偶然がくれた恋だった
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室に着くと看護師が彼の部屋をノックする。
「…はい、どうぞ。」
「幸村君、今日は可愛いお客さんよ。」
「えっ? 可愛いお客さん?」
「こ、こんにちは。」
幸村は少し困った顔をした。
見覚えのある制服を着た子が立っているからだ。だが彼女のことは知らなかった。
(かわいいと言うから、てっきり妹かと思った…。でも、俺の妹が一人で来られるわけないか…。)
困った顔をした彼も綺麗だと思った夏香は固まってしまった。
「えっと、君は…?」
「今年、幸村君と同じクラスになった村田夏香です。」
「そっか。君は俺の名前を知ってるみたいだけど…。」
「担任から聞きました。それに、学校内では幸村君は有名人だから…。」
「…だよね。改めて、俺は幸村精市。よろしく。」
自己紹介のあと、彼はふわりと笑った。
さっきまでの少し重い空気が変わった気がした。
「じゃあ、幸村君、私は仕事があるから、もう行くね。」
「看護師さん、彼女のこと、ありがとうございました。」
看護師が去ったあと、夏香は今日ここに来た経緯を話す。
「幸村君と話したこともないのに“どうして”って、ずっと不安で…。」
「でも村田さんは、逃げずに俺に逢いに来てくれた。」
夏香は不安そうな声で彼に話す。
だんだん、泣き出しそうな表情になる。
「村田さん、お願いだから、そんな表情(かお)しないで?」
幸村は『せっかくの可愛い顔が台なしだ。』と続けた。
「…はい、どうぞ。」
「幸村君、今日は可愛いお客さんよ。」
「えっ? 可愛いお客さん?」
「こ、こんにちは。」
幸村は少し困った顔をした。
見覚えのある制服を着た子が立っているからだ。だが彼女のことは知らなかった。
(かわいいと言うから、てっきり妹かと思った…。でも、俺の妹が一人で来られるわけないか…。)
困った顔をした彼も綺麗だと思った夏香は固まってしまった。
「えっと、君は…?」
「今年、幸村君と同じクラスになった村田夏香です。」
「そっか。君は俺の名前を知ってるみたいだけど…。」
「担任から聞きました。それに、学校内では幸村君は有名人だから…。」
「…だよね。改めて、俺は幸村精市。よろしく。」
自己紹介のあと、彼はふわりと笑った。
さっきまでの少し重い空気が変わった気がした。
「じゃあ、幸村君、私は仕事があるから、もう行くね。」
「看護師さん、彼女のこと、ありがとうございました。」
看護師が去ったあと、夏香は今日ここに来た経緯を話す。
「幸村君と話したこともないのに“どうして”って、ずっと不安で…。」
「でも村田さんは、逃げずに俺に逢いに来てくれた。」
夏香は不安そうな声で彼に話す。
だんだん、泣き出しそうな表情になる。
「村田さん、お願いだから、そんな表情(かお)しないで?」
幸村は『せっかくの可愛い顔が台なしだ。』と続けた。