、でも剣じゃ切れないよこの糸」
またカチャリと音がしたね
さっきよりも近い

アエリア「…………何かわかったの?」
さらにくっつく

ブラン「俺はいいから、周りに注意して……」
シフォン「…………」

カズト「すでにオレらの位置は向こうにバレてる」

ミラ「ほっとけないよ!……周り?」
キョロキョロ
ちなみに地獄絵図は周りが暗すぎて見えてません

アエリア「…………」

ブラン「音だよ、音……」

カズト「行くぞ」
急にちょん抱えるよ、お姫様抱っこ

ミラ「音……?」
カチャリ、かなり近くで音がするよ

アエリア「ちょ、ちょっと………!」
びっくりしますがしっかりくっつきます

シフォン「…………??」
上下左右きょろきょろしまくってる

そのままものすごい速さでその場から去ります

ミラ「……後ろ!」
シフォンちゃんの手を引いてその場から飛び退く

アエリア「きゃっ!?」

シフォン「わっ……」
ブラン「………!」
シフォンちゃんがいたところになにかが攻撃しました
ミラ「……何?」
剣を構えます

そこには大きな蜘蛛が二人を睨んでますな
ついでに辺りの地獄絵図も見えちゃうかな
シフォン「…………」
ミラちゃんの後ろに隠れた

ミラ「……!何、こいつ……(それに……骨?)」

フェオ「雷兎さんっ」

シフォン「うう………」
ぎゅーってしてる

雷兎「……」

巨大な蜘蛛はミラたちを睨みつけて威嚇してる
ミラ「……(どうしよう……でも、まずは)シフォンちゃん!私があれを引きつけるから……ブランのとこに!」

フェオ「……ここ、どこですか!」

シフォン「う、うん………!」
ブランの方に走り出します

雷兎「………………」

ミラ「こっちだよ!」
蜘蛛に向かってきりつけます
シフォンちゃんが歌ってくれたら蜘蛛は弱まりそうだね

フェオ「いや、こうなる気はしてたんですけどね。でもミラたちとはぐれるとは思いもしなかった……」
辺りは冷たい空気がまとわりつきますね
氷の塊もいくつか転がってる
フェオ「雷兎さんはどこかいかないでくださいね……」

シフォン「お兄ちゃん〜」
ブラン「シフォン………」
シフォン「う〜ん……」

雷兎「…………」
なんも言わない

ミラ「(二人を守らないと……!)」
頑張って戦ってます

フェオ「それに……ここ、寒い。さっきの……」
雪ちゃんのこと思い出してる
フェオ「……また会いそうな気がする」

シフォン「………」
どうしたらいいか分かんないからとりあえず糸に弓飛ばしてます

雷兎「………」

ミラ「……!だめ!」
標的がシフォンちゃんに変わりましたね

フェオ「……と、とにかく進みましょ」
ちょっとこわがってそう

シフォン「……!」
怖くて動けない!

雷兎「……」

ミラ「っ!」
素早く近づいて背中から斬りつける

フェオ「……みんなどこ行ったんだろう……」
少し吹雪いてくるかな?

