悪魔
ディアベル日本支部からデボラがボンゴレを継いだ事が知らされ、ツナと玲一、ミリアム、ソフィア、その他のメンバーが会議室に呼ばれた。
ダンテはデボラが継いだとなれば何れボロを出すと踏んだ。
「継いだと言ってもボス教育が済んだ後でボンゴレを継ぐだろうし、教育が終わったからといっていきなりボンゴレの全権を握れる訳ではではない筈だ。」
「確かにそうね。私がかつていたファミリーもいきなり全権を握ったりはしなかったと思うわ。」
ダンテの言葉にソフィアが同意する。
「デボラ・ビーニが全権を握るまで情報収集する事になるって事?そうなると警察にも協力要請も必要か。」
玲一が言うとダンテはカルロの名前を出した。
「ボンゴレとキアロスクーロだ。警察は簡単には応じないだろうからカルロに伝えておいてくれ。元は彼が言い出した事だしな。」
「だね。警察の上層部にカルロの親戚がいるからカルロが粘り強く交渉したら何とかなるかも。でも情報を多く入手しないと警察は動かないからまずは情報収集に徹底するしかないかな。」
玲一が後で連絡を入れると言って会議は終わりメンバー達は受け持っている任務の準備や任務明けだから体を休めると会議室を出ていった。
ツナもまたミリアムとソフィアと一緒に出ていこうと席を立つとダンテに呼び止められた。
「ツナ。」
「何でしょうか?」
「今のうちに覚悟を決めておけ。」
「っ!?・・・・・・・はい。」
覚悟を決めていないツナにそう言うとダンテは会議室を後にした。
返事はしたものツナは俯いた。そんな様子のツナをソフィアとミリアムは何とも言えない顔をした。
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デボラがボンゴレを継いだ事を知らされて2週間が経つと体調も整って戦闘訓練が再開された。
闘技場に入るとツナは目を大きく見開いた。
「やぁ。小動物。」
「な、な、な、何で雲雀さんが!?」
雲雀を指差ししてどもるツナに玲一は簡単に説明した。
「今日から恭弥もツナの訓練の指導をすることになったんだ。恭弥は君の才能をこじ開けるって。」
君の才能をこじ開けるって未来に飛ばされた時にも言われたなとツナは冷や汗をかく。10年後の雲雀は容赦なかった。
『俺殺されちゃうかも!!』
トンファーで攻撃してくる雲雀。縦横無尽に逃げ回るツナ。
玲一は暫く楽しそうに見た後、戦闘に加わりツナは『雲雀さんと玲一さんのコンボは最凶最悪だーーーっ!!』と心の中で大絶叫した。
『赤ん坊が鍛えていたのもあるんだろうけどこの子自身元々戦闘スキルは高いよね。』
逃げ回りながらも雲雀と玲一の攻撃を防ぎ、また攻撃を当ててくるツナに雲雀はウキウキしていた。
こっそり様子を見に来たミリアムは『メチャクチャ怖い!』と顔色を青くして静かにドアを閉めようとするが。
「ミリアムじゃないか。丁度良い。」
玲一は素早くミリアムを捕まえて米俵を担ぐように抱えると「最近鍛えてないでしょ?ツナと一緒に鍛えてあげる。」と戦闘の中に放り込んだ。
雲雀と玲一の猛攻にツナとミリアムはヘトヘトになるまで戦闘訓練は続いた。
「今日はここまでね。」
「はい・・・。ありがとうございました。」
「殺されるかと思った・・・。」
玲一が終わりを告げるが雲雀は物足りなさそうにゼーゼー息をしているツナを見ている。
「恭弥、ツナを見てウズウズしないで。使い物にならなくなったら困る。」
玲一に言われ雲雀は渋々トンファーをしまい、ツナとミリアムは胸を撫で下ろした。
そして暫くの間、ツナとミリアムは雲雀と玲一に毎日力尽きるまで戦闘訓練をさせられていた。
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この日、ミリアムは任務に出ていてツナだけで戦闘訓練を受けていた。
「グッ!!」
玲一の回し蹴りをガードしたがツナは軽く吹っ飛ばされた。そこに空かさず雲雀がトンファーで攻撃してくる。ツナは慌ててトンファーを避けるが急に下腹部に激痛が走った。
『何これ!凄く痛い!!』
下腹部に手を当てながら立つツナに玲一と雲雀は目を見開いた。
ツナの白いホットパンツが赤く染まっていた。
玲一は慌てて内線でソフィアを呼び出し、雲雀はスーツのジャケットを脱いで隠すように言ってツナに渡した。
「玲一!どうしたの!?」
急いで闘技場に入って来たソフィアに玲一は俺達じゃどうにも出来ないと話した。
「ツナが女性の仲間入りをした。後は頼むよ。」
その言葉にソフィアはツナは初潮を迎えたと分かりツナを連れ出した。
ジャケットを腰に巻き付けたツナと気遣うソフィアの後ろ姿を見て雲雀はツナが女になったんだなと思った。
『あの子、女になったんだ。赤ん坊達にバレたら無理矢理ボンゴレかキアロスクーロの人間に嫁がされる可能性が出てくる。でもそんなことは絶対にさせない!!』
雲雀は闘技場を後にし、玲一もまた闘技場を後にした。
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ツナはソフィアに生理用品の使い方を教わった後、痛みに耐えながらベッドで横になっていた。
「ツナ、薬を持って来たから飲んで。少しは楽になる筈よ。」
ツナは起き上がり薬と水を受け取るとソフィアに聞いた。
「生理ってこんなにお腹が痛くなるの?」
「頭痛だったり、吐き気だったりと人によるわ。痛みがない人もいるし、その日の体調にもよるわ。」
「そうなんだ。女の人は皆大変だね。」
「そうね。デスクワークがあるから戻るけど何かあったら遠慮なく内線で知らせてね。」
ソフィアは優しく言うとツナの部屋を出ていった。
ツナは薬を飲むと呟いた。
「ボンゴレは俺を道具にしか思ってないみたいだし知られたら怖いな・・・・・・。」
以前、ソフィアの話を思い出したツナは体を抱きしめた。