01 温泉宿編
ブラン「(俺もフェオが歳下だと思ってたなぁ)」
雷兎「……」
ブラン「なるほど……ツェザーリさんとかと仲良くしてそうですね」
+
ユウラ「うーん、この間見た時も仲良くしてもらってそうなイメージだったなぁ」
フェオ「あ、ここ見覚えある!雷兎さん、そこの角のドアですよ!……いやそこじゃないくてもう一個隣ですって」
+
ブラン「気が合いそうですしね……」
雷兎「………」
ちゃんと隣のドア開けた
ブラン「(本当に楽しそう)」
+
ユウラ「でもまあ、ちゃんと仲良くできてるようで安心したよ」
+
ブラン「ギルドの人はみんな優しいですから……」
*
カルロ「(炎出ない体、すんげぇ違和感あんなぁ)」
適当に廊下を歩き回ってる
+
リオ「ん……?あれシャルロか?こんなとこで何してんだ?」
コーヒーカップ片手にリオが声かける。遠目だから気づいてなさそう
カルロ「……あれ、リオじゃねぇか。散歩してるだけだぜ。お前こそ、何やってんだ?」
リオさんの方へやってくる
+
リオ「……あれ?シャルロ急に大きくなった?それにちょっとかわいげがなくなったような?」
+
カルロ「は??……俺は兄貴の方だぜ?……可愛げがなくなったってなんだよ、失礼な奴だな」
+
リオ「えっ!?ってことはカルロか?……あー悪ぃ悪ぃ、なんか雰囲気違うからわかんなかったよ!ごめんな!」
+
カルロ「そんなに違うのか……別にいいけど。リオは何してんだ?」
+
リオ「ボクかい?ボクはコーヒーが飲みたくなって、取りに行ってたところだよ」
+
カルロ「コーヒーか……俺もスープかなんか飲みてぇなぁ…」
頭掻きながらあくびしてる
+
リオ「向こうにドリンクサーバーがあったから行ってくる?案内しようか?」
+
カルロ「おう、頼む」
+
リオ「頼まれた。カルロは普段何飲んでる?」
+
カルロ「そうだな……野菜ジュースとか好きだけど……」
+
リオ「野菜ジュース、意外な選択にびっくりしてる。……女の人でもそんなマニアックなもの選ばない気がするね!?」
+
カルロ「マニアックか?体にもいいし美味しいぜ?」
+
リオ「あー、まあそうだな……健康に気を使って飲み物を選んだことないなボクは。ボクはコーヒーか紅茶だな、特にブラック」
+
カルロ「ツェザーリみたいな選択だな。コーヒーとかあんま飲まねぇな」
+
リオ「そうなのか、ツェザーリとは嗜好が合うかもね。無理して飲めとは言わないよ、ボクが住んでた地域じゃコーヒーが主流の飲み物だったから飲み慣れてるってだけだけどな」
+
カルロ「コーヒーが主流とかあるもんなんだな……俺の故郷は水くらいしかなかったな」
+
リオ「うーん、ところ変わればってやつだね。カズトの故郷は知らないけど、香りの強い茶?ハーブティーみたいなのが好きっつってたな」
※中国茶です
+
カルロ「ハーブティーかぁ……俺はあんまり飲んだことねぇな…」
+
リオ「ボクもそんなに得意ではないかな……。レンカちゃんもチャイとかいう香りの強い紅茶飲むっていうし……世界は広いなあとは思うね。さてドリンクサーバーはここだよ」
+
カルロ「……ふ〜ん、気が向いたらいつか飲んでみよ。……種類多くねぇか??」
+
リオ「……多いよねー。何飲む?なんだしもういっぱい嗜もうかな……、なんならカフェラテでもどうだ?」
+
カルロ「そうだな、適当にするか」
+
リオ「ま、ボクはバリスタ経験はないからどの豆がいいとかわかんないけどね。苦味が少ない方が飲みやすいかな?」
コーヒーを淹れてる
ヴァニラ「……ん?珍しい二人がいるな。こんばんはリオと……カルロ?」
ヴァニラとシラちゃんがきた
+
カルロ「よくわかんねぇからどれでもいいや……おう、ヴァニラとシラじゃねぇか」
シラ「あ、カルロさん……!と、ヒトの方……?お知り合いですか…?」
+
リオ「やあ、こんばんはー。えっとヴァニラちゃんだったかな?それと……」
ヴァニラ「シラ、こいつは確かリオだった気がする」
リオ「曖昧だな……。でも合ってるよ。それにヒトだね、よろしくシラちゃん。二人は温泉の帰り?」
ヴァニラ「入ってはいないが、そんなようなものだな。シラは何か飲むか?わたしはホットヨーグルトでも飲むかな……」
+
シラ「リオさんですか……よろしくお願いします」
お辞儀する
カルロ「二人も風呂はいってねぇのか…」
シラ「えーっと、………暖かいミルク飲みたいです」
+
リオ「ホットミルクね、りょーかい。ほら、カフェラテはできたぞ。シュガーを加えるなら自分で入れてくれ」
カルロ兄にカップを手渡す
ヴァニラ「二人も、ってことはそっちも入っていないのか?……というか、カルロからまるで魔力を感じないんだが、何があったんだ?」
+
カルロ「サンキュー!」
シュガー適当に入れる
カルロ「ああ、入ってないぜ。…中身をしばらくババアに預かってもらってるだけだ」
シラ「なるほど……さすがキキさんですね……!」
+
ヴァニラ「そういうことか……。そのせいで一瞬シャルロかと間違えそうになったよ」
リオ「やべえ、ボクの知らない話題で話が進んでいく!シラちゃん、ホットミルクどうぞ。熱いから気をつけて」
シラちゃんにカップを渡す。
ヴァニラ「そんなこともできるのだなキキさんとやらは……。……お前、髪長いな」
とりあえずテーブルの席につく
+
カルロ「リオにも間違えられたな…」
シラ「あ、ありがとうございます……!」
ミルクをふーふーしてる
カルロ「いつも結んでるだけだしそんな変わんねぇだろ?」
+
リオ「うーん、普段結んでいた人が髪下ろすとまた雰囲気が違うもんだよね」
ヴァニラ「そうだな。それに……瞳の色が違うだけで別人に見えるものだしな。瞳の色とは魔力の変質により大きく変わるからな」
リオ「(そういや……カズトもたまに緑色になってたりするんだよなぁ。そういうことなのか?)」
+
カルロ「そんなにか……ちなみに今の俺は魔法使えねぇぞ」
シラ「私は魔法使えますよ……リオさんは使えないヒトの方ですか?」
+
リオ「つまり、今カルロは無手も同然ってことか。ボクは魔法は使えないよ。知識としてはあるけど、魔力が人より少ないから使ったら死んじゃうかな」
ヴァニラ「……魔力の感じがしなくて、余計シャルロに思えてくるな。まあここにいる間は魔法を使わずとも済むだろうがな」