シフォン「わ………」

雷兎「………」
ちょっと警戒してる

蜘蛛は痛がってますね(おしりが弱点なのかな)
ミラ「近づけさせない!私が相手だ!」
もう一本の剣を構えて、自分を鼓舞するために声を張り上げるよ

フェオ「……!また、吹雪……」
顔の前に腕を出して吹雪よけにしてるね
歩みが遅くなる

シフォン「………ミラちゃん……」
ブラン「シフォン、歌を歌うんだ」
シフォン「………」

雷兎「………」
さりげなくフェオくんの前に立ちます

ミラ「いくよ!」
双剣に炎を灯して、ふたたび蜘蛛に向かって攻撃しつづける

フェオ「っ、雷兎さん?」

シフォン「………~♪」
歌い始めた
声綺麗なんだよ

雷兎「………」
吹雪避けになってあげてる

ミラ「……っ」
さっきの怪我が響いて痛そうだ
蜘蛛が襲いかかってきた直後、歌が響く
ミラ「……?シフォンちゃん……」
蜘蛛の動きが止まる

フェオ「雷兎さん……。大丈夫ですよ……!」
雷兎くんの前に出ます
フェオ「それにしても、この吹雪……まさか」

ブラン「効いてる……」

雷兎「………」

ミラ「っ!今のうちに……どうだ!!」
素早く後ろに回って連続で斬りつける

フェオ「考えすぎかも……。とりあえず、吹雪から抜けましょう」
前が見えないくらい強くなってきた
フェオ「…………」
警戒して水の結界を張りました

ブラン「………」

「………そんなに、雪といたいの?」
後ろから声が聞こえます

ミラ「……。ブラン!」
蜘蛛が動かなくなったのを確認してブランくんたちの方に駆け寄る

フェオ「……!?」
思わず振り返る
ブラン「ミラ………大丈夫?」
シフォン「よかった〜」

雪「………」
バリアの中に入ってるよね

ミラ「なんとか……。なんか急に弱まったような?」

フェオ「え、ちょっ、なんで……!?」
かなりテンパってます
ついでに雷兎くんの姿も吹雪で見えないですね

ブラン「……歌の効果があつたみたいだね」

雪「……なんでだろ?」

ミラ「シフォンちゃんの歌に聞き入ってたのかな?」

フェオ「……っ!」
慌てて結界解く

シフォン「僕の歌よかった〜?」
ミラちゃんにくっつく

雪「遅いよ………」
フェオくん足元から凍ってきそう

ミラ「うん!とってもよかったよ!」
きゃっきゃっ

フェオ「……!!」

シフォン「やった〜♪」
ぴょんぴょん
ブラン「…………」
一安心

雷兎「……」
雪「…………!」
雷兎くん斬りかかってきたので離れます
凍るのも止まるね

ミラ「あ、そうだ……ブランの糸、まだ切れないかな?」
もっかい切ろうとしてます

フェオ「雷兎さん……!」
リオは背負ったままかな?

ブラン「また蜘蛛が出てくるかもしれないからやめときなよ……」

雷兎「………」
背負ったままよ

ミラ「そのときはまた倒すよ」
歌の力でさっきより糸が切れてるかも

フェオ「…………ごめんなさい……」
とても申し訳ない顔してる
フェオ「(この氷……どうにかして溶けないかな……)」
頭巡らせてます

ブラン「ありがとう」

雷兎「………」

ミラ「これも歌の影響?」
糸切ってます

フェオ「雷兎さん、僕のことはいいから逃げてください!そんな手負いの状態じゃかえって危険です……」
フェオは考えたけど、何もおもいつかなかったようです

ブラン「だと思う……」
シフォン「えへへ〜」
嬉しそうだ

雷兎「………」
と言っても動くわけなく

ミラ「シフォンちゃんすごいね!っと」
糸を全部切りました、ブランくんが倒れてくるのを受け止めます
まだ動けないかな?

フェオ「雷兎さん……」

ブラン「……わぁ」
シフォン「ミラちゃんもすご〜い!」
ブラン「(恥ずかしいなこの状態)」

雷兎「………」
槍で凍ったとこつんつん

ミラ「えへへ〜!ブラン、大丈夫?」

フェオ「…………凍ってます……」
申し訳なさそう

ブラン「うん……」

雷兎「……」
軽く構えてます

ミラ「よかった〜」
ブランくんぎゅー

フェオ「……雷兎さん?まさか…………」

ブラン「ちょ、ちょっと……」
シフォン「よかった〜♪」
一緒にぎゅー

雷兎「………」
そのまま凍ってるとこ突いた!
上手いことフェオくん傷つけてない

ミラ「このまま逃げよう!こんな気味悪いとこ、もういいよね!」
ブランくん抱えるよ

フェオ「わあーっ!?」
咄嗟に目つむった
凍ってるとこだけ弾けますね〜
フェオ「……?」
後ろによろけてその場に座り込む
フェオ「あ……。ありがとう雷兎さん」

ブラン「わっ!?」

雷兎「……………」

ミラ「シフォンちゃんも!」
ブランくん抱えながらシフォンちゃんの手をとる

吹雪は収まりませんね
フェオ「……あの子、まだ近くにいるのかな」

シフォン「うん……」

雷兎「………」

「……どこに行くのかな?」
ミラ「!」
行く手を遮るようにコウモリの大群
その中からブロートさんが姿を現すよ
ブロート「雲のやつ、ここまで自室にさせといて呑気なものだね」
ミラ「誰……?」

