悪魔
生理特有の痛みと戦いながらツナは戦闘訓練中にある事が起きた。
ここ数日玲一が任務に出ている為、雲雀が一人でツナを鍛えていた。
雲雀のトンファーで高く打ち上げられて更にトンファーで殴られ吹っ飛ばされた時。
ツナは壁に激突する前に額にオレンジ色の炎が現れた。そして両手を後ろにしてから炎を出して激突を避けた。
一瞬の出来事だったがツナがボンゴレギアもグローブも死ぬ気丸も使わずハイパーモードになった。
額の炎がフッと消えて落下するツナは雲雀に姫抱っこ状態で受け止められ姫抱っこ状態に顔を赤くしておろして下さいと騒ぐと雲雀にうるさいよ!と一喝されて大人しくなった。
「小動物やるじゃない!一瞬だったけどハイパーモードになったよ!!」
「俺、グローブも死ぬ気丸も使ってないのに。何でかな?」
「君自身の戦闘スキルが高いんだよ。その内長時間ハイパーモードになれるようになると思うしそうなるように鍛えてあげる。」
「あの・・・そろそろおろして下さい。(なれるように鍛えるって怖っ!!!)」
雲雀はもう暫くこの状態でいたいがある事を思い出してツナを下ろした。
下ろされてホッとするツナに雲雀は苦笑して、今日の戦闘訓練は終わりだと言った。
「明日も鍛えてあげるから今日はゆっくり休みな。」
「ありがとうございました。」
ツナは雲雀を見送り部屋に戻った。
雲雀はドゥーエ・グラディウスに戻ると草壁を呼び出した。
「草壁、この前裏ルートから入手したリングに大空属性のヤツはあったかい?」
「AランクのリングはありませんでしたがBランクの物でしたらあります。」
「そう。まぁ無いよりはマシか。今すぐ持ってきて。」
「へい。」
草壁は応接室を出ていくと雲雀は「今の小動物がグローブも死ぬ気丸もない状態でハイパーモードになれるなんて知ったら驚くよね。だって赤ん坊達はあの子の戦闘スキルの高さを分かってないし平時は弱いと思い込んでるんだから。」とリボーン達を嘲笑した。
数日後、任務から帰還した玲一は目を見開いていた。
「本当にツナなのか?」
「そうよ。(これがハイパーモードね。)」
「あたしも最初は驚いたよ。」
三人の目の前では闘技場で戦っているツナと雲雀。最初の頃と比べるとツナの戦闘能力が格段に上がっている。
ツナの額にはオレンジ色の炎が現れていて、両手にも炎が灯されていた。
「ハァッ!!」
「甘いよ!」
「うっ!!!」
ツナが雲雀の腹を目掛けて拳を当てに行くが雲雀は避けて回し蹴りをする。
ツナは咄嗟に避けるが雲雀のトンファーを脇腹に食らい横に吹っ飛ばされた。
床に叩きつけられた所でツナの額から炎が消えた。
雲雀はトンファーをしまいツナを助け起こす。
「今日は終り。記録更新したよ。」
「そ、それじゃあ!?」
「うん。1時間ハイパーモードでいられたよ!」
「ありがとうございます!」
ツナは嬉しそうに言うと雲雀はそろそろ良いかとBランクの大空属性のリングを出した。
「基礎体力もかなり付いてきたし、ハイパーモードにもなれるようになったから今度はこれを使ってみな。」
ツナはリングを見て驚いた。
「これって大空の属性のリングですよね!?」
「うん。裏ルートから入手した大量のリングにBランクだけど大空属性のがあったからね。」
『裏ルートって・・・(汗)』
雲雀はツナに渡すと「明日はもっと強くしてあげる。」とニヤリと笑い、ツナは冷や汗をかいた。
戦闘訓練が終り、ミリアムはツナにお疲れと声をかけ、ソフィアはタオルを渡した。
「お疲れツナ。」
「ツナ、タオル使って。」
「ミリアム、ソフィアありがとう。玲一さん任務お疲れ様です。」
「ツナたった数日で随分強くなったね。本当に恭弥が君の才能を抉じ開けたみたいだね。」
感心したように言う玲一に雲雀は当然でしょと笑った。
「この子の戦闘スタイルは熟知してるから。抉じ開けるのは簡単さ。」
雲雀はツナの戦闘スタイルに合わせて訓練させてグローブや死ぬ気丸、ボンゴレギア無しでもハイパーモードに近いくらいには強くしようとしていた。結果、ツナはハイパーモードになれるようになった。
「まあ抉じ開けたのは僕だけどその後はこの子の努力の賜物だよ。」
そう言うと雲雀はまた明日ねと言ってディアベルを後にした。
ツナは大空属性のリングを見てリボーン達を思い出していた。
『覚悟決めないと駄目だよね。』
雲雀に渡された青いリングはかつてのボンゴレギアを思わせた。
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ダンテは玲一のツナの戦闘訓練の報告書を読んでツナに実戦をさせることにした。
ツナとミリアムはダンテの執務室に呼び出されダンテの言葉を待った。
「玲一の報告書と話によるとツナは基礎体力及び戦闘能力もかなり付いてきたと言っている。そこでツナに任務をさせることにした。」
「任務ですか・・・?」
任務という言葉にツナは緊張するがダンテはミリアムを付けると言って話をを続けた。
「何もいきなりレベルの高い任務をやらせるつもりはない。コッタファミリーが麻薬の密売をしているらしい。」
「密売していたら証拠として撮影とか?」
ミリアムがダンテに聞くとダンテは軽く頷くと地図を広げ場所を差す。
ミリアムは場所までの道を頭に叩き込む。
ツナは『既にレベルが高いです!』と心の中で突っ込んでいた。