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02 探索編

シルフィ『あーダメっすよ?彼はアタイの、酸欠になるほど濃厚な口づけを交わしてまともに立てないんすー』
くるくると楽しそうだけど、ディルめっちゃ息苦しそうにしてる
シルフィ『まあ彼の驚いた顔もなかなか面白かったっすけどね!……だから邪魔する人はいないんすよー?遊びましょう少年ー』
そしてまた抱きついてきた



ツェザーリ「……現実にはいないと思うがな。白い虎は白虎、眠り亀は玄武………みんなと違うお星様、がよく分からないな」

カルロ「酸欠ってお前………ちょっ!やめろ!!お前となんか遊びたかねぇんだよ!!腹も減ってんのに邪魔すんじゃねぇ!」



レンカ「虎に、亀……?そういうイメージがあるのか……そしたら、せいりゅうとかすざく?はなんなんだ?」

シルフィ『なるほど少年はお腹がすいているんすね?なら……アタイがご案内致しましょうか?空腹を満たすものを』
カルロ兄から離れてディルの方へと戻る。シルフィードがディルの背中を触ると、急にむせて大きく息をし始めた
ディル「っ…………、死ぬかと、思った……」
シルフィ『死んでしまってもよかったんすけどね?』
ディル「……カルロ、平気か……?」



ツェザーリ「青龍は龍、朱雀は鳥だな………」

カルロ「はぁ…………。死んでしまってもよかったってなぁ……。……お前よりは平気かもしれない」



レンカ「龍……、ってことはさっきの蛇?は龍ってことになるのか?……ともすれば、ここは東の方?」

ディル「なら、いいんだ……」
シルフィードはディルに抱きつく(少しだけびくっとした)
シルフィ『ふふふ、君も可愛らしい反応するようになったっすね?』
ディル「ありがとう……それで、この可愛らしい風の子は誰なんだ?」



ツェザーリ「……そうとも取れるのか……?ただ、玄武は亀に蛇が巻きついた姿でも表される」

カルロ「………お前、立ち直りはええな?自分で聞け、俺は極力そいつに関わりたくない」
歩き出す



レンカ「亀に、蛇……?じゃあここは玄武の場所?……あー、わかんね!それよりその白い鍵だよな!?結局どこの鍵なんだ!?」

ディル「いや、まあ……普通に接してくれるなら願ったり叶ったりかなぁって」
でも表情は笑ってない
シルフィ『嬉しいこと言ってくれるっすね!……えーアタイは少年の口から名前呼ばれたいっすよ~!』
カルロ兄の腕にまとわりつく
ディル「カルロ好かれてるなぁ」



ツェザーリ「まぁ……ゆっくり考えるか……。白い鍵は多分……白虎、西の方じゃないか?」

カルロ「俺はお断りだ離れろ!!」
走る



レンカ「……。……そっか、確かにその可能性あるな!白虎が蛇ってことはなさそうだし……一度西の方に向かってみるか?」

シルフィ『うわあ必死っすね!お腹空いてるのによく走るっすね!』
ずっと腕にひっついてる
ディル「オレも、お腹空いた……」
ディルは歩いている
シルフィ『それならば早速、風の精霊シルフィードが飲食エリアへご案内致しますっすよ?風の導きのままに』
急にカルロ兄から離れて、カルロ兄の前で仰々しくお辞儀をする。面を上げてニコリと微笑んだ

フェオ「ねえ、シャルロ」



ツェザーリ「そうだな……もし白虎で合っていれば蛇が青龍か玄武かも分かる」

カルロ「空腹よりお前といることが辛いからな。お前……知ってるのか食べるところ……まさか、風で飛ばすつもりか?」

シャルロ「…………?」



レンカ「……うん、考えんのはツェザに任せるわ」
そして二人は神社を後にする

シルフィ『ええ、知ってるっすよ。ここには手軽に食べられるものやスイーツがあったり、本格的なワイナリーがあったりするらしいっす!』
ディル「へえ、そんなのがあるのか……」
カルロにおいついた
シルフィ『風で飛ばす?ああ、そういう方法もあるっすね!もしもそれがお望みならそうするっすよ!……ただし、どこへ飛んでくかわからないんで、場合によっては天井に突き刺さる可能性も』
ディル「案内してもらおうぜ、突き刺さるのは勘弁だ……」

フェオ「……ブラン、たち。いないね?」



カルロ「俺、魚食いてぇ………。そうだな……別にお望みではないし、確実に生きて食べたい」

シャルロ「……うん………」



シルフィ『少年は魚が好きなんすねー』
ディル「魚か……まあ、いいか」
シルフィ『ならば三人で手を繋いで行くっすー!それが嫌ならアタイの風でびゅーんっす!』
ディル「それは嫌だー」