リオ「シラちゃんはどんな魔法が使えるの?」
+
カルロ「んー、まぁ力は弟並になってるぞ」
シラ「えーっと私は……炎と水と風と雷と…それから光属性を使えます……!」
+
ヴァニラ「……シャルロだな」
リオ「んーとそれって……ほぼほとんどじゃない?人は見かけに寄らないな!」
ヴァニラ「……(わたしの周りには不思議な奴らばかり集まるのは、なんの因果のだろうな)」
リオ「光魔法って難しそうだよな……」
ヴァニラ「わたしのところは光属性の者しか扱えないな。水や風は種族ごとに使える場合もあるそうだが、光魔法を並行して使う者など見たことないな」
+
カルロ「ただ、この体久しぶりすぎて使い慣れてないからろくに戦えねぇ」
シラ「そんなに難しくないですよ……!キキさんとかは光と闇を並行しています…!」
+
リオ「大丈夫だろ。こんなところでそんなに戦うことなんざねーんだし!羽休めだと思ってゆっくりすりゃ?」
ヴァニラ「相反する二つの力を並行して使うだと……?何者なのだ彼女は……」
リオ「(カズトもミナも並行して使ってるから何も言えないんだが)」
+
カルロ「ま、もしも何かあってもリオがどうにかしてくれるよな!………ババァはすげぇぜ。こっちの世界じゃ有名人だしな」
シラ「とってもお強い方ですよ!実はもう一人、光と闇を使う人がいるのですが……ナイショにしときますね…!」
+
リオ「そうだね、うっかり流れ弾に当たるヘマだけしないならなんとかなるかな」
ヴァニラ「お前……すごい人と知り合いなのだな……。わたしは光魔法なぞ使えばどうなることか」
リオ「てかまだ使える奴いんのか、すげえな……」
ヴァニラ「幸か不幸か、まだお目にはかかっていないな……光闇使いは。……だが、この世のどこかには『闇の光使い』という光と闇を扱う優れた魔法士がいると噂で聞いたことがあるな」
+
シラ「皆さん凄いですよね……!人には向き不向きがありますしね……」
カルロ「ま、もう一人の奴には会わねぇ方がいいだろうよ」
+
リオ「……会わないことを願っとくよ」
ヴァニラ「っと、つい話し込んでしまったな。明日もあることだし、そろそろ戻るか?」
リオ「そうだね。宿でこんなにのんびりできるのはいいことだ」
ヴァニラ「……よほど旅慣れしてるように見えるな」
リオ「まあ旅人だからね」
+
カルロ「そうだな、明日何するか知らねぇけど」
シラ「私は旅をしているわけではありませんが、このようなところに寝泊まりするのは初めてです……。布と布の間に入って寝るのでしょう…?」
+
リオ「まあのんびり平和ボケしとけばいいんじゃねー?……ん?布団とかも知らない?」
ヴァニラ「そうだな、今はちょうど寒くなる時期だから、暖かくして寝たいものさ。少し不安ならばわたしや親しい者の側で寝るのがいいだろう」
リオ「あー、部屋戻ったら銃の整備でもすっかなぁ。飲み終わったカップ戻してくるよ」
ヴァニラ「ありがとう」
+
シラ「えっと………普段睡眠しないので……。暗闇の中で目を瞑るの、怖そうです………そうしてもらえると嬉しいです…!」
カルロ「お、サンキュー。整備なんてしてたらガンさんがうるせぇぜ」
+
リオ「(すごく、不思議な子だなぁ)」
ヴァニラ「そうか。不安ならいつでも手を握っていいぞ」
リオ「そうだなぁ、ガンジに見てもらうのもいいかもしんないな。彼の話は興味深くて面白いよ」
+
シラ「手を握ると不安じゃなくなるんですか……!なら、そのときはお願いします!」
カルロ「あいつはうるせぇだけだろ。あの雷兎が慕う理由も分かんねぇ」
+
リオ「あの雷兎が……うーん想像できない!」
ヴァニラ「さてわたしたちは先に行くぞ。シラも行こうか。また明日な、おやすみ」
ヴァニラとシラちゃんは歩いていった
リオ「うん、おやすみ。ボクたちも戻る?そろそろ皆戻ってくるんじゃないかな」
*
シャラン。
彼が歩く度に首元で慣れない音が響く
カズト「……」
顔には出さないが、心底嫌そうに首元の鈴を触っている。これは気まぐれリディアにつけられたものだ!
カズト「(オレはペットかよ、気に食わねえ)」
この装備は呪われていて外せない!(?)
+
カルロ「だろ……?おう、おやすみ。ゆっくり休めよ」
シラ「はい…!おやすみなさいませ……!」
お辞儀して去る
カルロ「…そうだな。コンタとディルならまだ遊んでそうだけどな」
*
ガンジ「いってぇ!」
天井の低いところで頭ぶつけてる
ガンジ「もうちょい高く造ってくれよな!………ん?なんだあんた、捨て猫か?いや、捨て人か」
+
リオ「それは、言えてる」
*
カズト「……あんたは、誰だったかな」
振り返って睨む。鈴が揺れる
+
ガンジ「うーん、オレたち初めましてじゃないのか?あんたと会った記憶ねぇ!」
記憶力カス
+
カズト「そうか」
そのまま去っていこうとする
+
ガンジ「あれ?どっかで会ったか?」
カズトさんの前回り込む
+
カズト「さあな」
邪魔そうにガンジさんを見上げる
カズト「夜は宿から出られないようになってるらしい。外に出るなら日のあるうちだな」
横を通りぬけようとする
+
ガンジ「えー!絶対会ったって!!あんた名前は??…おう、サンキュー!」
+
カズト「…………カズトだ」
チラッとガンジさんを見て名乗ると、どんどん先に行ってしまう
歩く度に鈴が鳴ってる
+
ガンジ「カズト……?知らねぇな!ちょっと待てよー!」
カズトさん追いかける
+
カズト「…………頭上注意だ」
って言った直後天井が低くなる
+
ガンジ「え……、いでっ!」
もちろんぶつけた
ガンジ「もっと早く言ってくれよ〜。……カズトは今からどこに行くんだ?」
+
カズト「特に目的はないな。この建物の構造を把握しようとしてるだけだ。……温泉宿でこんなに羽を伸ばせないことが億劫だ」
鈴に触る。すごい邪魔そう
カズト「お前は?……あー」
遠目にミナとアエリアちゃんを見つけて、Uターンする
+
ガンジ「へぇ!結構ここ楽しいけどな、よく分からなさすぎて!!オレは部屋の場所分かんなくて……あ、おいどうしたんだ?」
カズトさんについてく
+
カズト「遭遇したくないものを見た」
しかし鈴が鳴るので、どうしても気づかれる
ミナ「ん?あれー!カズトだー!どこ行くのー!」
追いかけてきた!