フェオ「…………」

ブラン「………!」
シフォン「お兄さん、だぁれ?」
首傾げてる

雷兎「………」

ブロート「……ああ、紹介が遅れたね。僕は――」
ミラ「…………」
シフォンちゃんの手を引いて逃げようとする
ブロート「……人に名前を聞いといて途中で逃げるのは反則じゃないかなぁ?」
でも瞬間的にシフォンちゃんとミラの間に割って入ってきて遮るよ
ミラ「!」

フェオ「……きみは誰?なんでこんなことするの……?」
吹雪に向かって言う

シフォン「………!」
びっくり

雷兎「…………」

ブロート「僕は今機嫌が悪い。大人しくしてないと、何するかわからないよ?」
強引にシフォンちゃんを引っ張って自分の腕の中にひきこむ
首筋に口を近づけると、鋭い牙が見えるね
ミラ「シフォンちゃん!」
シフォン「…………!!」
とってもびっくりしてるし怯えてる

ミラ「……っ」
ブロートさん睨んでる
ブロート「ふうん、君はとても耳が長いね。何でもよく聞こえそうだ」
笑いながら耳触ってる
シフォン「…………やめてよ……」
こわいん

ミラ「シフォンちゃんを離せ!」
ブロート「僕は大人しくしてろと言ったはずだが?」
ミラ「……っ」
ミラとブランくんの周りにコウモリがたかってます
シフォン「離してよ………」
ブラン「…………」
動きたいけど動けない

ブロート「君もずいぶんと可愛らしいね。僕のお嫁さんにしたいくらいだ……」
顔近いよー
そんなとき、ブロートさん目掛けて風の刃が飛んできたよ
ブロート「!?」
ブラン「シフォン………!」
シフォン「わっ!」
伏せます

ブロート「っ、誰だ!?」
ミラ「……?」
カズト「…………」
彼らの前にアエリアちゃんを抱えたままのカズトが立ってたよ
ブロート「貴様……!」
アエリア「シフォンちゃん……!」
シフォン「離してっ!」
スキを見てじたばた

ブロート「あっ」
ふたたびブロートさんの周りに強風が吹いて、シフォンちゃん離してしまうね
カズト「……めんどいな」
ミラ「カズトさん!アエリア!」
いつのまにかコウモリもいなくなってたので、近くに寄ってくるよ
シフォン「………!」
ミラちゃん達の方に走っていく

ブロート「くっ……この!」
カズト「……風が乱れて、コウモリたちは連携が取れないようだな」
コウモリたちはめちゃくちゃに飛び回ってるね
ミラたちのそばにアエリアちゃんを下ろすよ

ミラ「アエリア!よかった、無事で……!」
アエリア「ごめんね、心配かけて………」
シフォン「うわぁん!」
2人に抱きつきます
ブラン「(疎外感)」

ミラ「アエリア、なんかいつもと違う……?」
服変わったままですね
ブロート「髪が乱れるからやめろ!!」
雲「んで、何してんのボス?」
ブロート「!」

カズト「……」
シフォン「ホントだ〜?」
アエリア「…………」
恥ずかしくなってきた
ブラン「………!さっきの……」

ミラ「かわいいよー!……さっきの?」
雲「つーかぁ、勝手に人の部屋入ってくんなっつったしぃ。アタシのおやつ取られてるしぃ。大事なペットも倒されてるしぃ。……ちょっと雪ちゃんとこ行ってただけなのに、なにこれ最悪ぅ」
ブロート「……いや、これには理由が……」
雲「無理、聞きたくなぁい。どぉせ女の子に目が眩んで追い回してただけなんでしょぉ?そんで逃げられてぇ頭に血が上ってぇ、結局逃げられてんでしょ?バッカじゃないのぉ?」
ブロート「…………」
ブラン「(リーダーのはずなのに言い負かされてる)」

雲「……で?みんな捕まえればいいのぉ?」
ブロート「そうだ!女の子以外は食い殺して構わないよ!」
ミラ「……?」
雲ちゃんの胸元をずっと見てるよ
違和感を感じてるみたい
雲「なにジーッと見てんのぉ?キモいよぉ」
胸元のブローチが光るとミラたちを囲むようにたくさんの大きい蜘蛛が現れたよ
ミラ「!」