フェオ「……どうしようかぁ。ちなみにここはどこだろう?あー、噴水があるね?」



カルロ「魚が嫌なら何がいいんだ?……てか手を繋ぐのも飛ばされるのも嫌なんだけど」

シャルロ「………さぁ……?噴水………水飲んでいいかな…?」



ディル「別に嫌じゃないけどさ」
シルフィ『あー、わがままっすね?せっかく選択肢を二つ用意してるのに。わがまま言うんならアタイもわがままするっすよ?……君の体を全て空気に溶かしてからアタイと一緒に世界を見て回るんす、魅力的っすよ?』
ディル「……それって死ん……なんでもないです」
口止めされるのを恐れた

フェオ「うーん、ちょっと疲れたしいいんじゃないかな?……僕も休憩ー」
噴水に腰掛ける




カルロ「はぁー………ホントにとんでもねぇ奴だな……」

シャルロ「……冷たい………」
水飲んで顔洗ってる



シルフィ『褒め言葉っすね!』

フェオ「……ま、忘れそうだけどリディ姉が管理してるんだったら安全な水だろうね。僕も飲む……」
フェオも噴水の水に手をひたした、その時
フェオ「……っ!!?」
水の中から何者かに手首を掴まれた。そのまま水はゆっくりとフェオを飲み込み始めた
フェオ「わ、わっ!?たす、たすけて!!」



シャルロ「…フェオ………!?」
フェオくんの首根っこ掴んで引っ張る



フェオ「わあっ!」
引っ張られて、噴水から距離をとる
フェオ「あ、ありがとう……でもいったいどうしたって言うの……?」
すると噴水から不自然に水が溢れて、やがて女性の形を取った
ディーナ『うふふ……始めまして水に愛された坊やと双子ちゃん?まあ双子ちゃんは前にも会ったことがあるけれどね』
フェオ「だ、だれ……?」
ディーナ『私は勇者様にお仕えする精霊の一人、水の精霊オンディーナ。あなた達と遊びに来たのよ』
フェオ「さ、さっきのゲノムスさんと同じ……カズトさんの……」
ディーナ『あの砂男と一緒くたにされるのは心外だわぁ。私は彼らよりも気高く美しいのよ?』
そういうと二人の周りをぐるりと回って水の体を巻きつかせる
フェオ「!?」

レンカたちが神社から出たら、ニーちゃんが二人を見つめていた
レンカ「……お、おう。でかい……どうかしたのか?」



シャルロ「………なるほど、カズトさんの………でもオレは会った覚えないんですけど……っ!?」

ツェザーリ「……さすがに蛇の気持ちは分からないぞ……」



顔がシャルロくんに近い
ディーナ『うふふ……まあ無理もないわね、だって貴方に私の姿はみえないものね。この光景を貴方の片割れくんが見たらどうなるのかしらぁ?うふふ……』
両手でシャルロくんの顔を押さえ込む
フェオ「シャルロ……!(なんとかしなきゃ……)」

するとニーちゃんはレンカにすりすりしてきた
レンカ「わ……!あはは、かわいいなお前!」
そしてそのままレンカの服を掴むと自分の背中に乗せた
レンカ「……?どこか行くのか?」



シャルロ「………?……わ、……どうしたんですか………?」

ツェザーリ「意外と人懐こいんだな………」



ディーナ『君の肺に水を送って溺れさせてあげる。海の底まで連れてってあげるわ』
シャルロくんに顔を近づけたその時、
フェオ「<ラファルティ>!」
唱えると、オンディーナは水となってそのまま二人に降り掛かった。びしょ濡れだ!
フェオ「……なんとかなった?」

レンカ「ツェザも乗るか?」
ツェザさんに手を伸ばす



シャルロ「……わ…………!?あれ、消えちゃった……?」
頭振って水飛ばす

ツェザーリ「……ああ………」
レンカさんの手を掴む



二人が乗ったのを確認すると、ニーちゃんはゆっくり進み始めた
レンカ「お前蛇なのに暖かいんだな……」

フェオ「水から出てきたからと思って、小さめの蒸発魔法を使ったんだ……。なんかよくわかんないけど、早いところ噴水から離れよう!」
噴水から距離を取ろうとするが……
ディーナ『……あら、逃さないわよ?』
フェオ「わっ!?」
いつの間にか、背後からハグされていた!
ディーナ『貴方の魔法もなかなか刺激的で気持ちいいわね。私そういうの好きよ?もっとやって?』
フェオ「や、やめ……っ」
ディーナ『あらぁ、やめてって言われたらもっとやりたくなっちゃうわぁ?その恐怖に歪むその表情をもっと見せて?』
徐々に飲み込まれつつある



