悪魔
朝になり京子とハルの朝食を運びに来たミリアムにクロームはおはようと声をかけた。
「ミリアムおはよう。」
「おはようクローム。」
クロームはドアを開けるとミリアムが入っていった。
京子とハルは寝付けずに起きていた。ミリアムはテーブルに食事を置いて出ていこうとするが京子とハルに呼び止められた。
「あの!ツナ君に会わせて!お願い!!」
「お願いします!」
ミリアムは京子とハルを見やると拒否した。
「ツナを裏切ったのに何で?あたしは会わせたくない。ツナは大切な親友だからね!」
「私もツナ君と友人だもの!」
「そうですよ!なのに何の権利があってツナさんと会わせてくれないんですか!」
図々しいとミリアムは吐き捨てる。
「あんた達がツナの友人?図々しいにもほどがあるわ!」
「なっ!?」
「図々しくなんかないです!仲直りしたいんです!!」
ミリアムは京子とハルの言葉を無視した。
「死なれても迷惑だからとりあえず食べて。」
「仲直りの何がいけないの!」
「会わせてください!!」
喚く京子とハルにミリアムは話し出した。
「あたしはさデボラ・ビーニに陥れられたんだ。」
「「えっ!?」」
「デボラ・ビーニに騙された元彼と元友人と他の奴らはあたしを痛め付けた。」
ミリアムは一旦言葉を切ってから怒鳴った。
「あたしから見たらあんた達はあたしを痛め付けた愚者達と一緒よ!ツナの話を聞かないで制裁とかいって傷付けたくせに友人とか言わないで!!あたしはツナと出会ってそんなに経ってないけどツナは大切な親友だって胸を張って言えるわ!あんた達は言えるの?言えないよね!あんた達のことだどうせツナと仲直りしたいのは自分達が助かりたい為の口実よね!」
「そんなことないわ!」
「本当に仲直りしたいんです!」
頼み込む京子とハルにミリアムは『仲直りの前に謝罪の言葉が先でしょ!謝罪しないで助かろうとしているのが顔に出てる限り無理ね!』と内心で言うが言葉にはしないで部屋から出ていった。
京子とハルは何故ミリアムにそこまで言われなくてはならないんだと困惑した。
出ていきドアをやや乱暴に閉じるとクロームと目が合った。
「あいつら騙されたって言葉でツナにしたことを誤魔化そうとしてるわ!」
ミリアムは苛立ちげに言うとクロームは最低な人達だからと吐き捨てると相談があると話を変えた。
「それよりミリアムとソフィアさんに相談があるの。」
「相談?」
「ボスは迷ってる。そのことで相談したいの。」
「確かにツナはやり直せるかもしれないって顔をしてるね。でもやり直せないってわかってもいる。だから迷ってるんだよね。相談に乗るよ!見張りは玲一に頼んでみるから!」
ミリアムは玲一の部屋に向かった。
玲一の部屋のドアをノックすると玲一が出てきた。
「ミリアム?見張りはまだクロームなのか?変わってやんなよ。クロームも任務明けなんだからさ。」
「それより頼みがあるんだ。見張り変わってくれる?」
玲一は眉を寄せた。
「まさか任務放棄?」
「任務放棄するくらい大事なことなの!ツナがまだどこかであの女達とやり直したいって思ってることは分かるよね?」
「まあね。」
「そのことでクロームが相談したいって言ってるんだ!だからお願い!!」
手を合わせて必死に言うミリアムに玲一は貸しだよと言って見張りを変わった。
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ツナが部屋で眠っているのを確めてからクロームはミリアムとソフィアを自分の部屋に呼んだ。
「ミリアム、ソフィアさん来てくれてありがとう。」
「かまわないわ。私もツナのことで話があったし。」
「ソフィアもなの?あたしも実はツナのことで話があるんだ。」
三人は顔を見合せた。
「どうやら私とミリアムとクロームは同じことを考えてるみたいね。」
ソフィアが言うとミリアムはクロームからの話を聞きたいと言った。
「クロームの話が聞きたいかな。クロームはツナとの付き合いがあたしより長いしね。」
「そうね。ここはクロームの話を先に聞いた方が良いわ。」
クロームは頷くと口を開いた。
「ボスの心を完全にボンゴレから引き離したい!その為にあることを思い付いた。それでミリアムとソフィアさんの意見が欲しいの!」