カズト「……逃げる」
のでカズトは逃げ出した!
+
ガンジ「じゃあオレもなんとなく逃げる!」
アエリア「カズトとガンさんだ!…何で逃げるのー!」
+
ミナ「もーカズトってば!」
ミナは魔女のほうきを取り出して横向きに乗る。
ミナ「アエリアも乗る?」
カズト「特にミナとは関わりたくないからな」
階段を駆け上がる
ミナ「なんでか知らないけど、鈴の音でどこ行ったのかわかるね!」
ほうきに乗って追いかける
+
アエリア「ほうきで飛べるんだ!乗る!」
ガンジ「そんなに癖のあるやつなのか?」
まだついてってる
アエリア「何か飼い猫見たいね!」
+
ミナ「しっかり捕まっててねー!」
カズト「今は会いたくないな」
カズトを追いかけて階段の上へと追いかける。登って来た頃合いを見計らって、止まってミナたちを睨みつける
ミナ「あれ?もうおしまい?カズトー!」
カズト「……」
迫ってきた瞬間、ミナの伸ばした腕を避けて階段の手すりを掴んでそのまま階段下まで降りる(ガンジさん置いてった)
ミナ「あっ……」
ほうきは急に方向転換できない!
そしてカズトは奥へと逃げてしまった……
ミナ「あーあ残念!カズトに抱きつきたかったのに!(一瞬だけ首元に鈴が見えた……ふーん、なるほどね)」
ミナはほうきを止める
ミナ「で、なんでキミまで逃げたの?」
ガンジさんに問う
+
ガンジ「おお、すげぇはえぇなほうき!避けるの上手いな……頑張れよ〜!」
アエリア「ミナはカズトが大好きね!……わたしもシャルに会いたいなぁ」
+
ガンジ「え、なんでって……なんとなくだ」
+
ミナ「うん!カズトはかっこいいから大好き!……なら明日シャル姫迎えに行くー?」
ほうきから降りて消す
ミナ「なんとなくって、それ共犯に間違えられても知らないわよー?」
*
カズト「……はあ」
逃げ切ったカズトはため息をつく。
カズト「(この鈴がどんなものかバレたら、厄介だ……特にミナには)」
歩き出そうとした時、背後に気配がして振り返った。
+
アエリア「いいの?行くー!」
ガンジ「別に悪いことしたわけじゃないしな!二人は何やってんだ?」
*
八咫「よお兄ちゃん、浮かん顔してどないしたん?」
カズトさんの頭に乗る
+
ミナ「明日の予定決まりね。ミナたち?ミナたちはお風呂帰りー!」
*
カズト「……あんたは確かあのキツネの……」
頭に乗られて鈴が鳴る
+
ガンジ「風呂入ってたのか!湯冷めする前に部屋に戻れよ!……で、オレたちの部屋どこなんだ?」
*
八咫「せやで〜!覚えててくれたんやな、嬉しいわ!……な〜んやけったいなモンつけてんな!」
+
ミナ「ご心配どうもー。キミも早くお部屋戻れるといいわね!じゃあ行こう、アエリアー!」
助けないミナはさすが
*
カズト「あのキチガイな召喚士につけられたんだ。恐らく探知魔法が付加されてるだろうが……それ以外にも嫌な効果がありそうだな」
すごい他人事な説明
+
ガンジ「戻れるように頑張るぜ!じゃあな!」
アエリア「じゃあねガンさーん!」
*
八咫「リディアちゃんか〜!なるほど、さすがやな!……兄ちゃんに外されやんようにしてるし、遠くに行っても場所バレるんやろなぁ」
+
カズト「余計なことを……。あいつは人の魂にまで干渉してくるから嫌いだ」
深いため息
カズト「ところであんたは?ご主人様から離れてまで散歩とはなかなか図太い従者だ」
+
八咫「ん?だって、白髪ボーイと遊んでばっかりで面白ないもん!兄ちゃんのが面白そうやしな!!」
+
カズト「はあ、そうかい。なら報酬としてこれを外してほしいものだな」
鈴に触れる
+
八咫「え〜……報酬少ないやん」
+
カズト「あんたがオレを使って楽しむのなら、オレはあんたを使って平常へ戻る。……50︰50(フィフフィフ)だと思うがな」
外の見える窓辺の椅子に座る
カズト「外すことはできるんだな?」
+
八咫「兄ちゃん絶対商売上手やろ〜!……一応外せるで〜!」
カズトさんの髪の毛啄んでる
+
カズト「そうか」
腕を組んで目を閉じる。ちょっとうざったそうに頭をかく
カズト「……一応お前の条件を聞こうか?」
+
八咫「う〜ん、条件なぁ。じゃ、ワシと鬼ごっこしよや!捕まえたら外しちゃる!」
そのまま黒い煙となって消えた
+
カズト「…………はあ、聞くんじゃなかった」
『どうするっすかマスター?面白そうっすね!』
カズト「うるさい。居場所は?」
『なんだけっこうノリノリじゃないっすかー!そんなに嫌なんすかその鈴……似合ってるのにー』
カズト「……」
『いいっすよ、案内するっす!……こっちっすよ!』
仕方なくカズトは歩き出した
+
八咫「お嬢ちゃーん!勇者の兄ちゃん連れて来たるからここいさして〜」
ミナちゃんの肩にとまる
アエリア「エロカラス!何しに来たのよ!」
八咫「勇者様と鬼ごっこや〜」
+
ミナ「えー?カズトが来てくれるの?それは嬉しいなぁ」
八咫さんナデナデ
ミナ「でもあのカズトが素直に鬼ごっこに応じるかな」
*
カズト「……疲れたからやめたい」
『ええーダメっすよー!まだ始まったばかりじゃないっすか!ほら走る!』
カズト「他に外せる奴探す」
『マスター、"あのカラスだから"外せると思って条件ふっかけたんすよね?むやみやたらに話しかけるなんてマスターらしくないっすもん……他に外せる人がいないことくらい承知済かと思ったんすけどね?』
カズト「…………そうだな」
『早いっすねマスター、もう彼の行き先検討ついてるんす?』
カズト「あーもう……めんどくさい」
+
八咫「わーい!嬢ちゃんに撫でられた〜!応じてくれやろ、多分!見つかったら温泉に逃げよ〜」
+
ミナ「そうねー、でも温泉はもう入ったから却下☆」
+
八咫「ワイもまだ入ってないし、勇者様も入りたいやろし〜!勇者様現れたら一人で温泉行くわ〜」
+
ミナ「あらそー、頑張ってねー。じゃあついでにカズトの首の鈴について教えてー。そうすれば……」
その時、ミナの顔の横を風を切って一本の剣が通り抜けた
カズト「……そうすれば、どうなんだクソガキ?」
ミナ「あは、驚いた。音もなく近付いてきたの?やっぱりカズトはすごいなぁ」
ミナたちの前にはカズトが立っていた。いつもつけているマントを首元に巻いていた。
カズト「そのお喋りカラスを渡せ」
ミナ「うーん、どうしようかなぁ?」
+
八咫「うわぁ、さっすが勇者様やな!……なんかワシの取り合いしてくれてる!」
アエリア「このエロカラスさっさと持ってって」
八咫「酷いなぁアエリアちゃん!ほな、温泉で語り合おうや〜!」
また消えた
+
