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04 深夜編

太刀丸「はやくいくー!」
トビ「ヴァニラちゃんどうする?」
咲蘭「無理する必要はありませんよ?」
ガンジがヴァニラさんの背中を叩く(弱め)
ガンジ「ほら、言いたいことがある時はパーって言っちまえよ!遠慮なんていらないんだぜ?」

+

眉間を寄せて寝てる。あんまり気持ちよくはなさそう

四人は食事処へと向かった!

ヴァニラ「わっ!?」
ガンジさんにすごくびびる
ヴァニラ「……か、構わない!わたしも行く……と言ったんだ……」
ディル「(照れてるヴァニラちゃんめっちゃかわいすぎるだろ)」

レンカ「……?寝心地悪そうだな?」
ひとまず雑炊をテーブルに置いて、ツェザさんの隣にくる
レンカ「……おい、大丈夫か?」
優しく肩を叩く

+

ガンジ「はは!そうか、じゃあとっとと行こうぜ!」
トビ「うん、相変わらずガンジさんは豪快だね!」
ガンジ「よく言われる!」
太刀丸「はやくー」
じたばたしてる

ツェザーリ「………うう……」
苦しそう

+

ディル「行こー!」
ユウラ「ああ」

ヴァニラ「……それで、その……このメンバーを見る限り雷兎は部屋に帰ってきてないんだな?」
ディル「雷兎?……いや見てないな」
ユウラ「そいつがどうかしたのか?」
ヴァニラ「いや……女子部屋に着くまでは一緒にいたから、てっきり帰ったかと思ったんだが……部屋で待ってるというわけでもなさそうだな?」

レンカ「……大丈夫か?」
そっと額に手を当てて撫でる
レンカ「あ、耳…………じゃなくて!なんか嫌な夢でも見てるのかな……。ツェザ、おいツェザ!」
さっきより強く叩いてみる


In夢の中。
気がつくとそこは水の中だった
浮かんでいるのか沈んでいるのか、それすらも曖昧な水の中で彼は息していた

+

トビ「本当だね。一緒に帰ってきたはずなんだけど?」
ガンジ「あいつ方向音痴だからなぁ……どっかほっつき歩いてるかもしれねぇな」

ツェザーリ「……………」
さっきより顔色悪いかもしれない

+

ヴァニラ「そうだったのか……」
ディル「探してこよっか?」

――
辺りを見渡してみると、少し離れた位置に見覚えのある女性がいた。いや、頭を下にむけてゆっくりと降下していた

※ツェザさんの意識は夢の中にいる

+

トビ「行く途中で見つけるかもしれないけど」
ガンジ「オレも探しに行こうか?」

ツェザーリ「(………どうなってるんだ……?)」

+

ディル「あ、そいつは助かるな!オレだけだと見つけきれない気もするし……」
ユウラ「俺も雷兎ってやつについては詳しくないし、ヴァニラは多分難しそうだしな。お願いしてもいいか?」

その女性は見るからに息をしていなかった。こぼれ出るはずのあぶくは出ておらず、特徴的なポニーテールを揺らしてゆっくり水底へと落ちていく。死んでいるのか、生きているのかわからない。
すると、彼女は苦しそうに口から大きな息の泡を吐くと、その反動か軽く仰け反った。速度を上げてゆっくり水底へと沈んでいく。溺れているのだろうか。

+

ガンジ「よし、なら任されたぞ!」
トビ「ヴァニラちゃんも知ってるけど、さすがに行けないよね」

ツェザーリ「(あれは………レンカ?あの様子だと、まずいぞ?………どうにかして近くにいけないだろうか)」

+

ヴァニラ「……そうだな」
ユウラ「雷兎も食事処まで引っ張ってきた方が良さそうだな。後から来てくれ」
ディル「よっしゃ!」
ヴァニラ「頼んだ……」
ディル「じゃ、またあとで!」
二人は反対方向にかけてった

彼が一歩を踏み出してみると、どうにか歩いて移動することはできるようだ。落ちていく彼女の元へと近づいていく。
すると彼女の髪を結っていたリボンは外れ、水中にその髪は散らばるように広がった。そのまま落ちていく。

+

トビ「雷兎くん、無事に見つかるといいね」
咲蘭「宿の中だとは思いますし、大丈夫かと…」

ツェザーリ「(…………)」
レンカさんの腕を掴んで自分に引き寄せる

+

ユウラ「……いや、そもそも宿の中なのに迷子になるってどんだけだよ!?」
ヴァニラ「それは言ってはいけない」
ひとまず一行はロビーに向かった!

彼女を引き寄せるとケタケタ、水の中から笑い声が響き渡る。
『うそつき』『うそつき』『うそつき』『うそつき』
やがて人の顔をした魚の大軍が二人を取り巻いた。

+

トビ「それは言っちゃダメだね!」
太刀丸「だめ〜」
ユウラさんの口を押さえる

ツェザーリ「(………なんだこれは……)」
とりあえず、レンカさんの肩を叩く

+

肩を叩いてみるが、彼女から反応は返ってこない。目を閉じる彼女の肌は白く、まるでもう二度と目を覚まさないかのように錯覚してしまう
その時、周りを泳ぐ魚が彼女の白肌をつつき始めた。つつかれた部分からわずかに赤いものが流れて水に混じり溶けていく

ルヴェ「……はあ、とりあえずここまでくれば問題ないだろ……」
ルヴェはどこかを歩いていた
ルヴェ「このままなんか食べにいこうか……っ!?」
しかし目の前から突然の突風が!