ツェザーリ「………赤いし、炎の蛇だったりするのかもな……」

シャルロ「(悪い人なのかな……?)……フェオ………!」
剣を抜いてオンディーナさんを斬る



フェオ「あなたはカズトさんのお仲間なんでしょう?!なんでこんな…………あっ!?」
ちょっとだけ水をのんで咽た
ディーナ『あらぁ、それはちょっと違うわねえ。仲間ではあっても味方とは限らないのよ?まあ、これは私のコミュニティの証よ。愛おしいからこそじっくりいたぶってあげるの』
フェオ「う……ごほっ……」
ディーナ『うふふ……大丈夫よぉ御姉様の要望で命までは取らないから。それで、どう?鉄錆びの刃で水を斬ることはできたかしら?』



シャルロ「………っ……!(効いてない……)」
水の中に手を伸ばしてフェオくんを掴む



フェオ「シャルロ……(もう一発、蒸発魔法が放てれば……)」
ディーナ『うふふ、まだ抵抗する気なのねぇ。強気なのは好きよ?でもそれはダーメ』
フェオ「っあ……!」
嫌がらせで少しずつ水を無理矢理飲ませている
フェオ「っげほ……うっ」
ディーナ『水属性の少年なんて、私が好きにならないわけないでしょう?普段従えている水というものに、意志を持ってその自由を奪われているってどんな気持ち?水を恐れてしまうかしら?ふふふ、考えるだけで楽しいわね。……もちろん』
フェオを掴むシャルロくんの腕を引っ張る
ディーナ『貴方のことも好きよ双子ちゃん?』
そのままシャルロくんへとまとわりつき始めた



シャルロ「………!フェオを……離してください………っ」
オンディーナさんを僅かに凍らす



フェオ「……シャ…………っうあ」
ディーナ『……あら?私にその命を差し出してくれる気になったの?嬉しいわぁ……慣れないことをすると、本当に死ぬわよ?』
次の瞬間、シャルロくんを思いきり投げ飛ばした。(このときシャルロくんの魔力をちゃんと回復させました!)
ディーナ『言ったはずよ?命までは取らない、と。裏を返せば死なせないということなのよ?人は脆く弱いからすぐ死んじゃうんだから、私のお遊びで自分から死ににくるのはお門違い。……まあそこが大好きなんだけどね?』

そして投げ飛ばされたシャルロくんは壁にぶつか――ることなく、何者かにキャッチされた
ディーナ『あらぁ?』



シャルロ「………っ……!………あれ………?」
キョトン



マンドラ『……』
そっとシャルロくんを降ろす



シャルロ「……………ありがとう……ございます……?」



マンドラ『……少しはしゃぎすぎじゃないのか?』
ディーナ『あーあ、私だけなのなのかしらぁ?……はいはーいこれくらいにしとくわよ、ちょうど興も冷めちゃったもの。じゃあね水の坊やと双子ちゃん』
オンディーナはフェオをその場に解放すると、その場からいなくなった

フェオ「……げほっ、げほっ…………た、助かった……?」



シャルロ「………どっか行っちゃった………。フェオ、大丈夫………?」
フェオくんに駆け寄る



フェオ「うん……大、丈夫、なんとか……。ありがとうシャルロ」
マンドラ『……』
フェオ「その人は……?」
無言で二人の周りに火をいくつか灯す
フェオ「え……?」
マンドラ『俺はサラマンドラ。あいつらと同じ精霊だ。……だいぶ濡れてしまっているようだから、しばらく火に当たるといい』



シャルロ「………ありがとうございます……。あったかい………」
火に手をかざす
シャルロ「……さっきの人の知り合いなんですね………色々、助かりました……」



フェオ「……精霊って、いい人もいるんだね……」
暖まっている
マンドラ『……同じ勇者殿に仕える身として少々難がある奴らだ……』



シャルロ「………3人もいるんだね………カズトさんも大変そう…」
寝転がる



マンドラ『……いや、我々は四精霊だ。だから四体だな』
フェオ「もう一人いるの……?」
マンドラ『どこかで何かやらかしてる気がしないでもない』
フェオ「それ、大丈夫なんですか?」
マンドラ『なんとも……』

ゲノムス『はあ、ちょうどいいところに広場があったンだ~』
三人は広場にある木製のベンチに腰掛けていた。ゲノムスはヴァニラの膝の上に乗っている
ヴァニラ「(ココアショップなんてあるのか……謎だな)」
ヴァニラはココアを飲んでいる