ミナ「(さっきまで聞こえていた鈴の音が聞こえなくなった……つまり隠した、カズトにとって隠したいものなのね?それも、あのカラスの口車に乗ってまでのもの……)
ふふ……、カズトが自らミナの元まで来てくれて嬉しいなー!」
カズト「……」
カズトは抱きついてきたミナを避けると何も言わずにその場から立ち去った
ミナ「……楽しくなりそうだなぁ」
*
ミラ「わあー見てみてー!ここから温泉街が見えるよー!」
ミラたちは窓から外を眺めていた
レンカ「湯冷めするから、早く部屋帰るぞ……」
+
アエリア「あの人が鬼ごっこなんてするんだね……」
*
シフォン「行きたい〜!じゃあ湯冷めしないように暖めとくね〜!」
レンカさんの背後から抱きつく
+
ミナ「ほんとねー。……いったい何を隠してるのかなぁ!さてと、寒くなってきたし……そろそろ布団に潜りたいなぁ!」
*
ミラ「暖める?」
一緒になってレンカにくっついてる。
レンカ「いや、そういう意味じゃねえって。まあ町並みは綺麗だけどよ。ほら戻るぞ……ってあれはツェザとシャルロか?」
+
アエリア「………?早く部屋に戻ろ!」
*
シフォン「あ、ホントだ〜!ツェザーリく〜ん、シャルロく〜ん!!!」
走ってく
+
ミナ「そうねー!」
*
レンカ「おいおい走ってくなよ……」
ミラ「わーいシャルロだー!久々だねー!」
ミラも走ってく
+
シフォン「ツェザーリく〜ん!」
ツェザーリ「……シフォンか……おい、くっつくな……」
シャルロ「……あれは、ミラ…?」
+
ミラはシャルロくんに抱きついた(勢い余ってもはやタックル)
ミラ「そーだよー!こんにちはー!」
レンカ「お前ら元気だな……。よっす、お二人さん」
+
シャルロ「わ……ミラは元気だね……こんにちは」
ミラちゃん撫でる
ツェザーリ「レンカか……こいつらの世話お疲れ様だな」
+
ミラ「にへへー!」
レンカ「ありがと。疲れるよこいつら……」
ミラ「ねー、見てみてー!レンカに浴衣着せてもらったんだよ!かわいいよね!」
青色の浴衣を見せる
レンカ「……こいつらの着方直すの大変だった」
+
ツェザーリ「だろうな。こいつらの世話して疲れない奴いないだろ」
シフォン「僕も着せてもらったよ〜!」
シャルロ「………二人とも、似合ってるよ……」
ツェザーリ「確かに変な着方してそうだ」
+
レンカ「まあいいけどな、別に。世話すんのは慣れてる」
ミラ「えへー!フェオにも見せたいなあ!うーん、私の青いやつ、フェオにも似合いそう!」
レンカ「とってもやめてやれ。それ女性用だから……」
ミラ「……フェオ、似合うよ?」
レンカ「可哀想だから真顔で切り返してくんな。それで……あんたらは風呂入ったのか?」
+
シフォン「僕もお兄ちゃんに見せた〜い♪」
シャルロ「たしかに、フェオなら似合いそう……」
ツェザーリ「お前も乗るな……一応、入った」
+
ミラ「だってー!おばさまがくれたスカート、私が履かないならフェオに履かせてみたらってルヴェが言うんだもん。そしたらすごい似合ってたんだよー!」
レンカ「(無理やり履かされたんだろうな……フェオ可哀想に。純粋ってこわい)」
ミラ「ツェザさんも入ったんだ!温泉気持ちよかったよね!また後ではいろーよシフォン!」
+
ツェザーリ「(さすがルヴェだな)」
シャルロ「オレも見てみたいなぁ……」
シフォン「入りたーい!今すぐ行こうよー!」
+
ミラ「でもさすがに、クローゼットの私とフェオの服全部入れ替えたら怒られちゃったけどね」
レンカ「そらな」
ミラ「わー!行こう行こう!」
レンカ「もう夜遅いから明日にしろ」
ミラ「……だってさ!」
+
ツェザーリ「それはな」
シフォン「え〜、残念!……じゃあ明日はシャルロくんとツェザーリくんも一緒に入ろうよ〜♪」
ミラ「いいねー!面白そう!!」
レンカ「……いや、それは難しいだろ」
ミラ「えー!なんでなんで!?」
レンカ「少しは考えやがれ」
+
シャルロ「…お風呂って、男女で分けてるらしいよ……なんでわざわざ分けるんだろ……」
シフォン「みんなで入った方が楽しいのにね〜?」
ツェザーリ「(こいつらめんどくさい)」
+
ミラ「水鉄砲で撃ち合いしたいね!」
レンカ「それは、温泉でやることじゃない……」
『要望であれば混浴、という名の温水プールをご用意するわよ?』
レンカ「!?」
ミラ「あ、リディ姉?」
+
シフォン「したいしたい〜♪リディアお姉さんの声だ〜!プール欲しい〜!!」
シャルロ「リディアさん……?どこにいるんですか………?」
+
リディア『おっけー!じゃあ明日は無理だけどその次の日以降なら全然おっけー!四番町においで!』
ミラ「わあ、楽しみ!!」
リディア『最近『』で喋ることが多くてやんなっちゃうね!まるでこの世の者ではないような扱い!これは2世紀のマシンガントーク並に粗雑だわ!』
レンカ「……なんかツェザの方から聞こえっけど?」
リディ「いやぁ、レンちゃんってばスルーするのはおちょぼ口よ!」
+
シフォン「じゃあみんなで行こうね〜!」
ツェザーリ「多分この鈴だな。うるさいからお前持っとけ」
シャルロ「え……オレいらないよ………」
+
リディア『この装備は呪われているため外せません!』
ミラ「外せません!」
レンカ「何やってんだ……」
雷兎「……」
ブラン「なるほど……ツェザーリさんとかと仲良くしてそうですね」
+
ユウラ「うーん、この間見た時も仲良くしてもらってそうなイメージだったなぁ」
フェオ「あ、ここ見覚えある!雷兎さん、そこの角のドアですよ!……いやそこじゃないくてもう一個隣ですって」
+
ブラン「気が合いそうですしね……」
雷兎「………」
ちゃんと隣のドア開けた
ブラン「(本当に楽しそう)」
+
ユウラ「でもまあ、ちゃんと仲良くできてるようで安心したよ」
+
ブラン「ギルドの人はみんな優しいですから……」
*
カルロ「(炎出ない体、すんげぇ違和感あんなぁ)」
適当に廊下を歩き回ってる
+
リオ「ん……?あれシャルロか?こんなとこで何してんだ?」
コーヒーカップ片手にリオが声かける。遠目だから気づいてなさそう
カルロ「……あれ、リオじゃねぇか。散歩してるだけだぜ。お前こそ、何やってんだ?」
リオさんの方へやってくる
+
リオ「……あれ?シャルロ急に大きくなった?それにちょっとかわいげがなくなったような?」
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カルロ「は??……俺は兄貴の方だぜ?……可愛げがなくなったってなんだよ、失礼な奴だな」
