悪魔
イーピン、ランボ、フゥ太が沢田家を出て行きこれ以上抜けられるのは痛い。リボーンはランボだけでも連れ戻さなければと考えているとレオンが変形した電話が鳴った。
「チャオッス!家光か。随分慌ててるみてぇだがどうしたんだ?」
『大変だ!雲雀恭弥がボンゴレギアを送り付けてきた!!』
「何だと!!」
『守護者にはならないと書かれた手紙も同封されているんだ!!』
「とりあえず俺が雲雀を説得する!」
『雲の守護者は雲雀恭弥以外適任がいない!頼んだぞ!』
リボーンはランボが辞めて次は雲雀かと頭を抱え風紀財団に足を向けたが。
「理事長は取引先です。お引き取り下さい。」
感情がないように話す風紀委員。雲雀は草壁を同伴させてイタリアに等の昔に渡っている。
その事を知らないリボーンは何処にいると詰め寄る。
「雲雀は何処にいるんだ?」
「我々風紀委員達は知らされていません。」
「風紀委員のおめえらが知らないってことはねえだろ?」
「企業との取引がある事以外は知らされていません。お引き取り下さい。」
リボーンは言わないなら読心術を使うまでだと風紀委員の心を読んだが本当に知らないことが分かり、内心舌打ちして風紀財団を後にした。
雲雀はリボーンが読心術を使えることを知っていたからこそ風紀委員達には知らせなかった。
ランボが辞めて雲雀はボンゴレギアを返して行方不明。
この事にボンゴレはこれ以上抜けられるのを阻止するためにデボラの継承式を執り行うことにした。
リボーンに呼び出されたデボラ、獄寺、山本、了平は並盛高校の屋上に集まっていた。
「おめでとうございます!デボラさん!」
「デボラおめでとうなのなー!」
「極限めでたいぞ!」
「隼人~武~了平先輩~ありがとうー。」
喜びあうデボラと獄寺達。リボーンは継承式の日時を教える。
「継承式は一週間後日本でやる事になってるぞ!場所は◯◯ホテルだ。ランボの代わりはキアロスクーロから出してくれるそうだ!継承式で顔合わせになるから粗相するなよ。」
「お父様が今選んでくれてるからよろしくねー!」
「「「はい!/おう!!」」」
「しかしランボの奴デボラさんのお父様に迷惑かけやがって!!」
ランボを罵る獄寺にデボラは怒らないでと宥め始める。
「ランボちゃんは元々ボヴィーノの子だものー。そのボヴィーノのボスが指名したらランボちゃんはそれを受け入れなきゃいけないわ~。ボンゴレだって後継者が必用なようにボヴィーノにも後継者は必用なんだから~。」
「さすがデボラさん!他のファミリーの未来まで考えているなんて!」
「デボラは優しいのなー!」
「デボラこそが極限に真のボスだ!」
「そんなことないわ~。」
ランボを思いやるふりをするデボラを誉めちぎる獄寺達。
リボーンはデボラを中心にして纏まっていると感じ、ボンゴレは繁栄すると確信していた。
ーーーー
翌日の放課後、リボーンはデボラを連れて黒曜ヘルシーランドにいた。
「デボラがボンゴレ10代目になるぞ。6日後に継承式をするからそのつもりでいてくれ。」
「デボラ・ビーニです。六道君よろしくお願いします。」
骸はデボラに内心で舌打ちした。
確かに骸は霧の守護者だが10代目の霧の守護者は骸だけではない。クロームもまた霧の守護者。なのに骸に挨拶しても同席しているクロームは一瞥しただけ。クロームへの侮辱は骸自身を侮辱したことになる。
『クフフ。何の力もない牝豚の癖に僕に喧嘩を売るとは笑わせますね。』
思ったことをおくびにも出さずに骸はリボーンに問う。
「しかし彼女が10代目なら沢田綱吉はどうしたのですか?」
リボーンはツナの名前を聞いた途端に顔をしかめた。
「ダメツナはデボラを苛めて暴力を振るったんだ!苛めをするような奴にボンゴレを継がす訳にはいかねえ!それに比べてデボラはツナと仲直りしたいと言い続けているんだ!そんなデボラの方がボンゴレ10代目にふさわしいと9代目と家光がツナを降ろしてデボラに変更したんだぞ!」
「ほう。それで彼は?」
「ダメツナなら刑務所にぶち込んだぞ!心から反省するまで出すつもりはねえっ!」
「デボラはいつか仲直り出来ると信じてるから~。」
「必ずダメツナに詫びさせるからな!」
「詫び何て良いよ~。誤解さえ解ければデボラは満足よぉ~。」
下らなすぎるデボラの三文芝居に骸とクロームは呆れ果てるが骸は他人に見せる笑顔で言った。
「事情は分かりました。よろしくお願いします。」
ニッコリ笑う骸にデボラは骸を籠絡出来たと喜び後は雲雀を何とかするだけだと笑った。
デボラとリボーンが黒曜ヘルシーランドから出ていくと骸はクロームに告げた。
「あの牝豚が10代目になるということは沢田綱吉がどんな目に合うのかは分かりきった事です。クローム、お前は助けたいのでしょう?」
「それじゃあ骸様!!」
「沢田綱吉はボンゴレから解放されたい筈です。その手助けをしてあげましょう。」
「はい!」
目を輝かせるクロームに骸は苦笑した。