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01 温泉宿編

ディル「トビさん、やっぱりお酒強いですね!こんなに対等に飲める人は久々ですよ。でもそろそろいい時間ですね……この辺でお開きにしましょうか?」

+

トビ「私もあまり飲める人を見たことないね!そうだね、皆はもう寝ているかもしれないし……また頼むよ!」

+

ディル「はい、楽しかったです!」
トビさんの分までお支払いして、カフェから出る
ディル「途中まで送りますよ」

+

トビ「……私の分までよかったのかい?大丈夫だよ、君ももう疲れただろう?早く部屋に戻って休みなよ」

+

ディル「心配ないですよ!女子部屋の場所はオレらの部屋の通り道ですし、送らせてください。というか、まだトビさんとお話ししたいから、オレのわがままに付き合ってください」

+

トビ「また何か私から奢らせてもらうよ!ならお言葉に甘えようかな。私と話をしたいなんて物好きだね」

+

ディル「物好きじゃないですよ、トビさんが好きなんですよ」
ニコリと笑う

+

ディル「トビさんって、強いですよね。なんか特別なことでもしてるんですか?」

+

トビ「はは、私もディルくんのことは好きだよ。……君の方が幾分か強いさ。特別なことなんてしていないよ……ただただ練習あるのみだよ」

+

ディル「えへへ、ありがとうございます。おれもひたすら練習した結果ですよ」

レンカ「部屋に帰ったら布団が敷かれていた」
ミラ「うわあい!暖かいー!」
ミナ「きっとあの人でしょー」
ヴァニラ「十中八九そうだな……。ミラ、わたしのところの布団まで乗らないでくれ。……ミラ?」
ミラは寝てる!
レンカ「はやっ!?寝んの早くねこいつ!……しょうがねぇなあ」
ミラを抱えて自分の布団へ動かす
ヴァニラ「助かる」

+

シフォン「僕もレンカお姉さんと寝る〜♪」
レンカさんぎゅー
アエリア「フリスちゃんとトビさんがまだ帰ってきてないなぁ」
シラ「これが……お布団…」
ずっと手で触ってる

+

レンカ「わ、シフォン!……うーん、今日はとりあえず寝ようか。二人もすぐに帰ってくるだろうし」
フリス「やっほーただいまー。おお、みんな寝る体勢なんだね」
そこへフリスが帰ってきた
ヴァニラ「噂をすれば、だな」
フリス「そうなの?てかヴァニラ……その三つ編みのまま寝るの?」
ヴァニラ「いつもだが?」

+

シフォン「スピー………」
抱きついたまま寝た!
アエリア「あ、フリスちゃんおかえり〜」
布団に籠る

+

レンカ「うっそだろ、この状態で寝んのかよ!?……やれやれ」
シフォンちゃんを布団に運び込む
フリス「寝るのはやっ。ヴァニラ、髪とかそうか?」
ヴァニラ「いや、大丈夫だ……髪を解くと溜めている魔力が逃げてしまうんだ……」
フリス「すごい長そうだもんね……」
レンカ「はーあ、アタシも寝ようかな」
布団に潜る
フリス「レンカおやすみ。シラは何をしてるの?」
ミナはいつの間にか寝ていた!

+

アエリア「髪を解くだけで魔力が逃げるんだ……大変だね」
シラ「………お布団というものが初めてで……」
布団の上に乗ったまま座ってる
シラ「この布と布の間に入ればいいんですか……?」

+

シラ「フリスさんもお布団初めてなんですね……!」
適当に布団に入る
シラ「顔が出ないですー!」
全身布団の中

+

フリス「いつも寝るのはベッドだからなあ」
ヴァニラ「ふふ、全部埋もれてるぞ」
少し毛布をめくって、上に引っ張り枕に乗せる。毛布を戻す。その隣の布団に潜る
ヴァニラ「寝ようか。眠れないなら隣においで」

+

シラ「ありがとうございます……窒息するかと思いました。が、頑張って見ます…!」
ぎゅっと目を瞑る

+

ヴァニラ「……寝るのにそんな緊張しなくてもいいぞ。おやすみ」
手を伸ばしてそっと撫でる



ディル「じゃあ、おやすみなさいトビさん。また明日お会いしましょう!」
部屋の前で別れを告げる

+

トビ「ああ、おやすみ!」
部屋のドアをそっと開ける
トビ「(……皆寝てるね………あれ?)」
シラ「(寝れないです……)」
布団の中でもぞもぞしてる

+

ヴァニラ「……」
そんな様子を隣で見てた。もう片方の隣の寝相悪いミラに蹴られまくって寝れていない様子。ミラは布団はいで真横に寝てる
ヴァニラ「(この際ミラは無視するとして、寝れないのだろうか)」
フリス「(んー、慣れない環境って、寝づらいなあ……)」
ちょっと寝返りの回数が多い