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リオ「えっ!?ってことはカルロか?……あー悪ぃ悪ぃ、なんか雰囲気違うからわかんなかったよ!ごめんな!」
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カルロ「そんなに違うのか……別にいいけど。リオは何してんだ?」
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リオ「ボクかい?ボクはコーヒーが飲みたくなって、取りに行ってたところだよ」
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カルロ「コーヒーか……俺もスープかなんか飲みてぇなぁ…」
頭掻きながらあくびしてる
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リオ「向こうにドリンクサーバーがあったから行ってくる?案内しようか?」
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カルロ「おう、頼む」
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リオ「頼まれた。カルロは普段何飲んでる?」
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カルロ「そうだな……野菜ジュースとか好きだけど……」
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リオ「野菜ジュース、意外な選択にびっくりしてる。……女の人でもそんなマニアックなもの選ばない気がするね!?」
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カルロ「マニアックか?体にもいいし美味しいぜ?」
+
リオ「あー、まあそうだな……健康に気を使って飲み物を選んだことないなボクは。ボクはコーヒーか紅茶だな、特にブラック」
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カルロ「ツェザーリみたいな選択だな。コーヒーとかあんま飲まねぇな」
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リオ「そうなのか、ツェザーリとは嗜好が合うかもね。無理して飲めとは言わないよ、ボクが住んでた地域じゃコーヒーが主流の飲み物だったから飲み慣れてるってだけだけどな」
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カルロ「コーヒーが主流とかあるもんなんだな……俺の故郷は水くらいしかなかったな」
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リオ「うーん、ところ変わればってやつだね。カズトの故郷は知らないけど、香りの強い茶?ハーブティーみたいなのが好きっつってたな」
※中国茶です
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カルロ「ハーブティーかぁ……俺はあんまり飲んだことねぇな…」
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リオ「ボクもそんなに得意ではないかな……。レンカちゃんもチャイとかいう香りの強い紅茶飲むっていうし……世界は広いなあとは思うね。さてドリンクサーバーはここだよ」
+
カルロ「……ふ〜ん、気が向いたらいつか飲んでみよ。……種類多くねぇか??」
+
リオ「……多いよねー。何飲む?なんだしもういっぱい嗜もうかな……、なんならカフェラテでもどうだ?」
+
カルロ「そうだな、適当にするか」
+
リオ「ま、ボクはバリスタ経験はないからどの豆がいいとかわかんないけどね。苦味が少ない方が飲みやすいかな?」
コーヒーを淹れてる
ヴァニラ「……ん?珍しい二人がいるな。こんばんはリオと……カルロ?」
ヴァニラとシラちゃんがきた
+
カルロ「よくわかんねぇからどれでもいいや……おう、ヴァニラとシラじゃねぇか」
シラ「あ、カルロさん……!と、ヒトの方……?お知り合いですか…?」
+
リオ「やあ、こんばんはー。えっとヴァニラちゃんだったかな?それと……」
ヴァニラ「シラ、こいつは確かリオだった気がする」
リオ「曖昧だな……。でも合ってるよ。それにヒトだね、よろしくシラちゃん。二人は温泉の帰り?」
ヴァニラ「入ってはいないが、そんなようなものだな。シラは何か飲むか?わたしはホットヨーグルトでも飲むかな……」
+
シラ「リオさんですか……よろしくお願いします」
お辞儀する
カルロ「二人も風呂はいってねぇのか…」
シラ「えーっと、………暖かいミルク飲みたいです」
+
リオ「ホットミルクね、りょーかい。ほら、カフェラテはできたぞ。シュガーを加えるなら自分で入れてくれ」
カルロ兄にカップを手渡す
ヴァニラ「二人も、ってことはそっちも入っていないのか?……というか、カルロからまるで魔力を感じないんだが、何があったんだ?」
+
カルロ「サンキュー!」
シュガー適当に入れる
カルロ「ああ、入ってないぜ。…中身をしばらくババアに預かってもらってるだけだ」
シラ「なるほど……さすがキキさんですね……!」
+
ヴァニラ「そういうことか……。そのせいで一瞬シャルロかと間違えそうになったよ」
リオ「やべえ、ボクの知らない話題で話が進んでいく!シラちゃん、ホットミルクどうぞ。熱いから気をつけて」
シラちゃんにカップを渡す。
ヴァニラ「そんなこともできるのだなキキさんとやらは……。……お前、髪長いな」
とりあえずテーブルの席につく
+
カルロ「リオにも間違えられたな…」
シラ「あ、ありがとうございます……!」
ミルクをふーふーしてる
カルロ「いつも結んでるだけだしそんな変わんねぇだろ?」
+
リオ「うーん、普段結んでいた人が髪下ろすとまた雰囲気が違うもんだよね」
ヴァニラ「そうだな。それに……瞳の色が違うだけで別人に見えるものだしな。瞳の色とは魔力の変質により大きく変わるからな」
リオ「(そういや……カズトもたまに緑色になってたりするんだよなぁ。そういうことなのか?)」
+
カルロ「そんなにか……ちなみに今の俺は魔法使えねぇぞ」
シラ「私は魔法使えますよ……リオさんは使えないヒトの方ですか?」
