翌朝―。

実家で久し振りに迎えた、ちょっと遅めの朝は、一人暮らしに慣れすぎた彼女にとって懐かしさと新鮮さを感じていた。

　(あっ、そっか。実家に帰ってきたんだった…。)

スマホを見ると香織から連絡が入っていた。

夏海、実家には無事ついたかな？ 今日は同窓会の前に少しお茶できるかな？　連絡待っとるね。

夏海は返事を返して、香織と逢いに行く準備を始めた。

高校時代に香織とたまに行ったカフェがまだあるということが驚いた。

お店に着くと既に香織がいた。

　「…もしかして、夏海？」
　「香織、久し振り。元気にしてた？」
　「う、うん…。」
　「どうしたの？　同窓会前にお茶したいなんて…。」
　「なんとなく、早く逢いたかったから…。急にごめんな。」
　「いいよ。香織さっきから様子が変だよ？　どうしたの？」
　「夏海さ、雰囲気変わりすぎて誰か分からなかったわ…。」
　「褒めてるなら素直に嬉しい。」

　「高校卒業後、夏海はずっと関東やっけ？」
　「うん。大学も会社も関東だよ。」

彼女は『来年あたり、移動になりそうだから、大阪(こっち)戻る希望出した。』と続けた。

　「そうなんや…。」
　「香織は最近、どう？」
　「ぼちぼちや。」