シャルロ「…………他の二人みたいな方ですかね………ふあぁ」
寝る気満々

ブラン「………二人、置いてきちゃいましたよ………」
こちらもココア飲んでる



マンドラ『そうだな』
フェオ「シャルロ、寝るの?ここで?……せめてあっちの方見てからにしよーよ。座る場所があるかもよ?」

ヴァニラ「そういえばいないな……。いつの間にはぐれたんだ?」
ゲノムス『きっと後からくるンだ!それより、ヴァニラ嬢の足触ってもいいンだ?』
ヴァニラ「何故そうなる。くたばれ」
ゲノムス『手厳しいンだ!』



シャルロ「……え………めんどくさい……」
引っ張ってやれ

ブラン「いやいや、そう簡単に足を触らせてくれる人いるわけないじゃないですか………」



フェオ「えー……少しだけ!というかこんなところで寝ちゃダメだよ!」
シャルロくん引っ張るけど動かず!フェオは非力
マンドラ『……向こうに亀が寝てる。一緒に寝ておけ』
引きづってった

ゲノムス『そうなンだ?』
ヴァニラ「膝の上に乗せてやってるのだから、我慢しろ」
ゲノムス『……うーん、ヴァニラ嬢は優しいンだ!』
ヴァニラ「そんなに覗き込んだところで、ダメだ(顔はやはり可愛らしいのだな……)」



シャルロ「……だって、あったかいんだもん………亀………?」
そのまま引きずられてる

ブラン「見た目はこうでも中身は大人だって痛感させられるなぁ…」



ヴァニラ「そうだな。侮れん奴だ」
ゲノムス『おらがいつ子どもとか大人とか言ったンだ?おらは精霊だから大人も子どももないンだ!』
ヴァニラ「そうか。……フェオたちも探さないとなぁ」
ココア飲み終わった



ブラン「……でも、どちらかというと大人でしょう?……そうですね、戻ってみますか?」



ゲノムス『大人と子どもを決めたがるのは、有限の時間を生きる者の考え方なンだ!……戻るンだ?』
ヴァニラ「フェオとシャルロがはぐれてしまったからな。そういうわけだからどいてくれ…………何か言いたいことがあるのか?」
おもむろにヴァニラの手を取る
ゲノムス『せっかく何年ぶりのエルフっ子との関わりなンだ。……もう少しくらい遊んでからもいいンだ!』
ヴァニラ「…………は?何を……っ?!」
そして、掴まれた手首から葉が生え、蔦が生え、花が咲き、ヴァニラの動きを制限する
ヴァニラ「……何のつもりだ?」



ブラン「………!?ちょっ、何してるんですか!!やめてください!!」



ゲノムス『人も植物も変わらないンだ!……こんな美しいエルフっ子が二人もいるのにどうして何もしないでいれるンだ?』
ヴァニラ「……っ」
手首が徐々に蔦に覆われていく
ゲノムス『綺麗に咲くかなぁ?』
ヴァニラ「くだらん。こんなことして楽しいか?」
ゲノムス『楽しいンだ!』
即答かよ

ディル「……めちゃくちゃおいしい」
一方の二人は、ハンバーガーを食べ歩きしていた。ちなみにフィッシュバーガー
シルフィ『それならよかったっすー』
シルフィはカルロ兄の肩によりかかってふよふよ浮いている



ブラン「見てるこっちが楽しくいられないんで……やめてもらえます!?」

カルロ「……うま」
シルフィードさん気にしないで黙々と食べてる



ゲノムス『……そっか』
片手をブランくんに向けると、ベンチから葉が生え出てブランくんを捕らえる
ゲノムス『あんたも一緒に楽しめてなかったンだ?すまンだ!』
ブランくんの足が木に変わってベンチと同化していく
ヴァニラ「(急激に魔力が減っている感覚がする)……っ我々をどうするつもりだ」
ゲノムス『もちろん、綺麗な花を咲かせてみたいだけなンだ!』
ヴァニラ「……クズ野郎め」

ディル「腹減ってるとなんでもおいしく感じる……」
シルフィ『マスターも何かを食べてる時が一番幸せそうな顔するっす』
ディル「表情変わるのかあいつ?」
シルフィ『何も変わんないっすけどね~。ちょっとだけ違うんすよ』
ディル「へえ……」
シルフィ『ところで、今の状況知りたくないっすか?』
ディル「状況……?」
シルフィ『そ。アタイ以外の奴らが何をしているか』
ディル「何してんだ?」
シルフィ『それぞれ玩具を見つけて遊んでるんすよー』
ディル「玩具……?」



ブラン「………っ!?うわぁっ!?何するんですか!?そもそもこれ花じゃないですし!!」

カルロ「…………玩具ってお前……そいつら今どこにいる?」
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