+
リオ「つまり、今カルロは無手も同然ってことか。ボクは魔法は使えないよ。知識としてはあるけど、魔力が人より少ないから使ったら死んじゃうかな」
ヴァニラ「……魔力の感じがしなくて、余計シャルロに思えてくるな。まあここにいる間は魔法を使わずとも済むだろうがな」
リオ「シラちゃんはどんな魔法が使えるの?」
+
カルロ「んー、まぁ力は弟並になってるぞ」
シラ「えーっと私は……炎と水と風と雷と…それから光属性を使えます……!」
+
ヴァニラ「……シャルロだな」
リオ「んーとそれって……ほぼほとんどじゃない?人は見かけに寄らないな!」
ヴァニラ「……(わたしの周りには不思議な奴らばかり集まるのは、なんの因果のだろうな)」
リオ「光魔法って難しそうだよな……」
ヴァニラ「わたしのところは光属性の者しか扱えないな。水や風は種族ごとに使える場合もあるそうだが、光魔法を並行して使う者など見たことないな」
+
カルロ「ただ、この体久しぶりすぎて使い慣れてないからろくに戦えねぇ」
シラ「そんなに難しくないですよ……!キキさんとかは光と闇を並行しています…!」
+
リオ「大丈夫だろ。こんなところでそんなに戦うことなんざねーんだし!羽休めだと思ってゆっくりすりゃ?」
ヴァニラ「相反する二つの力を並行して使うだと……?何者なのだ彼女は……」
リオ「(カズトもミナも並行して使ってるから何も言えないんだが)」
+
カルロ「ま、もしも何かあってもリオがどうにかしてくれるよな!………ババァはすげぇぜ。こっちの世界じゃ有名人だしな」
シラ「とってもお強い方ですよ!実はもう一人、光と闇を使う人がいるのですが……ナイショにしときますね…!」
+
リオ「そうだね、うっかり流れ弾に当たるヘマだけしないならなんとかなるかな」
ヴァニラ「お前……すごい人と知り合いなのだな……。わたしは光魔法なぞ使えばどうなることか」
リオ「てかまだ使える奴いんのか、すげえな……」
ヴァニラ「幸か不幸か、まだお目にはかかっていないな……光闇使いは。……だが、この世のどこかには『闇の光使い』という光と闇を扱う優れた魔法士がいると噂で聞いたことがあるな」
+
シラ「皆さん凄いですよね……!人には向き不向きがありますしね……」
カルロ「ま、もう一人の奴には会わねぇ方がいいだろうよ」
+
リオ「……会わないことを願っとくよ」
ヴァニラ「っと、つい話し込んでしまったな。明日もあることだし、そろそろ戻るか?」
リオ「そうだね。宿でこんなにのんびりできるのはいいことだ」
ヴァニラ「……よほど旅慣れしてるように見えるな」
リオ「まあ旅人だからね」
+
カルロ「そうだな、明日何するか知らねぇけど」
シラ「私は旅をしているわけではありませんが、このようなところに寝泊まりするのは初めてです……。布と布の間に入って寝るのでしょう…?」
+
リオ「まあのんびり平和ボケしとけばいいんじゃねー?……ん?布団とかも知らない?」
ヴァニラ「そうだな、今はちょうど寒くなる時期だから、暖かくして寝たいものさ。少し不安ならばわたしや親しい者の側で寝るのがいいだろう」
リオ「あー、部屋戻ったら銃の整備でもすっかなぁ。飲み終わったカップ戻してくるよ」
ヴァニラ「ありがとう」
+
シラ「えっと………普段睡眠しないので……。暗闇の中で目を瞑るの、怖そうです………そうしてもらえると嬉しいです…!」
カルロ「お、サンキュー。整備なんてしてたらガンさんがうるせぇぜ」
+
リオ「(すごく、不思議な子だなぁ)」
ヴァニラ「そうか。不安ならいつでも手を握っていいぞ」
リオ「そうだなぁ、ガンジに見てもらうのもいいかもしんないな。彼の話は興味深くて面白いよ」
+
シラ「手を握ると不安じゃなくなるんですか……!なら、そのときはお願いします!」
カルロ「あいつはうるせぇだけだろ。あの雷兎が慕う理由も分かんねぇ」
+
リオ「あの雷兎が……うーん想像できない!」
ヴァニラ「さてわたしたちは先に行くぞ。シラも行こうか。また明日な、おやすみ」
ヴァニラとシラちゃんは歩いていった
リオ「うん、おやすみ。ボクたちも戻る?そろそろ皆戻ってくるんじゃないかな」
*
シャラン。
彼が歩く度に首元で慣れない音が響く
カズト「……」
顔には出さないが、心底嫌そうに首元の鈴を触っている。これは気まぐれリディアにつけられたものだ!
カズト「(オレはペットかよ、気に食わねえ)」
この装備は呪われていて外せない!(?)
+
カルロ「だろ……?おう、おやすみ。ゆっくり休めよ」
シラ「はい…!おやすみなさいませ……!」
お辞儀して去る
カルロ「…そうだな。コンタとディルならまだ遊んでそうだけどな」
*
ガンジ「いってぇ!」
天井の低いところで頭ぶつけてる
ガンジ「もうちょい高く造ってくれよな!………ん?なんだあんた、捨て猫か?いや、捨て人か」
+
リオ「それは、言えてる」
*
カズト「……あんたは、誰だったかな」
振り返って睨む。鈴が揺れる
+
ガンジ「うーん、オレたち初めましてじゃないのか?あんたと会った記憶ねぇ!」
記憶力カス
+
カズト「そうか」
そのまま去っていこうとする
+
ガンジ「あれ?どっかで会ったか?」
カズトさんの前回り込む
+
カズト「さあな」
邪魔そうにガンジさんを見上げる
カズト「夜は宿から出られないようになってるらしい。外に出るなら日のあるうちだな」
横を通りぬけようとする
+
ガンジ「えー!絶対会ったって!!あんた名前は??…おう、サンキュー!」
+
カズト「…………カズトだ」
チラッとガンジさんを見て名乗ると、どんどん先に行ってしまう
歩く度に鈴が鳴ってる
+
ガンジ「カズト……?知らねぇな!ちょっと待てよー!」
カズトさん追いかける
+
カズト「…………頭上注意だ」
って言った直後天井が低くなる
+
ガンジ「え……、いでっ!」
もちろんぶつけた
ガンジ「もっと早く言ってくれよ〜。……カズトは今からどこに行くんだ?」
+
カズト「特に目的はないな。この建物の構造を把握しようとしてるだけだ。……温泉宿でこんなに羽を伸ばせないことが億劫だ」
鈴に触る。すごい邪魔そう
カズト「お前は?……あー」
遠目にミナとアエリアちゃんを見つけて、Uターンする
+
ガンジ「へぇ!結構ここ楽しいけどな、よく分からなさすぎて!!オレは部屋の場所分かんなくて……あ、おいどうしたんだ?」
カズトさんについてく
+
カズト「遭遇したくないものを見た」
しかし鈴が鳴るので、どうしても気づかれる
ミナ「ん?あれー!カズトだー!どこ行くのー!」
追いかけてきた!