+

トビ「(フリスちゃんも起きているのかな?)」
シラ「(はわわ……トビさんも帰ってきちゃいました……どうしましょう……)」
頭を毛布に埋める

トビ「フリスちゃん……羊を数えてみなよ。効果あるか知らないけどね」
布団に入りながら小声で

+

フリス「ん……ありがとうございます……(羊……ムーちゃん?)」
フリスは頭の中でムーちゃんを数えだした。無限増殖するムーちゃん……。

ヴァニラ「(わたしが寝れない時、姉様はどうしてくれたかな……。そうだな、ずっと側にいてくれた)
シラ、起きてるのか?……隣いいか?」
小声で話しかける

+

トビ「(これで寝れるかな…?)」

シラ「え……あ、はい………もしかして起こしちゃいました……?」
端による

+

ヴァニラ「いいや、ミラの寝相が悪くて、とても寝れたものじゃないんだ。すまないな……」
シラちゃんの隣に移動する
ヴァニラ「……」
そしてすぐに目を閉じる

+

シラ「………いえいえ……(私最後ですかね……)」
ヴァニラさんに背を向ける

+

ヴァニラ「……おやすみ」
そっと頭を撫でた



シャラン、と鈴の音が小さく鳴る。
カズト「……」
肩に八咫さん乗せて、黒猫帰還(違う)。もうなんか、いろいろ吹っ切れたというより諦めた

+

八咫「……あー眠!皆寝とるし兄ちゃんもとっとと寝ぇや!」
その場でドロンと消える

シャルロ「……(散歩行こう)…」
静かに起き上がる

+

ひとまず壁にもたれかかって座る
カズト「……(カラスも寝るんだな)」
起き上がったシャルロくんの方を見る
カズト「(どこかへいくのか?)」

+

シャルロ「(外へ出れないんだっけ………廊下適当に歩こう)」
カズトさんに気づいてないという

+

カズト「……」
鈴を小さく鳴らして、シャルロくんについていくことにした

+

シャルロ「(……誰もいないよね、この時間………)」
カズトさんに全然気づかない。部屋を出て適当に廊下歩く

+

廊下はオレンジ色の光が淡く光っていた
カズト「(こんな深夜に、散歩か?)」
もちろん気配は消している。たまにシャンと鈴が鳴ってる

+

シャルロ「(……眩しいなぁ……見てないとこ行きたいな……)」

+

カズト「(そっちはカフェテリアがある方か)」

+

シャルロ「(……やっぱり誰もいないなぁ………)」
しばらく立ち止まってカフェテリア見てる

+

ちなみにカフェテリアはまだやっていた
カズト「(24時間営業、召喚獣とは言え従業員の扱い雑だなぁ)」

+

シャルロ「(あのウサギ………暇だろうな……)」
そして何となく入る

+

カズト「……」
後に続く
『!』
ラビーはお客様が来たことにおお喜びでメニューを差し出す

+

シャルロ「………ありがとう」
ラビーちゃんなでなで
シャルロ「…君は眠くないの……?」

+

ラビーはめちゃくちゃうなずく
『ムィー』
どこからともなく現れる羊。シャルロくんの膝の上に座る

+

シャルロ「へぇ……羨ましいな……。あれ……ムーだ…。おはよう………ん?こんばんはかなぁ……」
ムーちゃんなでなで

+

『ムィ』
なでられて嬉しそう。そしてすぐに隣にいた人物の方へと向かう
『ムィー』

+

シャルロ「…ムー……?あ、カズトさん………?こんな時間に………まさか、ここの店員さんですか……?お疲れ様です………」

+

カズト「……」
シャルロくんの方を向いて小首を傾げる。鈴が鳴る
『ムィムィー』
カズトはポンとムーちゃんの頭に手を乗せる

+

シャルロ「………?……カズトさんも…ムーが好きなんですか……?」

+

カズト「……好きも嫌いも無い。撫でろ、とうるさいから撫でた」
『ムィムィ』

+

シャルロ「…………言葉分かるんですね………オレはなんとなくしか分からなくて……。今はなんて言ったんですか?」