ブラン「そういえば、カルロさんはどこだろ………」
そろそろ動けるかねぇ
シフォン「カルロお兄さんいるの〜?」

動けるってことにしようか
ミラ「カルロ兄……」
カズト「……」
珍しく剣を持って戦ってくれるみたいですね
ミラ「…………もしかして」
再び雲ちゃんの方を見る

ブラン「…………ありがとうミラ」
ミラちゃんからやっとこさ降りる
アエリア「(珍しくやる気)」
ミラ「ブラン!もう大丈夫なの?」
それでもリオに撃たれたところはまだ痛むかもね
雲「ってか最悪ぅ。毒抜けちゃったのぉ?」
カズト「……」
蜘蛛斬ってる、全部一撃で沈めます
雲「む……。これはぁボスも苦戦するかぁ。アンタ強いねぇ?」

ブラン「うん………いててっ」
胸とか抑えてる
ブラン「俺も戦います」
風の弓構える
ミラ「無茶しちゃだめだよ!」
ブランくんの前に立って蜘蛛を斬るよ
ミラ「……カルロ兄、そこにいるの?」
雲ちゃんに剣先向けて睨みます
カズト「(……やっぱりこいつは気づくのか)」

雲「…………はあ?」
ちょっと表情変わったよね
ブラン「カルロさん……どこにもいないけど………」
シフォンとアエリアは端っこにでもいるかね

雲「うるさいなぁ。アンタの知るとこじゃないでしょぉ?」
ミラを狙って攻撃してきます
ミラ「!」
カズト「……」
カルロ兄もそろそろ起きます?
ブラン「………ミラ!」
風の矢で攻撃します

カルロ「……?」
お目覚めよ
ミラ「ありがと、ブラン!たあ!」
こちらも雲ちゃんに向かって走ります
雲「……!」
間に蜘蛛を滑り込ませてガードするよ

ブラン「蜘蛛の数が多いなぁ……」
カルロ「………」
きょろきょろ
ミラ「カルロ兄!いるんでしょ?返事して!」
雲「……ここにはいないっつのぉ!ウザいよぉ!」
ミラから距離をとって、弓を構える

カズト「お前」
ブランくんのそばにくる
カズト「的あては得意か?」
カルロ「………(ミラ?)」
ブラン「ええっ………まぁ、できますけど……」
この自信なさそうな

ミラ「……!」
ミラめがけて飛んできた矢を避ける
雲「しつこい!」
さらに追撃
カズト「あいつのブローチの金具だけを狙え」
カルロ「……ミラ、どこだ……?」

ブラン「…………本気で言ってるんですか!?あの子に当たったらどうするんですか!?」
ミラ「うわっ!?」
避ける
ミラ「カルロ兄?ここだよ!」
雲「チッ……まだ生きてたんだぁ。けっこうしぶといねぇ?」

カズト「まず敵の心配か」
鼻で笑った
カズト「それよりも味方の心配をしろ。ブローチの宝石部分にはあてるな」
カルロ「………(どうなってるか全然分かんねぇ)」

ブラン「……と、とりあえずやってみます」
深呼吸してゆっくり構えます
ブラン「……………」
しばらく静止すると矢を放ちました
カズト「…………」
矢はまっすぐ飛んでって……

雲「!」
気づかれた、矢は小さな蜘蛛の子に阻まれてしまった
雲「援護射撃ってやつぅ?ウザぁい!!」
ブランくんめがけて矢を三本同時に放ちます

ブラン「…………!」
こっちも三本矢を飛ばして防ぎます
ブラン「………難しそうですよ、カズトさん……」

カズト「…………」
何もいわずに雲ちゃんに向かっていきます
道はつくるからもう一度やれってさ
雲「……!」
カズトが雲ちゃんに攻撃しています
ブラン「(動いてるから、難しいけど………)」
もっかい構えると、狙い定めて矢を放つよ
雲「(つよっ……!?)アンタ意味わかんない!」
カズト「……風に踊れ」
雲「はぁ?!」
雲ちゃんの周りに強い風が吹く
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