悪魔



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「あれ?骸がいる?ハハハ!もしかして夢!?」

ツナは何故に骸と笑ったが骸は目を見開いていた。

「沢田綱吉!その身体は何なんですか!!僕が知る限り君は男だった筈!」

胸がポンッと出ているツナの身体を見て骸は驚きを隠せない。

「俺本当は女なんだ。」

「ハア!?・・・・・・・・・・・・・・まぁそんな身体は男ではありませんからそうなんでしょうね・・・・・・。」

「アハハッ!夢で骸とこんな話するとかあり得ない!!」


マジでウケるとケラケラ笑うツナに骸はこめかみを揉みながら静かに言った。


「僕は君の夢に干渉してるんです。」

「えっ!?」

「意識を飛ばして君に会いに来ました。」

ツナは途端に真っ青になる。

「か、身体は渡さないからな!乗っ取り駄目!絶対!」

骸は何を呑気にとため息をついた。

「君の身体は僕にとって価値はもうありませんよ。」

「?」

「デボラ・ビーニとか言う矮小な豚がボンゴレを継ぎました。」

「!?」



ツナは敢えて聞いた。

「ビーニさんの守護者は骸とクロームと獄寺君達?」

「獄寺隼人、山本武、笹川了平は豚の守護者になりましたが僕達はあくまでもボンゴレを潰すためになったに過ぎません。」

「そっか。でも骸はらしくて良いね。」

獄寺達の事は分かりきっていたが辛いなとツナは呟いたがツナはランボの事が気になっていた。子供達の中でもランボはリボーンに八つ当たりで殴られていたりしているし雷の守護者だ。

「骸、ランボは守護者になったの?」

「あの子牛はボヴィーノに帰ったらしく他の人間が雷の守護者になっていました。」

「そう。でもボヴィーノに帰ったならランボは安全だ。イーピンとフゥ太は大丈夫かな。」

他人の心配するツナに骸は相変わらず甘いと思った。

「イーピンはアルコバレーノだった風が迎えに来て、フゥ太は依頼が来たからと沢田家から出て行ったそうですよ。」

「イーピンとフゥ太はボンゴレの人間じゃないからリボーンも強くは言えなかったのかも。」

安心するツナに骸は居場所を聞いた。

「君は今、どこにいるんです?しかも君一人で日本から脱出したわけじゃない筈。」

「イタリアにいるよ。」

「ハア!!?」

骸はまた驚いた。

「イタリアにはボンゴレ本部とキアロスクーロ本部があるんですよ!」

「俺もそう思ったんだけど俺を助けてくれた人達はボンゴレとキアロスクーロはまさか俺がイタリアにいるとは思いもしないからって。」

「灯台もと暗しってヤツですね。」

「こんなに話してて何だけどボンゴレには内緒にしててほしいな。」

「今更ですね。君は本当に馬鹿なんですか?君がボンゴレに戻るのを僕としてはいただけません。」

「ありがと。そういえばクロームは無事なんだよね?」

「ええ、君の超直感のおかげで無事です。その事に関してはお礼を言いますよ。クロームは心配しています。君はどのように生計を立てているんです?」


ツナはデボラに陥れられて獄寺達に裏切られた事、キアロスクーロの力で留置所も拘置所も飛ばしていきなり刑務所に入れられた事、ディアベルに助けられて今はディアベルのメンバーになっている事を話した。



「一般人からマフィアのトップの候補者になり今はマフィア殲滅の為の組織のメンバーとは相変わらず君は面白いですね。・・・ディアベルとか言いましたか?寧ろボンゴレを潰すならそちらにいた方が都合が良さそうです。」

骸は一層のことクローム達を引き連れてディアベルのメンバーになるのも良いかも知れないと考え始めるが。

「もしかしてディアベルに入る気なの?やめた方が良いよ。」

「何故です?」

「言い忘れてたけど雲雀さんがディアベルと同盟組んでるんだよね。」

「ハア!!!!!?」

「俺も同盟組んだのは驚いたよ。理由は知らないけど。」

「・・・僕はもう驚愕してばかりですよ。」


ディアベルに入るのは熟考した方が良いと考えているとツナの身体が消え始めた。

「おや?覚醒しはじめているようですね?」

「そうなの??」

「ええ。それではまた。」


そう言って骸はツナの夢から消えて、ツナは意識が浮上していった。




ーーーー

目を覚ますとツナはノロノロと体を起こして目覚まし時計を見た。

「まだ夜中だ。もう少し寝とこう。」

明日もまたイタリア語の勉強もあるのだからと再びベッドに横たわると夢で骸との会話を思い出した。

「ビーニさんがボンゴレを継いだということはディアベルはどう動くのかな。いきなりボンゴレとキアロスクーロに攻め込むとは思わないけど。」


ボンゴレとキアロスクーロに攻め込む。

その意味はーーー


その時までにリボーン達が真実に気付いてくれたらと思ったがおそらく自ら気付く事はないと超直感が伝えてきて。



「リボーン達に刃を向けることになるね・・・。」


ツナは考えるのを止めて眠りに就いた。


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