悪魔
翌朝、教室にいた生徒達はデボラを見て驚愕した。
「ちょっとデボラちゃん!どうしたの??」
「ビーニ大丈夫なのかよ?」
デボラは頭に包帯を巻いて両方の頬には湿布が貼られて右手にはガーゼ、左手には絆創膏が2枚貼られていた。右の太股あたりから膝にかけても包帯が撒かれていて左膝はガーゼが貼られている。
大怪我をしているデボラに生徒達は心配した。
デボラは嘘泣きをした。
「ヒック、昨日買い物しようと出掛けたら、ヒック、後ろから、沢田君に、ヒック殴り付けられて、その後も何度も蹴られたりして、何とか逃げたんだけど、ヒック、私、何かしたのかな、ヒック。」
泣き出したデボラを慰める生徒達。そこに獄寺と山本、京子が教室に入ってきてその光景で察した。
「ビーニ!その怪我どうしたんだよ!?」
「沢田の奴にやられたのな!?」
「デボラちゃん!」
デボラは「沢田君にされたの」と泣きながら答えると獄寺達は「また苛めたのか!」と怒りを露にする。
教室の空気が悪意に染まった。苛めをする人間には罰を!ツナに制裁を!と騒ぐ獄寺と山本、京子、生徒達。
騒ぐ獄寺達を横目にデボラは笑いを堪えた。
『ギャハハハハ!ダメツナお前は今日で終わりだよ!もう直ぐ警察が来るからね!まあその前に獄寺君達に制裁されてデボラを楽しませてねー。』
デボラは早く来ないかしらと思っているもとツナが教室に入った。
生徒達はツナを睨み付け一斉に取り囲み獄寺はダイナマイト、山本は刀で制裁し出した。
「てめぇ!いい加減にしやがれ!」
「昨日デボラの後ろから襲いかかって暴力を振るったんだってな?最低なのな!!」
「沢田君!何でデボラちゃんを苛めるのよ!」
「デボラちゃんに代わって仕返ししようよ!」
「制裁してやる!!」
それぞれが口々に言うとツナに暴力を振るい始めた。獄寺達の後ろでデボラはニヤニヤと制裁されるツナを見て楽しそうに笑っていた。
教師が入ってくると立ち上がれず床に転がるツナを放置してデボラ達は席に着いた。教師もツナは苛めをしてるからと無視した。
授業が始まると警察官が入ってきた。獄寺達は驚いたがデボラは笑いを堪えていた。
「沢田綱吉はいるか?」
獄寺と山本、京子、教師、生徒達は一斉に床に転がるツナを見た。警察官はツナの傍に行くと手錠をかけた。かけられたツナは目を見開いた。
「!?」
「沢田綱吉、暴行罪の容疑で逮捕する!」
「え!?」
ツナは引き摺られるようにパトカーに乗せられた。一部始終を見ていた獄寺達はざまあみろと嘲笑い、デボラにもう安心だと口々に言った。
デボラはツナが消えてこれでボンゴレは自分の物だとニヤリと笑った。
ツナは無実を訴えたがデボラが捏造した映像が証拠とされ、またキアロスクーロが警察に圧力を掛けてツナをいきなり刑務所に入れた。ボンゴレはツナを反省させるという理由で協力した。
奈々には防犯カメラの映像を見せて「どこまで悪いことをしたら気が済むのかしら!!」と怒り呆れ返っていた。
ツナを反省させる為に暫く留置場に入れることにしたと家光が嘘の説明をした。奈々はそれでツナが反省するならと嬉々として了承した。
「何で信じてくれないの?俺は何もしてないのに。」
ツナは女性刑務所に移されその後ソフィアとミリアムに会うことになった。