悪魔
骸が知らせてきたオークション。そのオークションは毎回売られる商品が違い男性だったり幼児だったりと様々で今回は女性のオークションだ。
売られる側で潜入することになったツナはダンテの執務室で唖然としていた。
売られる側で潜入するのはツナとクローム、ミリアムだ。
「クロームとミリアムは可愛いし美人だから分かりますが俺はちんちくりんで可愛くないですよ?潜入しても追い出されるんじゃ?」
「その点は大丈夫だ。六道骸の新しい情報によると主催者は女好きらしい。」
「そ、そんな理由ですか?だったらソフィアの方が適任じゃ?」
「ソフィアは別の部隊を率いて貰う。顔に自信がないならミリアムにメイクしてもらえ。」
決定は覆さないと言うダンテにツナは項垂れた。
メイクを施して貰ったツナとクロームとミリアムは露出の高い服装でスラム街にいた。
「な、何か恥ずかしいな。」
ミニスカートのツナは裾の短さを気にしているがクロームとミリアムは綺麗な足だと誉める。
「ボス足の形綺麗!」
「胸もあるから様になってるよ!」
「あ、ありがと。」
騒いでいる3人を見ている黒服の男達がいた。
「ツナ、クローム。玲一がいるから行こう。」
黒服の男達はオークションの主催者の部下。そして主催者の部下として潜入していた玲一を見てツナとクロームはミリアムの言葉に頷き怪しまれないように近付いて行く。
玲一がツナ達に声をかける。
「ちょっと君達良いかな?」
「何か?」
ミリアムが答えると玲一は「痩せる薬があるんだけど買ってみない?」と話す。
「痩せれるの?」
「ちょっと気になるね。」
クロームとツナが興味を持ったようにみせる。黒服の男達はツナ達の体を舐めるように見て掛かったとニヤリと笑い口々に話し出した。
「肌が綺麗になるサプリメントもあるぞ。」
「バストアップするサプリもあるよ。」
ツナ達は話し合うふりをした。
「あたしちょっと試してみたいな。」
「でも高かったら買えないよ。」
「私も持ち合わせが少ないし。」
「じゃあ止めとく?」
興味があるが先立つものがないから諦めるふりをするツナとクロームとミリアム。
黒服の男達は押せば食い付くだろうとツナ達を見ていて玲一に落としてみろと急かす。黒服の男達の様子を見て玲一は怪しまれてないと判断した。
「お金の心配はないよ。今キャンペーン中で半額なんだ。今から事務所に来ない?」
「そうなんだ!」
「半額なら買えるかも!」
「俺痩せたい!!」
ツナ達は玲一の合図に目配せしながら買いたいと話す。黒服の男達はそうと決まれば直ぐに行こうとツナ達を事務所に連れていった。
事務所に着くと黒服の男が飲み物を出した。
「試しにこれを飲んでみなよ。アジアにある漢方を中心にしたダイエットの飲み物だ。」
「漢方特有の味はしないように作られてるから美味しいよ。」
ツナ達はソファーに座らさせられて渡された飲み物を飲むふりをする。コップには睡眠薬が入っているからだ。
飲むふりをしたツナとクロームとミリアムはコップを落として眠ったふりをした。
「上玉が3人も手に入ったな。」
「これなら主催者のヤルート様も喜ぶだろうよ。」
「ヤルート様は商品で遊ぶ癖があるからな。」
黒服の男達の下品な話にツナとクローム、ミリアムは気持ち悪いと心の中で吐き捨てた。
運び出そうとする男達に玲一が止める。
「この商品達は俺達が運びますから先輩方はもう休んで下さいよ。」
「さすが新人気が利くじゃねえか!」
「それじゃあとよろしくな。」
黒服の男達は事務所を出ていきツナ達は起き上がった。
「とりあえず潜入出来たわね。」
ミリアムがそう言うと玲一と他のディアベルのメンバー達はここからが任務だと言って監禁部屋に繋がるドアを開けた。
「階下に監禁部屋があるからそこに入ってオークション当日まで待機ね。」
玲一が説明するがツナ達は不安そうだ。そんな様子のツナ達にディアベルメンバーが安心させるように言った。
「大丈夫ヤルートは不能だから。手を付けるっていっても露出の高い服を着せて踊らせる程度だよ。」
それはそれで嫌なんだけどと思いつつツナ達は監禁部屋に入った。
そのまま見張りに着いた玲一は監禁部屋の一つ一つを見て回る。
「笹川京子と三浦ハルを探してみるか。」
事前にディアベル日本支部に頼んでおいた京子とハルの写真を懐から出して顔を確認した。
「さすがにボンゴレ内を潜入するわけにもいかないから仕方ないけどこの写真って彼女達が高校生くらいの頃だよね?」
男ならともかく女は化粧をする。化粧で別人になる女も多い。はっきりいって役に立つか分からない。
玲一は仕方がないとため息をして監禁部屋一つ一つ見て回った。