カズト「……逃げる」
のでカズトは逃げ出した!
+
ガンジ「じゃあオレもなんとなく逃げる!」
アエリア「カズトとガンさんだ!…何で逃げるのー!」
+
ミナ「もーカズトってば!」
ミナは魔女のほうきを取り出して横向きに乗る。
ミナ「アエリアも乗る?」
カズト「特にミナとは関わりたくないからな」
階段を駆け上がる
ミナ「なんでか知らないけど、鈴の音でどこ行ったのかわかるね!」
ほうきに乗って追いかける
+
アエリア「ほうきで飛べるんだ!乗る!」
ガンジ「そんなに癖のあるやつなのか?」
まだついてってる
アエリア「何か飼い猫見たいね!」
+
ミナ「しっかり捕まっててねー!」
カズト「今は会いたくないな」
カズトを追いかけて階段の上へと追いかける。登って来た頃合いを見計らって、止まってミナたちを睨みつける
ミナ「あれ?もうおしまい?カズトー!」
カズト「……」
迫ってきた瞬間、ミナの伸ばした腕を避けて階段の手すりを掴んでそのまま階段下まで降りる(ガンジさん置いてった)
ミナ「あっ……」
ほうきは急に方向転換できない!
そしてカズトは奥へと逃げてしまった……
ミナ「あーあ残念!カズトに抱きつきたかったのに!(一瞬だけ首元に鈴が見えた……ふーん、なるほどね)」
ミナはほうきを止める
ミナ「で、なんでキミまで逃げたの?」
ガンジさんに問う
+
ガンジ「おお、すげぇはえぇなほうき!避けるの上手いな……頑張れよ〜!」
アエリア「ミナはカズトが大好きね!……わたしもシャルに会いたいなぁ」
+
ガンジ「え、なんでって……なんとなくだ」
+
ミナ「うん!カズトはかっこいいから大好き!……なら明日シャル姫迎えに行くー?」
ほうきから降りて消す
ミナ「なんとなくって、それ共犯に間違えられても知らないわよー?」
*
カズト「……はあ」
逃げ切ったカズトはため息をつく。
カズト「(この鈴がどんなものかバレたら、厄介だ……特にミナには)」
歩き出そうとした時、背後に気配がして振り返った。
+
アエリア「いいの?行くー!」
ガンジ「別に悪いことしたわけじゃないしな!二人は何やってんだ?」
*
八咫「よお兄ちゃん、浮かん顔してどないしたん?」
カズトさんの頭に乗る
+
ミナ「明日の予定決まりね。ミナたち?ミナたちはお風呂帰りー!」
*
カズト「……あんたは確かあのキツネの……」
頭に乗られて鈴が鳴る
+
ガンジ「風呂入ってたのか!湯冷めする前に部屋に戻れよ!……で、オレたちの部屋どこなんだ?」
*
八咫「せやで〜!覚えててくれたんやな、嬉しいわ!……な〜んやけったいなモンつけてんな!」
+
ミナ「ご心配どうもー。キミも早くお部屋戻れるといいわね!じゃあ行こう、アエリアー!」
助けないミナはさすが
*
カズト「あのキチガイな召喚士につけられたんだ。恐らく探知魔法が付加されてるだろうが……それ以外にも嫌な効果がありそうだな」
すごい他人事な説明
+
ガンジ「戻れるように頑張るぜ!じゃあな!」
アエリア「じゃあねガンさーん!」
*
八咫「リディアちゃんか〜!なるほど、さすがやな!……兄ちゃんに外されやんようにしてるし、遠くに行っても場所バレるんやろなぁ」
+
カズト「余計なことを……。あいつは人の魂にまで干渉してくるから嫌いだ」
深いため息
カズト「ところであんたは?ご主人様から離れてまで散歩とはなかなか図太い従者だ」
+
八咫「ん?だって、白髪ボーイと遊んでばっかりで面白ないもん!兄ちゃんのが面白そうやしな!!」
+
カズト「はあ、そうかい。なら報酬としてこれを外してほしいものだな」
鈴に触れる
+
八咫「え〜……報酬少ないやん」
+
カズト「あんたがオレを使って楽しむのなら、オレはあんたを使って平常へ戻る。……50︰50(フィフフィフ)だと思うがな」
外の見える窓辺の椅子に座る
カズト「外すことはできるんだな?」
+
八咫「兄ちゃん絶対商売上手やろ〜!……一応外せるで〜!」
カズトさんの髪の毛啄んでる
+
カズト「そうか」
腕を組んで目を閉じる。ちょっとうざったそうに頭をかく
カズト「……一応お前の条件を聞こうか?」
+
八咫「う〜ん、条件なぁ。じゃ、ワシと鬼ごっこしよや!捕まえたら外しちゃる!」
そのまま黒い煙となって消えた
+
カズト「…………はあ、聞くんじゃなかった」
『どうするっすかマスター?面白そうっすね!』
カズト「うるさい。居場所は?」
『なんだけっこうノリノリじゃないっすかー!そんなに嫌なんすかその鈴……似合ってるのにー』
カズト「……」
『いいっすよ、案内するっす!……こっちっすよ!』
仕方なくカズトは歩き出した
+
八咫「お嬢ちゃーん!勇者の兄ちゃん連れて来たるからここいさして〜」
ミナちゃんの肩にとまる
アエリア「エロカラス!何しに来たのよ!」
八咫「勇者様と鬼ごっこや〜」
+
ミナ「えー?カズトが来てくれるの?それは嬉しいなぁ」
八咫さんナデナデ
ミナ「でもあのカズトが素直に鬼ごっこに応じるかな」
*
カズト「……疲れたからやめたい」
『ええーダメっすよー!まだ始まったばかりじゃないっすか!ほら走る!』
カズト「他に外せる奴探す」
『マスター、"あのカラスだから"外せると思って条件ふっかけたんすよね?むやみやたらに話しかけるなんてマスターらしくないっすもん……他に外せる人がいないことくらい承知済かと思ったんすけどね?』
カズト「…………そうだな」
『早いっすねマスター、もう彼の行き先検討ついてるんす?』
カズト「あーもう……めんどくさい」
+
八咫「わーい!嬢ちゃんに撫でられた〜!応じてくれやろ、多分!見つかったら温泉に逃げよ〜」
+
ミナ「そうねー、でも温泉はもう入ったから却下☆」
+
八咫「ワイもまだ入ってないし、勇者様も入りたいやろし〜!勇者様現れたら一人で温泉行くわ〜」
+
ミナ「あらそー、頑張ってねー。じゃあついでにカズトの首の鈴について教えてー。そうすれば……」
