悪魔


ダンテと玲一に呼ばれたツナとミリアムとソフィア、他のディアベルメンバーは会議室に集まっていた。

ダンテはクロームを紹介した。

「彼女はディアベルの新メンバーのクローム髑髏。幻術士だ。」

「初めまして。クローム髑髏です。よろしくお願いします。」


ミリアムとソフィアはツナがデボラに陥れられた時の話に出てきた人物だと分かった。

「あの子ツナの話に出てた子よね?」

「うん。」

「優しそう、仲良くしたいな。」

小声で話しているとダンテが咳払いをし、ツナとミリアムとソフィアをジロッと睨む。睨まれてツナは口を閉じて、ミリアムとソフィアは肩を竦める。肩を竦めた2人はある程度ダンテに睨まれるのはなれているようだ。


「クロームはある程度イタリア語が喋れるようだがツナとミリアムが教えてやれ。」

「「了解。」」

「戦闘訓練は玲一だ。」

「了解。」

ダンテは役割を振っていくとソフィアを見た。ソフィアは何だという顔をした。

「クローム。君はソフィアに幻術を教えてやってくれ。」

ソフィアは驚いた。

「私の幻術のセンスの無さは知ってるでしょ?」

「クロームは高い幻術能力がある。この際一から鍛えろ。」

「・・・鍛えろって。」

困惑しかないソフィアに玲一は頑張ってと声をかける。

「頑張って。ソフィアの幻術の能力が上がればディアベルの戦力アップに繋がるよ。」

「他人事だと思って・・・・・・。」

こうしてクロームはディアベル入りをした。



女性陣が共有スペースに戻るとツナはクロームに聞いた


「ボンゴレを辞めたって言ってたけどどうやって辞めたの?」

骸程ではないがクロームの幻術の能力は高い。ボンゴレとリボーンがあっさり許すとは思えない。

「デボラ・ビーニ本人に辞めるって言ったら簡単に許したわ。あの人は女が嫌いだから。辞めるのは簡単だった。」

「そ、そうなんだ。」

ツナは幻術の使い手であるクロームを簡単に切ったデボラに多少呆れる。クロームの説明にミリアムは納得しソフィアは男好きな人物だと分かった。

「アイツはそういう奴だからね。女を邪魔くさそうに見てたもん。」

「きっとクロームを追い出す手間が省けたと思っているかもしれないわ。」

「そう思ってると思う。骸様と話してるとあの人、物凄い形相で睨んできたもの。」


デボラは常に骸がクロームに優しく接していることに腹を立てていた。そんな時にクローム本人が守護者を辞退すると言ってきてあっさり認めた。リボーンは反対したがデボラが認め、骸が残るならと納得した。


その後女4人は色んな話をしていて盛り上がる。それを共有スペースで寛ごうとしていた玲一は遠目でツナ達を見て複雑な気分だった。


『仲が良いのは悪いことじゃないけどさ。』


女はやはり女。

仲が良い相手もいるが仲が悪い相手もいる。
ミリアムと仲が悪い女メンバーもいるし、ミリアムを内心嫌っているメンバーもいる。
ソフィアと仲が悪い女メンバーもいる。ソフィアを嫌っている女メンバーだっている。

逆にミリアムが嫌っている女メンバーもいるし、ソフィアが嫌っている女メンバーもいる。

他の女メンバーだって嫌いあっていたりする。

だがその関係がある日突然逆になることもあったりする。

ツナがディアベルメンバーになる前、ミリアムは元マフィアのソフィアを嫌っていた時もあった。

玲一は女は本当によくわからないなと呟いて自室に戻った。


ーーーー

翌日クロームとソフィアは闘技場にいた。

「ソフィアさん。術だけで戦ってみよう。」

「術だけで?」

「うん。ソフィアさんの術がどんなタイプか知りたい。」

「分かったわ。」


ソフィアは幻術で薔薇の棘のような物が付いている蔦を作り出しクロームに向かって伸ばしいき、同時に薔薇の花びらを無数に作り出し飛ばしていく。

クロームに襲いかかる蔦と花びら。クロームは剣を作り出し蔦を切り刻むと今度は炎を作り出し花びらを一瞬で消し炭にした。

蔦は切り刻まれ花びらは一瞬で燃やされてソフィアは冷や汗を流す。

『初めて見た瞬間でクロームの術レベルは高いのは分かったけど予想以上だわ。それに剣も炎も有幻覚!』

クロームはソフィアの術を見て希少なタイプの幻術士だと分かった。

「ソフィアさんの術の能力は希少なタイプ。」

「希少?どういうこと?」

「ソフィアさんの術は戦闘には不向き。でも他の幻術士の術の力を増幅させることが出来るの。そのタイプの幻術士はそんなにはいないって以前骸様に聞いたことがあるわ。」

「つまり私はそのタイプってことなのかしら?」

頷くクロームは続ける。

「薔薇の蔦は若干だけど1本だけ伸びるスピードが早くなっていたし、花びらも数枚威力が途中から強くなった。多分無意識に術の威力を増幅させていた。鍛えたら他の術士の援護に回れるわ。」

「そう。なら鍛えるしかないわね。」


こうしてクロームはソフィアを鍛えていくことになった。


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