ムーちゃん撫でる

+

カズト「『撫でろって言ってない』だそうだ」
『ムィムィー』
再びシャルロくんの方へと飛んでくる

+

シャルロ「……あれ、ムー嘘ついちゃダメだよ………?」
ムーちゃん抱きかかえる

+

『ムィー!』
カズト「『嘘じゃないよ』。……そうだな、オレも嘘をついてはいない。そのままの言葉を言ってるだけだ」

+

シャルロ「…………?」
全然分かってない

+

『ムィムィ……』
カズト「……」
『ムィー』
カズト「……」

+

シャルロ「………」

+

カズト「……店員が何か注文は?と言ってる」

+

シャルロ「……あ、じゃあミルクを…」

+

カズト「カフェモカ」
そして二人の前飲み物が運ばれてくる
『ムィムィ』
シャルロくんの頭の上に乗っかる

+

シャルロ「……ムーも飲む…?」

+
『ムィ……』
カズト「召喚獣に水も食べ物も必要ないぞ」
カフェモカを飲んでいる
カズト「……この宿は広いな」

+

シャルロ「……なるほど………じゃあ、いただきます」
ミルク飲んでる
シャルロ「そうですね………毎日散歩してたら、全部回り切れるかな……?」

+

『ムィームィー』
カズト「さあな。……温泉のあるこのエリアは一番町というらしい。二番町、三番町、と他にもエリアがあるようだが、どこまでエリアがあるのか計り知れないな」

+
シャルロ「……多いですね………とりあえず、毎日回ってみます………」

+

カズト「そうか」
『ムィムィ?』
カズト「……二番町の通行証は明日配るらしい。ご苦労なこった」

+

シャルロ「……そんなのもいるんですね………」
あくびしてる

+

『ムィー?』
心配そうにシャルロくんを見ている
カズトはカフェモカを飲み干す
カズト「さて、真夜中の堂々巡りに行くのだろう?オレはまた別の場所に行こう」
シャルロくんの方を向いた時、しゃん、と首元の鈴が鳴った

+

シャルロ「………あれ……その鈴、どうしたんですか………?」
ムーちゃん撫でながらうとうとしてる

+

カズト「……悪趣味な枷だ」
そう言ってカズトは席を立つ
『ムィムィ……』
今度はすまなそうにカズトを見る

+

シャルロ「…………ムー、10分後に起こしてね……」
腕を枕にして机に突っ伏す

+

『ムィ』
シャルロくんの頭にぐりぐりする

フリス「……うーん……」
目が覚めた。よく覚えていないが、うなされていた。覚えているのは画面を埋め尽くすムーちゃん……三万八千二匹まで数えたところまでは覚えている。
少し体を起こして周りを見る。みんな寝てるらしい
フリス「……ミラがいない?」
起き上がって探してみる

+

一瞬で寝てしまった!

ツェザーリ「(シャルがいない………また散歩か。やめろと言ってるのに)」
起きてメガネかけて部屋から出る

+

フリス「ミラ……?」
まさかと思って縁側の方の襖を開けると……
フリス「…………」
縁側で狐面をつけて体育座りをする赤毛の娘がい――思い切り襖を閉めた。
フリス「……なんか飲んでこよ」
何もなかったかのように部屋を後にした。
フリス「(寝ぼけの程度が高すぎるだろ!!!!)」
心の中でツッコミを入れておいた

+

ツェザーリ「(あいつのことだから、どこかで寝ているかもしれないな)」
階段降りてく

+

フリス「……夜に出かけるのは初めてじゃないのに、なんかちょっとさびしいな。誰もいないからかな」
部屋のドアに寄っかかってる
フリス「……?」
奥から誰かが来たようだ

+

ツェザーリ「(あれは確かディルの……)こんばんは、えーっと誰だったかな?」
フリスちゃんの前で立ち止まる

+

フリス「あ、えっと…………こんばんは、あたしはフリスです」
ちょっと見上げて、ツェザさんの顔を見る
フリス「はじめまして、ですよね……?えっと、どこかで会いましたか?」