その時、ミナの顔の横を風を切って一本の剣が通り抜けた
カズト「……そうすれば、どうなんだクソガキ?」
ミナ「あは、驚いた。音もなく近付いてきたの?やっぱりカズトはすごいなぁ」
ミナたちの前にはカズトが立っていた。いつもつけているマントを首元に巻いていた。
カズト「そのお喋りカラスを渡せ」
ミナ「うーん、どうしようかなぁ?」
+
八咫「うわぁ、さっすが勇者様やな!……なんかワシの取り合いしてくれてる!」
アエリア「このエロカラスさっさと持ってって」
八咫「酷いなぁアエリアちゃん!ほな、温泉で語り合おうや〜!」
また消えた
+
ミナ「(さっきまで聞こえていた鈴の音が聞こえなくなった……つまり隠した、カズトにとって隠したいものなのね?それも、あのカラスの口車に乗ってまでのもの……)
ふふ……、カズトが自らミナの元まで来てくれて嬉しいなー!」
カズト「……」
カズトは抱きついてきたミナを避けると何も言わずにその場から立ち去った
ミナ「……楽しくなりそうだなぁ」
*
ミラ「わあー見てみてー!ここから温泉街が見えるよー!」
ミラたちは窓から外を眺めていた
レンカ「湯冷めするから、早く部屋帰るぞ……」
+
アエリア「あの人が鬼ごっこなんてするんだね……」
*
シフォン「行きたい〜!じゃあ湯冷めしないように暖めとくね〜!」
レンカさんの背後から抱きつく
+
ミナ「ほんとねー。……いったい何を隠してるのかなぁ!さてと、寒くなってきたし……そろそろ布団に潜りたいなぁ!」
*
ミラ「暖める?」
一緒になってレンカにくっついてる。
レンカ「いや、そういう意味じゃねえって。まあ町並みは綺麗だけどよ。ほら戻るぞ……ってあれはツェザとシャルロか?」
+
アエリア「………?早く部屋に戻ろ!」
*
シフォン「あ、ホントだ〜!ツェザーリく〜ん、シャルロく〜ん!!!」
走ってく
+
ミナ「そうねー!」
*
レンカ「おいおい走ってくなよ……」
ミラ「わーいシャルロだー!久々だねー!」
ミラも走ってく
+
シフォン「ツェザーリく〜ん!」
ツェザーリ「……シフォンか……おい、くっつくな……」
シャルロ「……あれは、ミラ…?」
+
ミラはシャルロくんに抱きついた(勢い余ってもはやタックル)
ミラ「そーだよー!こんにちはー!」
レンカ「お前ら元気だな……。よっす、お二人さん」
+
シャルロ「わ……ミラは元気だね……こんにちは」
ミラちゃん撫でる
ツェザーリ「レンカか……こいつらの世話お疲れ様だな」
+
ミラ「にへへー!」
レンカ「ありがと。疲れるよこいつら……」
ミラ「ねー、見てみてー!レンカに浴衣着せてもらったんだよ!かわいいよね!」
青色の浴衣を見せる
レンカ「……こいつらの着方直すの大変だった」
+
ツェザーリ「だろうな。こいつらの世話して疲れない奴いないだろ」
シフォン「僕も着せてもらったよ〜!」
シャルロ「………二人とも、似合ってるよ……」
ツェザーリ「確かに変な着方してそうだ」
+
レンカ「まあいいけどな、別に。世話すんのは慣れてる」
ミラ「えへー!フェオにも見せたいなあ!うーん、私の青いやつ、フェオにも似合いそう!」
レンカ「とってもやめてやれ。それ女性用だから……」
ミラ「……フェオ、似合うよ?」
レンカ「可哀想だから真顔で切り返してくんな。それで……あんたらは風呂入ったのか?」
+
シフォン「僕もお兄ちゃんに見せた〜い♪」
シャルロ「たしかに、フェオなら似合いそう……」
ツェザーリ「お前も乗るな……一応、入った」
+
ミラ「だってー!おばさまがくれたスカート、私が履かないならフェオに履かせてみたらってルヴェが言うんだもん。そしたらすごい似合ってたんだよー!」
レンカ「(無理やり履かされたんだろうな……フェオ可哀想に。純粋ってこわい)」
ミラ「ツェザさんも入ったんだ!温泉気持ちよかったよね!また後ではいろーよシフォン!」
+
ツェザーリ「(さすがルヴェだな)」
シャルロ「オレも見てみたいなぁ……」
シフォン「入りたーい!今すぐ行こうよー!」
+
ミラ「でもさすがに、クローゼットの私とフェオの服全部入れ替えたら怒られちゃったけどね」
レンカ「そらな」
ミラ「わー!行こう行こう!」
レンカ「もう夜遅いから明日にしろ」
ミラ「……だってさ!」
+
ツェザーリ「それはな」
シフォン「え〜、残念!……じゃあ明日はシャルロくんとツェザーリくんも一緒に入ろうよ〜♪」
ミラ「いいねー!面白そう!!」
レンカ「……いや、それは難しいだろ」
ミラ「えー!なんでなんで!?」
レンカ「少しは考えやがれ」
+
シャルロ「…お風呂って、男女で分けてるらしいよ……なんでわざわざ分けるんだろ……」
シフォン「みんなで入った方が楽しいのにね〜?」
ツェザーリ「(こいつらめんどくさい)」
+
ミラ「水鉄砲で撃ち合いしたいね!」
レンカ「それは、温泉でやることじゃない……」
『要望であれば混浴、という名の温水プールをご用意するわよ?』
レンカ「!?」
ミラ「あ、リディ姉?」
+
シフォン「したいしたい〜♪リディアお姉さんの声だ〜!プール欲しい〜!!」
シャルロ「リディアさん……?どこにいるんですか………?」
+
リディア『おっけー!じゃあ明日は無理だけどその次の日以降なら全然おっけー!四番町においで!』
ミラ「わあ、楽しみ!!」
リディア『最近『』で喋ることが多くてやんなっちゃうね!まるでこの世の者ではないような扱い!これは2世紀のマシンガントーク並に粗雑だわ!』
レンカ「……なんかツェザの方から聞こえっけど?」
リディ「いやぁ、レンちゃんってばスルーするのはおちょぼ口よ!」
+
シフォン「じゃあみんなで行こうね〜!」
ツェザーリ「多分この鈴だな。うるさいからお前持っとけ」
シャルロ「え……オレいらないよ………」
+
リディア『この装備は呪われているため外せません!』
ミラ「外せません!」
レンカ「何やってんだ……」