+

ツェザーリ「(死んでいる……?いや、まだ間に合う……。とりあえず、この魚をどうにかしないと……!)」
レンカさんに近づく魚を追い払う

シフォン「僕も何か食べたい〜♪」
ルヴェさんに抱きつく

+

追い払っても、追い払っても、魚は彼女をつついてくる。彼の焦りを煽るかのように流れ出る赤色は多くなっていく。
伸ばした彼の腕にも魚が食いついた。わずかな痛みと共に赤く染まって溶けていく

ルヴェ「なっ……、途中で転移も挟んだのになんで……っ」
いつもより強く抱きしめられてちょっと苦しそう
ルヴェ「……離せっ」

+

ツェザーリ「(………くそっ……!)」
レンカさんを庇うように抱きしめる

シフォン「何食べに行くの〜?」

+

いつの間にか、魚の数も増えてきたのか。彼に食らいつく痛みがさらに増していく。
水の中に自分の血が染み込んでいくのか目に見てわかる。

『どうして』
ふと彼女が口を開いた。
『どうして、私を助けてくれなかったの……!!!』
彼女を見た次の瞬間、彼女の真っ黒に窪んだ眼窩と目が合った

ルヴェ「お前が離してくれたら応じてやる……」
シルフィ『えー、一回逃げたくせにー。そんな悪い子にはおしおきしないとダメっすよー?』

+

ツェザーリ「(…………っ!!)」
目を伏せる

シフォン「おしおきだべ〜♪」
ルヴェさんに乗っかると、なぜかこしょこしょし始めた

+

『あはははははははハハハハハハ!!!!』
耳をつんざくような笑い声を上げて、彼女は彼の胸の中で赤黒い液体へと変わりそのまま水の中へと溶けてそのまま消えてしまった。抱きしめていた彼の掌が赤く赤く染まる

ルヴェ「……はあ!?」
少しびっくりしてシフォンちゃん引きはがそうとする
シルフィ『ありゃ?この子はくすぐりが効かないみたいっすね?……ふふ、でも』
シフォンちゃんの腕が耳元へと伸びる
シルフィ『ここは、嫌なんすね?』

+

ツェザーリ「………なっ…………(レンカじゃ、なかったのか……?)」

シフォン「ここなら効くかな〜?」
耳元こしょこしょ

+

しかし安心したのも束の間、先程まで続いていた息が急にしづらくなったのだ。息をしようと口を開けるたびに水が肺の中へと侵入してきて呼吸を奪う。
あぶくが口からあふれる度に上へと上がっていく


ルヴェ「っ!??」
シフォンちゃんの腕をつかんで止める。風を使ってシフォンちゃんを吹き飛ばそうとする

+

ツェザーリ「………っ!!(くそっ……!)」

シフォン「やだ〜!」
しがみつく

+

加えて周りにいた魚は的が一人に絞られたことにより、彼だけを狙ってつつくことを繰り返している。その痛みがさらに呼吸を苦しめる
上を見上げてみると、揺らめく水面から光が差していた

ルヴェ「……どけっ!シルフィード!」
それでもなお、力づくでシフォンちゃんを引き剥がす
起き上がって呼吸を整える

+

ツェザーリ「………くっ……!」
痛みに耐えながら、光が差す方へ向かう

シフォン「わぁ………?」

+

上へ、上へともがいていく。上へ、上へと手を伸ばすが――
――その行動に逆らうように下へ引く力を感じた。

ルヴェ「……はあっ、いちいちしつこいんだよ!クソガキも素直に身体預けてんじゃねえ、迷惑だ」
シフォンちゃんを睨みつける
シルフィ『いやぁ、彼は彼で面白いっすねー』

+

ツェザーリ「…………!?」

シフォン「だってぇ………こうしたらシャルロくん助けてくれるって、言ったもん……」

+

下へ、下へ。足元に何かが絡まって、暗い水底へと落ちていく。
光が遠のく

ルヴェ「はあ?シャルロを助けるってなん……ああ、そうかよ」
めんどくさそうに髪をかきあげる。いろいろわかったようだ
ルヴェ「……でも、もうシャルロは助かったんだろ?なんでまだいるんだ?」
シルフィ『そりゃあいつ出てってほしいって言われてないっすからねー』