+

ツェザーリ「フリスか……僕はツェザーリだ。……君とは遊園地で会った覚えがあるんだが」

+

フリス「え…………?遊園地で……?」

+

ツェザーリ「(覚えてないのか……?)……まぁ、それは置いといて、君はここで何をしているんだ?」

+

フリス「……あ、えーっと、よく寝れなくて……なんか飲みに行こうかなって思ってて」

+

ツェザーリ「……なるほど。僕は人を探しているんだ。シャルロ……と言っても分からないか……黒髪の眠そうにほっつき歩いてる奴を見なかったか?」

+

フリス「シャルロを……?ううん、見てないよ」

+

ツェザーリ「そうか……。じゃあ、あいつを探しがてら君について行ってもいいか?」

+

フリス「眠れそうもないし、そうしてくれると助かります……。その、一人だと不安で」

+

ツェザーリ「ありがとう。で、どこに飲みに行くんだ?ドリンクバーもあるしカフェもあるな……」

+

フリス「へえ……カフェもあるんだ。今はドリンクバーに行こうかなって思ってたよ」

+

ツェザーリ「じゃあそこに行ってみるか……」

+

フリス「うん、ありがとう」
二人で歩き出す。
フリス「白色の髪……」
ツェザさんの髪を見て思う
フリス「……ディルと同じだー」

+

ツェザーリ「………?何か言ったか?」

+

フリス「あ、いや……。……白い髪の人ってディル以外見たことないなぁって。……遊園地で会ったってことは、ツェザーリもあの場所にいたの?」

+

ツェザーリ「そうなのか…。ああ、いたよ。確か君は僕をディルと勘違いしていたな」

+

フリス「えっ……、ええ……。えっと間違えてたの、ごめん!よく覚えていないんだけど、うん……」
頑張って思い出そうとしてる

+

ツェザーリ「別に、そんなに気にしなくていいんだぞ……」

+

フリス「でも……ディルに協力してくれてあたしを助けてくれたんでしょ?……今更かもしれないけど、ありがとう」
そんなこんなでドリンクバーに到着
フリス「たまに寝れない時はホットのキャラメルラテをいれてもらうんだけど……あるかな」

+

ツェザーリ「こっちもアエリアを助けたかったし、僕は大したことはしていない。礼を言うならシャルロや剣太郎に言うんだな」
ドリンクバーを眺める
ツェザーリ「かなり種類があるから、普通にありそうだぞ……これじゃないか?」

+

フリス「うん。……ふふ、ディルの三つ編みは笑っちゃったけどね!あ、そうだ、これだね!ありがと!」
キャラメルラテをいれてる

フリス「んーと、シャルロとツェザーリは友達なの?」

+

ツェザーリ「三つ編みなんかしてたのか………。幼馴染だな、あとアエリアとも」

+

フリス「幼馴染かぁ、いいなぁ。それって、小さい頃から仲良いってことだよね。……ツェザーリも何か飲む?」

+

ツェザーリ「まぁそうだな、10年程かな……。コーヒーでも飲むかな……自分でやるよ、ありがとう」

+

フリス「10年……!?すごいなぁ……。そんなに長い付き合いの人なんていないよ。砂糖とミルクは?」

+

ツェザーリ「フリスには幼馴染といないのか。……両方いらない」

+

フリス「……幼馴染も、友達もいなかったよ。今はちがうけどね。ブラック派なの!?……うーん驚いてばかりだ」

+

ツェザーリ「……そうなのか……。そんなに驚くことか?」

+

フリス「ブラック飲めるって大人だなぁって。あー……あたしずっと自分の町に出ることすら許されてなかったんだよね。だから仲良いのは……うーん、今思えばあのバカ兄だけだったな」

+

ツェザーリ「……お兄さんがいるのか?」

+

フリス「うん、いるよ。今はどこほっつき歩いてんだか知らないけどね。……あたしもあたしの町も捨てて、いつの間にかどっか行ったバカ兄だよ」

+

ツェザーリ「そうなのか……大変だな。まぁいつかひょっこり帰ってくるだろう」

+

フリス「あはは、そうだといいんだけどなぁ。帰ってきたら叱ってやるんだ!……笑っちゃうかもしれないけど、バカ兄がいなくなってからあたしを外に連れ出してくれたのがディルなんだ。たまたま旅の途中で寄っただけの旅人だったけどね」

+

ツェザーリ「ディルがか………だからそんなに仲がいいんだな」

+

フリス「仲が良いというか、その……うん、まあ……初めてのお友達だったんだ。あれもあれでバカだけど!」

+

ツェザーリ「そうか。……いつも剣太郎とバカやっているしな」

+

フリス「本当にバカばっかりだ……」
でも少し嬉しそうに笑う
フリス「あたしが遊びに行ってるギルドにもこんなバカな奴らしかいないよ。面白いけどね」
空のカップをクルクルする