+

ツェザーリ「(……くそっ!)」
足に絡まった何かを解こうとする

シフォン「………出てってほしいって言われてないからだって」

+

『できないよ』
『君にはできないよ』
解こうとする彼にどこからか、水の中から声が反響する
『君なんか――じゃえばいいのに』

ルヴェ「……シフォン。テメェはいいのかよ、このままで」

+

ツェザーリ「(………うるさい……!)」

シフォン「うーん、シルフィードお姉さんと会えなくなっちゃうのは嫌だな……」

+

耳の中に気持ちの悪い笑い声がこだまして、意識は暗い暗い海の闇に呑まれてしまいそうになる。


……ザ、……ェザっ!!」
どこからか、別の声が聞こえる。ハッキリと鮮明に、その音は確かに彼の意識を引っ張りあげる
「……か、ツェザーリ…………」

ルヴェ「はあ?そんなことかよ……俺は大迷惑なんだけどな」
シルフィ『アタイはシフォンだからこそ信頼して力を借りてるんすよ。だから他の意見は聞かないっすよ!……君が返してって心から思った時、君に全てを返してあげるっすよ』
ルヴェ「出てけって願え。またあの勇者崩れに頼めば会えるだろ」
シルフィ『本当にいいんすか?ここまで出てくるのは滅多にないっすよ?』

+

ツェザーリ「…………うう………レンカ………?」
うっすら目を開く

シフォン「うう〜………」
めっちゃ悩んでる
シフォン「じゃあ、シルフィードお姉さんはルヴェお兄さんにイタズラしないで………ならいいでしょ、このままで?」

+

レンカ「あ……ツェザーリ!よかった……お前だいぶうなされてたんだぞ?大丈夫か?」
おでこに手を当てる
レンカ「……また熱上がったんじゃないか?待ってろ、今お茶でも持ってくるから……」
レンカ部屋を出ようとする(引き止めてもいいのよ)

ルヴェ「えっ……」
シルフィ『なるほど、鮮やかな交渉術っすね。いいっすよ!その条件呑みましょう!』

+

ツェザーリ「………ありがとう……」
ゆっくり起き上がる
ツェザーリ「(………夢……か)」

シフォン「ルヴェお兄さんもそれならいいよね〜?」

+

傍らには冷めた雑炊がおいてあった!

ルヴェ「……あーはいはい、それは納得せざるをえないですねー。それならいいですよー、これで俺は安全の身ですねーー(本当はこのまま追い出したかったんだけどな)」
両手を上げてわざとらしくため息

+

ツェザーリ「………用意してくれたのか…………」
せっかくだし食べてる

シフォン「やった〜♪じゃあ、ごはん食べに行こ〜!」
ルヴェさんに抱きつく

+

レンカ「ほら、持ってきたぜ……っておいおい食ってんのかよ!それ冷めちまったから美味しくねーぞ?温め直してくるぜ?」
ツェザさんにお茶とタオル渡す
レンカ「……食べる前に汗ふきな、だいぶひどい夢を見てたんだな。なかなか起きないからちょっと心配したんだよ」
安堵しつつ笑う

ルヴェ「……はあ、こりゃ手に負えねー。食べるっつったって、食事処は一つしかないな」

+

ツェザーリ「冷めた方がちょうどいい…………。ありがとう、あれはなかなか酷かった。心配かけたな……」
汗拭いてる

シフォン「じゃあそこ行こ〜!」
ルヴェさん引っ張る

+

レンカ「……心配だよ。あんたなんでも一人で抱え込みそうだしな」
ボソッとひとりごちる
レンカ「どんな夢だったんだ?……あ、いや、思い出したくねえんなら別にいいぞ」

+

ツェザーリ「…………気が向いたらな」
雑炊食べてる

+

レンカ「わかった。えいやっ!」
食べてる途中のツェザさんの頭の上に手を乗せてちょっとぐしゃってした
レンカ「アタシはいつでもあんたの味方だ。もっと気抜いていいんだぜ?」

ディル「雷兎ってどこに行きそうなんだ?」

+

ツェザーリ「うわっ………!?」
めっちゃびっくりした
ツェザーリ「………ごほっ…………気を抜くっていうのはどいいうことだ」
むせた

ガンジ「そうだなぁ、同じとこぐるんぐるん回ってるな、いいんだか悪いんだか!」

+

レンカ「うえっ!?あ、ごめん……。気を抜くってのはうーん、……つまり、もっと笑っていいってことだな!言いたいことがあるんなら言う、嬉しい時は声に出して笑う?ってことかな?あれ、ちょっと自信なくなってきた……」

ディル「わあ、そんな人本当にいるんだなぁ。すぐ見つかるかな……なんか好物で釣るとか?」

+

ツェザーリ「…………言ってる当人が自信なくしてどうするんだ」
やれやれ、といった顔
ツェザーリ「まぁ……ありがとう」

ガンジ「それで釣れたらいいんだがな、あいつそんなにバカじゃないんだよなぁ」

+

レンカ「…………へへっ、おう」

ディル「だよなぁ……。うーん、どこから探そうか。とりあえずドリンクバーまできてはみたけど……あれはーシラちゃんかな!」
ドリンクバーに座ってたシラちゃんとカルロ兄を発見!

+

ガンジ「ホントだ!……おーい!」

カルロ「おっ、なんか来たぜ?………何やってんだ二人は」

+

ディル「あっカルロもいたのか!」
シラちゃんしか見えてなかった
ディル「えーっと、迷子の雷兎くんを捜索中でありますな!そっちは?」
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