+

ツェザーリ「バカな奴が好きなんだな、君は」

+

フリス「言い方が悪いな……、でもその通りかも。あたしにはあんなバカして楽しそうに輝いてる奴が眩しいんだ。そんなあたしもバカさ」
へへ、と笑みを浮かべる
フリス「そうだ、シャルロを探すんだよね?そろそろ行く?引き止めてごめん!」

+

ツェザーリ「………大丈夫さ。……おやすみ」
シャルロ探しに行った

+

フリス「うん……ありがとう、ツェザーリ。おやすみなさい」
ツェザさんの背を見送った

+

ツェザーリ「(さて……あいつはどこにいるかな)」

+

廊下を歩くツェザさんの耳に遠くから鈴の音が聞こえる

+

ツェザーリ「(………?僕の持つ鈴の音じゃないな……いったいどこから……)」

+

鈴の音がだんだん近くなってくる

部屋に戻ってきたフリス
フリス「…………あれ?ミラが、いない……?」
今度は布団にも縁側にもミラの姿がなかった
フリス「……どこかへ行ったのかな?まあいいか、寝よう……。今なら寝れる気がするし」

+

ツェザーリ「……こっちか?」
鈴の鳴る方へ向かう

+

そして、廊下を曲がる時に何かとすれ違った。しゃらんと、鈴が鳴った

+

ツェザーリ「………ん?………カズト?」
歩みを止めて振り返る

+

カズト「……」
カズトはそのまま歩いて行こうとする

+

ツェザーリ「(機嫌でも悪いのか?)……シャルロを見なかったか?」

+

カズト「……」
振り向く。
カズト「……銅貨一枚」
その首でまた鈴が鳴る

+

ツェザーリ「金を取るのか……(何故あんな所に鈴が…)」
ため息つきながらしぶしぶ出す

+

銅貨をしまう
カズト「……シャルロの場所か。先程まで一緒にカフェにいた、10分前くらいかだな。10分だけ寝ると言っていたからそろそろ起きる頃じゃないか?」

+

ツェザーリ「あいつの10分は時間だからな……。情報提供ありがとう。……ところで何故そんなところに鈴を付けているんだ?僕も同じのを持っているが……」
ポケットから鈴を出す

+

カズト「……気をつけた方がいい。それは呪いのアイテムだ」
あくまで表情は変わらず淡々と答える

+

ツェザーリ「呪い……?捨てた方がいいか?」

+

カズト「それは自分で考えな。……少なくとも、見る限りでは効果はなさそうだが……オレが外せないことを踏まえて考えるんだな」

+

ツェザーリ「…………そうか。ありがとう、おやすみ」
鈴をしまってカフェに向かう

+

カズトは鈴を鳴らして、もうすでにその場からいなくなっていた。

『ムィームィー』
先程からめちゃくちゃシャルロくん揺すってる

+

シャルロ「………」
全然起きない

ツェザーリ「ここか………?」
カフェを見つけて中に入る

+

『ムィ!ムィムィー!』
ツェザさんに気づいて飛んでくる
『ムィー?ムィムィ……』
そしてシャルロくんの頭の上でぴょんぴょんする

+

ツェザーリ「………ムー?……あ、いたな。迷惑かけてすまない……おい、起きろ」
シャルロ揺さぶる
シャルロ「…………ツェザーリ…?……あれ、ムー……起こしてって言ったのに………」

+

『ムィムィー!』
ちょっと膨れっ面だ
ツェザーリ「どうせお前が起きなかっただけだろ?」
シャルロ「………かなぁ、ムーが怒ってるし………ごめんね…」
ムーちゃんなでる

+

『ムィムィ!』
全くだよ!と言いたげ。でも素直に撫でられてる

+

ツェザーリ「ムーも呆れてるな……ま、とっとと帰るぞ」
シャルロ「………ごめん………。ムーはまた帰っちゃうの…?」

+

『ムィー』
一つ頷くと上下に揺れる。またねーって言ってるように見える
ちなみにラビーも手を振ってる

+

シャルロ「そっか………じゃあおやすみ……また明日……」
ムーちゃん撫でてからラビーちゃんに手を振る
ツェザーリ「お前が動物に懐いてどうするんだ……」
二人はカフェを後にした

+

そして時間は進んで明け方。
ガサガサ。どこかから物音がする。暗闇の中で、誰が何かを漁っているようだが……?

ヴァニラ「……」
ゆっくりと目を覚ます。目の前には静かに寝息を立てるシラちゃんがいた。
小さいその両手でヴァニラの手を包むように握っていた。
ヴァニラ「……寝れたのか、よかった」
しばらくこのままでいようかと思った
ヴァニラ「(ミラの気配がないな、どこに行ったのだろう……なんだか嫌な予感がするのだが)」

+

トビ「………(ちょっと早いけど……)」
黒のタンクトップとズボン着て布団畳んでる

+

ヴァニラ「(トビは、どこかに行くのだろうか?)」
木刀を腰に掛けて部屋を出ていった
ヴァニラ「(熱心なものだな。……ふむ、このまま起きたらシラも起きてしまうな。まだ寝てよう)」

リオ「はーあ……」
起きて、腕を伸ばす
リオ「……あ、そっか、ここはいつもとは違う宿なんだっけ。みんなよく寝てるなぁ」
髪を結って辺りを見渡す。
リオ「カズトとルヴェがいないのか。平和ボケしてろ、なんて言ったけど。性分だから、気は引き締めないとね……。ここ中庭あるのかな?」
軽く着替えて布団を畳んでから部屋を出る

+

トビ「(えーっと、どこかに中庭があったよね。ま、適当に歩いてたら着くかな!)」

ブラン「………んー」
目が覚めて伸びしてる
ブラン「(今誰か出て行ったような……リオさんかな。目覚めちゃったし、軽く運動しよ……)」
布団畳んでアンダーシャツ着て出てく

+

先に中庭にたどり着いたのは、リオだった
リオ「……」
木から下がる的に向かって、撃ち抜く。弾の代わりのゴム弾は的の真ん中を捉えていた
リオ「……おお、やっぱりガンジに整備してもらっただけあるな」

+

トビ「………あれ、先客がいるのかな?」
中庭にたどり着きリオさん発見。遠くから様子見てる

+

リオ「じゃあ次は……」
布を取り出すと、目隠しをする
左手にハンドガンを持つと的に向かってためらいなく発砲した。三発放たれたゴム弾は三発とも真ん中に命中する。
さらに弾を薬莢に変えると、横に生える樹にむけて発砲。跳ね返った弾はこれも見事に真ん中を撃ち抜き穴を開けた

+

トビ「へー、凄いなぁ」
ずっと見てる
ブラン「あれ、トビさん?おはようございます」
トビ「やぁブランくん、おはよう。……彼がなかなかの腕をしてるから魅入ってるんだ」

+

リオ「……ふう」
目隠しを外して的を確認する。
先程少し的から距離を移動しようとしたところで、二人を発見する。
リオ「……あれ?君らは……」

+

ブラン「おはようございます」
トビ「凄い腕前だったね!えーっと誰さんだったっけ?」
ブラン「うーん、レンカさんは女性の方でしたし……」
二人で相談中

+

リオ「え、えっと……どうしたの?」

+

ブラン「えーっと、お名前忘れちゃって……」
申し訳なさそうにしてる
トビ「コンタくんが言うにはパツキンさんなんだろうけど、彼は名前を改造するのが好きだからね!」

+

リオ「あ、ああ、そういうこと……。なんでパツキンの方を覚えてんのにボクの名前覚えていないのがすごく疑問だけど!ボクはリオだよ……ガンマンさ」
ちなみにリオは今帽子は被っていない
リオ「そちらは?」

+

トビ「印象に残らなかったんだよきっと!」
ブラン「さりげなく失礼!!俺はブランっていいます。こちらはトビさんです」
トビ「リオさん、しばらくよろしく頼むよ」
リオさんの前に手を出す

+

リオ「そんなにボク印象薄かったかい……?うん、よろしくブランくんにトビちゃん」
トビさんの手を握る
リオ「二人も早いね。こんなところに何しにきたの?」

+

トビ「もちろん、鍛えに来たんだよ」
ブラン「……あ、ここ的があるんですね!弓の練習できます!」

+
リオ「へえ、朝練ってわけか!ああ、的はボクのだけど……君は弓を扱うんだね?好きに使って貰って構わないよ」

+

ブラン「あ、リオさんのでしたか……お借りして大丈夫なんですか?」

+

トビ「じゃあ二人で仲良く練習してなよ!」
端っこで腕立て伏せし始めた

+

リオ「構わないよ。少し穴を空けてしまったけど、良いなら。トビちゃんもなかなかハードなことしてるね」

+

ブラン「ありがとうございます!」
嬉しそう
トビ「男子に置いてかれるなんてごめんだからね」

+

リオ「なるほど、高い志だ。ボクよりも強そうで頼れそうだよ」
切り株に座って、使った銃を掃除し始める
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